1997年12月25日発売
カヴァー集だった前作ではストーンズの曲を披露。カントリーがロックンロールへと変貌する瞬間のスリルを証明していた男である。ライヴが悪かろうはずがない。うま過ぎないところも、この世界の歌手にありがちなマンネリズム打破に一役買っているのでは。
広い人気は獲得しなかったものの、アメリカン・バンドとしての“粋”はあったナ、と。サンフランシスコをベースにしていた通受けバンドの、サイアー時代(70年中期〜後期)のソースをまとめたベスト盤。シスコのNRBQと言いたくなる妙味にニコリ。★
パワー・ポップの新しい波にのってか、そのオリジネイターとして支持の厚い米西海岸バンドの78年の作品の初CD化。バーズからビートルズ、クリフ・リチャードまでのカヴァーを交えながら、溌剌と歌い、演奏している。デイヴ・エドモンズのプロデュース。
世の中には日の目を見ずに埋もれていくバンドも多いけれど、それもひとつの生き方だったりして……。で、本作はサンフランシスコ出身ではあるがイギリスで評価されたフレイミン・グルーヴィーズの79年発表の6作目、世界初CD化作品。元祖パワー・ポップ!?
“パワー・ポップの祖”なんて言われたりもする彼の、スティーヴ・リリーホワイトのプロデュースによる83年作。神経質そうな顔からは想像のつかない快活なサウンドで後味さわやか。
元祖ジャーマン・ハード・ロック・バンドによる第6作。78年作品。時代により方向性が異なり、つかみどころのないバンドだが、メンバーの力量はなかなかのものだった。ここでは比較的ストレートな明るいロックが聴ける。新加入のシンガーがよく頑張っている。
名ヴォーカリスト、ジョン・ロートンが復帰した通算8作目。81年作品。営業的には成功せず、これよりバンドは解散状態になるのだが、初期の彼らに近いハード・ロック・スタイルはかなりの水準にある。試行錯誤の末、何かふっきれたようなものが感じられる。
オーストリアのキーボード/ギター奏者の83年発表作。詩人ヘッセの「ステッペン・ウルフ」にインスパイアされたシンフォニーを、バンド形態で演奏したプログレッシヴ・ロック風アルバム。(4)で聴かれるクリムゾンばりの前衛的なサックスが印象に残る。
自らのお好みブルース・ナンバーばかりを集めてルーツ確認的な意味も当然含まれた91年のアルバム。テキサス録音。あい変わらずのパワフルなブルース・ハープ・プレイでいなたくかつファンキーに迫る。マット・マーフィー、ヒューバート・サムリンの参加も。
ブルース・ブラザーズ・バンドの一員としても知られるマットの初リーダー作。89〜90年テキサスはオースティンでの録音。ファンク臭ぷんぷんのスウィング感で名人ギターはもちろん、素朴なヴォーカルも美味。
いま18世紀音楽がブーム? これまで聴かれることの少なかった作曲家の作品に次々と新しい光が当てられている。ボヘミア生まれのロゼッティも、その1人。生彩ある響きとリズムのおもしろさ。いかにも当時の趣味がしのばれる音楽だ。演奏もすばらしい。