1996年7月発売
チャイコフスキー:交響曲全集チャイコフスキー:交響曲全集
コバケンのチャイコフスキーが、なぜ共感を与えるのか。それは曲への熱い思い入れがなせる濃厚な表現と言えるだろうか。第1番〜3番あたりも、できるだけ整然とした演奏を心がけようとするものの、その棒の隙間からあふれ出る情熱のほとばしり。これがオハコともいえる第5番になったら……もう、ファンにはたまらないコバケンの世界。93〜95年に収録されたライヴ。貴重な個性だ。
ブラック・ミュージックの伝統ブラック・ミュージックの伝統
75年リリースの定番コンピLPを再編成した改訂CD版。待望。27年のファリー・ルイスから68年のTボーンまで。ブルースの深みをずらり25曲で一望できる。ブギは楽し。57年チェッカー録音のクリフトン・シェニエの収録はうれしくためになる。基本だよ。
モービッド・ヴィジョンズモービッド・ヴィジョンズ
デビュー・アルバムとレアEPをカップリング。フリークの間ではコレクターズ・アイテムになっていたという代物だ。音質を含めサウンド的なクオリティを後の彼らと比較するのは無意味だが、強力なエッヂが耳を切り裂く。
スキッゾフリーニアスキッゾフリーニア
メタル・バンドとしては変わりダネでブラジル出身の彼ら。87年発表でほとんど自主制作盤に近いノリだが、重量感とメロディラインがほど良くマッチしてなかなかの正統派だ。当然マニア対象の作品といった感が強いが、それ以外の人も受け入れられる可能性は大。
ビニース・ザ・リメインズビニース・ザ・リメインズ
ブラジル産のメタル・バンド、セパルトゥラの本邦デビュー盤(通算3作目)。とはいえ、とりわけ欧米のバンドとの違いといったものはなく、楽曲のレベルも水準以上をキープしている反面、本人達もそれだけで満足なのか、いわゆる決定打に欠けるのが残念。