1996年7月発売
96年のアルバム。ドラマチックに構成されたインダストリアル・ロック魂に磨きをかけ、より大きくギターをフィーチャーしている。破滅をテーマとして、ある種の美学を感じさせるほどダーティーかつ華麗に迫る。
20年以上前の自分の顔と現在の顔をモンタージュしたジャケットに表われているように、自作の代表曲に加え、泉谷フォーク時代の同時代曲のカヴァーも含めスタジオ・ライヴおよびライヴにより自らのスタート地点から現在までを俯瞰しようとする作品だ。
メロディック・デスの代表格として人気を決定づけた彼らのミニ・アルバム。収録曲の大半が昨年レコーディングされたもので、ワビ、サビの効いた王道のヘヴィ・メタルに近づいた印象を強くする。I.メイデンの(6)のカヴァーもハマり具合は抜群だ。
“民族音楽とあまり堅苦しく考えないで”という姿勢は(1)(2)の軍楽、(3)というミーハーな選曲にも表われている。ブルーモスクはイスタンブールの代表的イスラム寺院のひとつだが、この街だけでなくトルコ全土から集められた音色は実に多種多様。
横笛の藤舎名生と和太鼓の林英哲が、上空より撮影された九州の山々(噴火口)を見ながら、即興で演奏しあったという。お互いの魂の音がぶつかりあった、荒々しくも逞しいセッション作。雅楽同士のぶつかりあいが、こんなにも高い緊張感を生み出すとは……。
志ん生の十八番「火焔太鼓」(1)は58年NHKラジオでの録音。この噺、滑稽であるばかりでなく、女房にガミガミ言われている亭主の姿が我が身のごとく思える瞬間がある。座りしょんべんするな! がいい。53年TBSラジオでの録音の「風呂敷」は長屋の艶笑噺。
ブランキー・ジェット・シティの浅井健一が、ヴァイオリンやパーカッションを加えてアコースティックなソロ・アルバムを。“裏ブランキー”とも言うべき陰影のある演奏やデリケートな曲調のせいか、ヴォーカルに一部藤井フミヤを思わせるところも。