音楽むすび | 1998年10月発売

台湾の先住九部族のひとつで東南部に住むアミ族の“馬蘭吟唱隊”(長老Difagである郭英男とその親族の老人たちによるコーラス隊)が、暮らしに根差した歌を伝統的ハーモニーで歌っていく。せっかくの歌声にデジタル・サウンドがなぜか付けられている。

作詞・作曲・編曲などをすべてこなす波田佳子によるユニット、cocaのデビュー・マキシ。シンプルなアレンジ、淡々とした歌声……けど、この妙な安らぎはいったい何? 胸にとけ込んでくる懐かしさと新しい発想とが同居する不思議な存在感に興味津々。

70分以上に及ぶ未発表曲やアルバム未収録曲も入った、ボリュームたっぷりのベスト・アルバム。収録曲はオリジナルのみならずカヴァーも含まれ、ア・カペラもあったりして、自ずと彼の音楽の傾向が濃縮されている作品集ともなっている。

自衛隊の古参下士官にときどきこういうタイプの人がいる、とジャケ写を見てあらぬことを考えた。土性ッ骨が坐っているというか、自己の可能性と限界をきちんと見すえたうえで動く。その点では、どっちもプロフェッショナルだ。彼のメッセージは実は男心だ。