1997年3月21日発売
奄美大島の北部に伝わる「笠利節」のウタシャ(歌い手)、当山ミツヨの歌声は“しまうた”を特別なものと思い込みがちのこちらの気持ちをほぐしていく。島で紬の機織りをしている歌のうまい主婦が、近所の人たちと“歌遊び”をしているかのようである。
結成20周年を迎えた日本の元祖パンクといえばザ・スタークラブ。タイトルどおり、元ジュンスカの森純太、黒夢の清春、バクチク、レピッシュと錚々たるゲストが参加しヒカゲを盛り立てている。でも、新リスナーのための系譜ぐらい添付してもよかったのでは。
丸山勉は読売日響の首席ホルン奏者。アンサンブルなどでも活躍する若手だ。ハープを交えながら、ホルンという楽器の能力と魅力を紹介するというコンセプトはまず成功。明るい音楽性がうれしい。少々音程の不安定な部分が、楽器の性格とはいえ残念。
フルートのようなシンプルな楽器を4本集めただけで、よくこれほど豊かな音楽世界が作れるものだと感心した。何よりもアンサンブル能力が素晴らしく、まるで4本のフルートを1人で吹いているかのようだ。今後もどんどんレパートリーを広げてほしい。
当時イングヴェイ・マルムスティーンと人気を二分した早弾き様式美系ギタリスト、ティモ・トルキ率いるバンドのシングル(97年リリース)。マイナー・キーの泣きの旋律とドラマティックな曲展開、その冴えは相変わらず。(4)(5)のライヴ・ヴァージョンも臨場感があり、ファン必聴の音源だ。
チャイコは83年レニングラードでのライヴだが、残響が少なめの録音のせいもあり、これまでの演奏より一層凝縮された音楽になっている。第3楽章ワルツの研ぎ澄まされた美しさ、第4楽章の力強い導入から圧倒的なフィナーレ…そのダイナミズムがすごい。
これまでのものは録音状態に難があったため、この録音の良い新盤の登場は歓迎されるだろう。ともかく、この曲をこれほど峻厳に演奏したのは後にも先にもこの人だけだ。特筆されるべきはラルゴの見事さ。とてつもなく崇高で美しい。
同年同月の別の日のモノーラル盤もあったが、これはステレオ録音。一瞬たりとも気を抜けない恐ろしく緊張感の高い演奏だ。リハーサルも徹底して行なわれたのだろう、いざという時のオケの鳴り方も凄まじい。ムラヴィン/レニ・フィル絶頂期の記録だ。