1997年4月21日発売
82年、アメリカ合衆国国会図書館クーリッジ・ホールで行われた全曲演奏会の画期的なライヴ録音。精密なアンサンブルを土台にした現代感覚あふれる演奏は彼らならではのものだ。
ステレオ期以降2度目、モノも含めると彼ら3度目の全曲盤。ただしメンバーはそれぞれかなり異なる。63年の2度目のものが名演の呼び声高いが、これも、4番などでは緊張感やアンサンブルの密度がやや後退したとはいえ、6番は実に感動的。やはり名盤だ。
ペライアにバロックのレパートリーは、やや意外な気がしたが、それが大きな思い違いだったことに気づかされた。決して恣意的ではなく、けれども自由でのびやかなピアノは“うたごころ”にあふれている。抒情的と言われる彼の美点が十分活かされたアルバム。
六代目三遊亭圓生の巧みな話芸を収めた圓生百席シリーズ第一弾。江戸時代のケチをユニークに描いた74年録音の「一文惜しみ」、映画『幕末太陽伝』の元筋、75年録音の「居残り佐平次」を収録。江戸訛りを取り入れたり、セリフのひとつひとつが味わい深い。
昭和の大名人、圓生による古典落語全集のCD化第2弾。オレがいうのもおこがましいが、このヒトの噺からは江戸文化のイキな部分がヒシヒシと伝わってくる。ちなみに「鶉衣」は宇野信夫作品。篠山紀信によるジャケット写真も最高で御座います。
絶頂期の録音で、芸に対する自信がひしひしと伝わる。『鰻のたいこ』は八代目文楽の十八番として知られるが、圓生は野だいこの一八が例の客に会うまでの過程をカットせずに演じている。文楽と圓生の、噺の刈りこみ方の違いがわかって面白く聴ける。
晩年のスタジオ録音による全集もの、『圓生百席』のCDリイシュー。ていねいな語り口はスタジオ録音でさらに際立つ。うまいです。きっちり聴かせます。「このディスクの内容は伝承古典落語ですので、現社会には実在しません」という但し書きがご時世だねェ…。
90年に肺ガンで逝去したジャズ・ヴォーカルの女王サラ。CBS専属時代(49〜50年)と、70〜80年代に再び同レーベルに録音((3)(7)(12)(16))した音源からのベスト選曲。これぞCDの原題“ディス・イズ・ジャズ”! (1)(6)(8)はマイルスの貴重な歌伴参加トラック。