1998年11月26日発売
95年度グラミー賞3部門に輝いたシンガー・ソングライター、寡作家ゆえ90年のデビュー以来これが3作目だ。制作は今作もトレヴァー・ホーン。行間がものを言うシンプルな作りで、抑えを利かせた歌は静かに心に染み入る。彼の音世界は確実に深化してる。
13年前に話題を呼んだフュージョン・グループのデビュー作。この時まだ学生17〜8歳で第一線級のテクニック、音楽性を示した。特にジャイムズのac-p&keyは凄い。ジャンピーなグルーヴ、ソウルのフィーリングが最高で、時が経つほどに味が深まる。
一挙に2枚国内発売されたうちのひとつ。一方がライヴ・アルバムなのに対して、こちらはスタジオで入念に作り上げたカヴァー集。マライア・キャリーやジャネット・ジャクソンらの近年ヒッツを、巧妙な編曲と熱烈な演奏で聴かせるウェイラムの真価を満載。
デイヴ・メイスン、マリア・マルダー、CS&Nなどのバックを務めたキーボード奏者の76年の初ソロ作。マッスル・ショールズの腕達者なミュージシャンをバックに、米国南部に特徴的な無骨かつ豊潤な音楽を聴かす。アラン・トゥーサン作の(10)が秀逸。★
海外からのアーティストが来日するとき、こうやって思いもかけなかったアルバムが、来日を記念してCD化されることがあるから楽しい。再編成後も絶好調のMFQが、63年と64年に発表した1作目、2作目のCD化で、そのコーラスはいまだにフレッシュだ。
フュージョン界だけでなくビョークのリミックスなどでも活躍するブラジル出身のキーボード奏者の80年のアルバムを初体験。何とディスコ・サウンドで、手拍子なんかもしっかり入っている。女性のいちゃつく裏ジャケットも含め遊び心が微笑ましい。
デオダートのワーナー・ブラザーズでの2作が、世界に先駆けてCD化された。自身のクロスオーバー感覚を時代の変化に応じて華麗に変身させてみせた時期のことで、こちらは、『ナイト・クルーザー』よりもさらにファンキーに迫った82年の作品だ。
トミー・ドーシー楽団専属のコーラス・グループ、パイド・パイパーズの元メンバー=ジョー・スタッフォードがかつてのボスをしのんで、ドーシー時代の曲をまとめて歌った63年の作品。アレンジはネルソン・リドル、ビリー・メイ、ベニー・カーター。
フランス三人組ユニットの通算6枚目。生演奏を試みたり、生っぽいグルーヴを意識した打ち込みを取り入れたり、以前の無機的なハウス・ビートからの脱却を図っている。ナデージュ・セリエの歌にも生身の人間らしい感情の起伏が加味されたようだ。
ゴスペル/R&Bのシンガー、グループによるクリスマス・ソングのコンピ。90年代作が多いが、60年代の(7)も含み、またトラッドも自作もありでバラエティ豊か。自作の(3)や(11)は秀作。平均的日本人がもつクリスマスのイメージにもっとも合うのは(1)だろう。
あまり最先端すぎて、ポピュラリティよりその才女面ばかり強調され、音楽ファンよりも、若手ブンカ人にもてはやされているのが現状。単純にポピュラー・ミュージックのニュー・ウエイヴとして聴いてみればそのシンプルな美しさが感じられるだろう。
フィリップ・グラスの初期の作品(1968-74)を集めている。ここに収められているグラスのエレクトリック・オルガンを使ったミニマル・ミュージックはどれも15分を超え、正直言って、退屈してしまう。この退屈さこそが伝統的な聴習慣への挑発なのだろう。