1998年11月発売
素晴らしい。楽しい。現代音楽ファンでなくとも、飽きずに楽しめるのではなかろうか。圧巻はライヒだ。非常に単純なユニットを繰り返し使い、非常に単純な(難しいけど)操作で刻々と変化する非常に複雑なものを作り出す。そのコンセプトには脱帽。
ピアノ伴奏だけではなくクラリネットのオブリガート付き歌曲も入ったドイツ・リート集。興味深い曲が集められている。日本人独特の線の細さと声の不安定感があることは否めないが、丁寧な音楽作りと柔らかな発声で、好感の持てるアルバムに仕上がっている。
西田直孝は、フライブルク国立音楽大学に学び、各地での活動を経て1976年に帰国したフルート奏者。このCDでは、その温かみのある柔かな音色と真摯な演奏姿勢が印象的なほか、大学の先輩の井上と組んだ(3)(4)が特に感興ゆたかな演奏として注目される。
ウィーン・フィルの団員に教えを受けている若手演奏家たち39名からなるこの吹奏楽団は、オーストリアの軍楽隊の伝統を守ろうという趣旨で設立された。ウィーンで人気の管弦楽曲を演奏するのもオーストリアの軍楽隊の伝統。軽やかなアンサンブルが気持ちいい。
ジャズの時には“昌三”を使うから、今回はクラシックかと思いきや、ここまでくるとノン・ジャンル。夫人で作曲家の中川いづみの作・編曲を自分の音楽の中に取り込んで、センスのいい素敵なアルバムとなった。原曲から想像できない芸術性の高い演奏だ。
95年度グラミー賞3部門に輝いたシンガー・ソングライター、寡作家ゆえ90年のデビュー以来これが3作目だ。制作は今作もトレヴァー・ホーン。行間がものを言うシンプルな作りで、抑えを利かせた歌は静かに心に染み入る。彼の音世界は確実に深化してる。
一挙に2枚国内発売されたうちのひとつ。一方がライヴ・アルバムなのに対して、こちらはスタジオで入念に作り上げたカヴァー集。マライア・キャリーやジャネット・ジャクソンらの近年ヒッツを、巧妙な編曲と熱烈な演奏で聴かせるウェイラムの真価を満載。