1997年8月25日発売
これはギャラガー兄弟のバンドではなく、80年代中期に活動したアダルトでアコースティックな英国ポップ・ユニット。経験豊かな男女が笑顔で、しっとりとした表現を紡いでいくといった感じか。けっこう浸れて、くつろげる。佳作といっていいのかも。
せっかく移籍したのも束の間、結局ラスト・アルバムとなってしまった85年作。初期作品よりちょっぴり音がゴージャスになってるのがミソ。それにしても、最後の最後までインチキくさいポップ・センスを発揮し続けてきたあたりが彼らの真骨頂だったような気がする。
アメリカで注目を浴びているスムース・ジャズの代表的な演奏を集めたコンピレーション。しかしてその実体はと言えば、これまでコンテンポラリー・ジャズとかNACと呼ばれていたおとなしめのフュージョンのこと。それにしてもこの選曲はかなりいい。
「シーヴス・イン・ザ・テンプル」と「ニュー・パワー・ジェネレーション」のリミックス・ヴァージョンで構成した日本のみ発売のサービス企画。ダブ・ミックスなど、それなりに楽しめるが、プリンスのネットリ声の魅力の大きさに逆に気づかせられる。
「もうアカンのとちゃうか?」とか「フツーになった」とか、あれこれ言われてるプリンス様のリミックスもの。お題は「ゲット・オフ」と「クリーム」。いやぁ、それでも凡百のダンスものと比べて、つまっているモノの量が違う。ジングル風の(8)と(11)がかわいい。
「ラヴ・シンボル」の1曲目に収録されていた“俺はプリンス。俺はファンキー”って曲のリミックス集。珍しく声を枯らして叫ぶ、熱いプリンスの4連発だ。「SEXY MF」の方は、(7)のクリーン・ヴァージョンのたあいなさが笑える。未発表曲の(8)はメガ・ミックスみたい。
この作曲家は1909年に生まれ、79年に亡くなったフィンランド人。と、ライナーに書いてある。知ってました? 私は全然知りませんでした。恐らくこんな事を知っているのは、日本では片山センセだけと見た。まあ強烈に時代錯誤の人懐っこい曲だこと。
一つ一つの音をどのように切り、どのようにつないでいくか。アーティキュレーションの解析がアーノンクールの基本。そこから生まれる新鮮なリズムと響き。そして、何より求心的で推進力ある音楽。誇大な表現を剥ぎ取ったメサイアのエッセンスが聴ける。