1998年1月発売
ショパンのポロネーズ全集。ニュアンスも起伏も豊かで、ファンタスティックな表現を生み出しているけど、民族的な色彩の味わいやショパンのヒューマンな魅力の表出といった点で少しもの足りない感じ。遠藤郁子流の解釈と演奏、どの曲もそんな印象を受ける。
ダン・タイ・ソンの演奏は派手ではないし、今風でもない。あくまでも楽譜に忠実、かつ伝統的な演奏スタイルだ。彼のこだわりが細部のいろいろなところに聴こえていて面白い。“こだわり”といえばショパンのポロネーズへのこだわりも。
クラシックのサックスの音って、なんか“おぼっちゃま”って感じ。でもどこかアブナイところがあってステキ。それでフランスの曲なんてやられると、音がヌルって身体に溶け込んできて、あ、うそ、なーんて。4人のおじさまたち、かっこいいけどマジすぎ。
横浜の総持寺の面々による日常勤行。つまり毎日、普通にあげるお経(声明)一式の録音である。曹洞宗に限らず禅のお経は旋律的魅力に乏しいと言われるが、その分、オスティナート・リズムの凄味が強調されるわけで、しかもこの録音の導師はうまい。名盤。
全米NACチャートで1位を記録した、美女ギタリストのデビュー作。この人、フィンガー・ピッキングで弾くのだが、多彩なギター・テクの持ち主。いわゆるスムース・ジャズ系の心地よいサウンドに載って、しなやかに見事に弾いている。BGMにもいいかも。
ヨーロッパと日本で盛り上がりつつあるラスティック・シーンの旗手が、世界へ向けて放つ1stアルバム。パンク・スピリッツにカントリーやフォークのエッセンスを注ぎ込んだサウンドは一見コミカルなようでいてヴァイオレントなところも…。
ぶっちぎって時代を駆け抜け、先ごろ復活した銀蠅。約3年という活動期間であったが、これほどまでイカしたロックンロールを引っさげ“不良”を世間に認識させた人たちはいなかった。正しい不良がここにある。不良若者よマガジンばっか読んでないで銀蠅を聴け。