1998年10月25日発売
変わり者か天才か。伝説のギタリスト、ローウェル・ジョージ率いるリトル・フィートの75年発表の5作目。よりタイトに、よりファンキーにサウンドを完成させた名盤。
セッションなどを通じては旧知の仲という二人のレコーディング初共演となるデュオ作品。フリゼールがここまで正面きってスタンダードに取り組んだのは初めてだが、ここではアタッチメント類は極力排除し、ルーシュと静かだが濃密な対話を展開していく。
ティル・フェルナーはウィーン生まれの26歳。超名曲をちょっと外して19番と25番というところが渋いが、柔和でエレガントな音はモーツァルトにぴったり。かなり計算しつくされた潔癖性が感じられるが、それで弾き振りしてるんだから大器は間違いなし。
18世紀末ロシアの“不当に葬り去られていたチェンバロ作品”(ボーモン)を、同時代製ブロードウッド製の楽器によって録音したディスク。バロックにも現代チェンバロにも聴かれない不思議な音楽体験は、当時のロシア宮廷の欧州での位置も彷彿とさせる。★
大沢誉志幸がベスト選曲で贈るライヴ盤。大ヒットの(3)以下、山本秀夫や美久月千晴など手練をそろえたバンドとともにイイ曲をじっくり聴かせる。そんななか、往年の元気のよさを偲ばせるアップ・テンポの(2)が懐かしい。この手の曲をもっと聴かせてほしい気も……。
爽やかなメロディと柔らかなヴォーカル&コーラス。そして、「かどわかされて」など独自の言葉使いの妙で泣かす歌詞満載の待望のファースト。凝ったサウンドを巧みに聴かす、軽妙でロマンティックなポップ・サウンドはまさに日本のニック・デカロ、ですね。
ギルがその音楽の中に新しい動きを大胆な形で取り込み始めた時期の作品。これはシンセやロック・ビートを独自のオーケストレーションに有機的な形で導入することでジャズ・オーケストラの可能性を大きく前進させたライヴ・パフォーマンスである。
映画『真夏の夜のジャズ』の冒頭を飾ったジュフリー・トリオ。アトランティック時代の最終作である本作は。その映画と同じメンバー。組曲風の構成だがわかりやすく、ウェスタン・カウボーイの生活を描写した緻密なアンサンブル&ソロが素晴らしい。