1997年9月発売
参集者一同が心を合わせて唱和する。すべからく信仰の基本であり、神聖な儀式を彩る調べでもある。ここでは歌の上手い下手は問題にならないのである。当盤には黒人霊歌を含めアメリカ、イギリス起源の比較的新しい曲に日本語の訳詞をつけた聖歌を収録。
ア・カペラのグレゴリアン・チャントとはだいぶ、趣を異にする。聖歌とは何?無宗教者にはふだん馴染み薄いが、標題曲のタイトル通り、人生の海の嵐などに出会ったとき、平安を与えられ、随分助けられるものだろう。グレゴリアンが人々に支持されたように。
全7集の『聖歌100選』のうち第5集では、「証し・宣教・再臨」をテーマに、『讃美歌集』にも含まれる(5)をはじめ、15曲が収められている。演奏形態は独唱または合唱で、伴奏は小オーケストラが主体。キリスト教主義の学校の教材としては適したシリーズ。
日教基団の「讃美歌」のほかにも、讃美の「歌集」が作られているが、当CDには、若者の気持ちを燃えたたせる聖歌や、日常のなかで皆で親しくうたえる聖歌など、讃美・祈り・献身をうたう「青年聖歌」が収められている。これを聴いたら、元気が出てきた。
この新盤は音質がずいぶんと生々しくなり、それは評価にも大きく影響する。この2曲はブルックナーの交響曲のような巨大な解釈で、特に第1の方は通常の演奏は大きく異なったものだ。朝比奈が長い時間をかけて到達した世界だけに、その味わいは格別だ。★
85年のライヴ録音だが、12年前にして朝比奈は既にここまでスケールの大きな音楽を創っていたのだと改めて感服した。音楽は常に悠々と流れ、すべての音符は暖かく息づいている。今、「運命」の2楽章をこれほど豊かに響かせる指揮者は恐らく皆無だろう。
最初に出たCDは、もっと柔らかい音だったと思うが、この新盤ではずいぶんと生々しくなった。第7は例によって繰り返しをすべて敢行し、巨大な構成の中に素朴な情熱が渦巻く演奏。技巧的な第8は朝比奈流の解釈と多少相性は悪いが、それでも平均以上だ。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の50年代の町並みが映るシーンで印象的に使われていた全米1位の逸品(2)をはじめとする代表曲を集めたベスト。女性4人による温かくチャーミングなハーモニーと、ピースフルな曲調が、古き良き時代へと誘う。
甘さがなによりの60年代のお兄さん。顔も甘口でなごみます。ケイデンス時代のアメリカン・ヒットのみならず日本だけのヒットもばっちり。ソングライターとしての才能も素晴らしかったことを忘れてはいけません。ロックンロール系の曲もゴキゲン。
1年3カ月ぶりの登場となる、みやむーの2nd。周防義和、鈴木慶一、関口和之といったそうそうたるメンバーによる楽曲を、アイドルチックなウィスパリング・ヴォイスで披露している。歌唱力のなさが分かってしまう曲もあるだけに、やはりマニア向けか。