音楽むすび | 1998年2月25日発売

10枚目のアルバムになりますか。もはや、ベテランといえるキャリアになりました。なんとなく幼い声質としっとりとした大人の雰囲気を持つ歌唱が、不安定な魅力をたたえています。特に今回変わったところはありませんが、だからいいのだとも言えます。

「サザン」の紅一点で、いまは桑田佳祐の奥方である原由子初のソロCD。収録されている曲にはシニカルなものがあるかと思えば少々キワドイものもある。バラエティに富んでいて全体的にはコミカル・タッチで、しかもかわいい感じがするアルバムだ。

言わずと知れたサザンオールスターズのキーボードとサイド・ヴォーカルの原由子のソロ・アルバム第2弾。作詞・作曲共桑田佳祐の「女優」「ヨコハマ・モガ」のような味のあるいい曲もあるが、全体として軽め。

母なる温かさがどの曲からもじんじん伝わります。優しくて、ほのぼのした彼女の声を聴きながら過ごす午後は、貧しくても幸せ。めちゃめちゃ安らげる珠玉の2枚組。個人的には天才夫桑田氏の手に成る1枚目の(10)が◎。これを聴かずに死ぬのは圧倒的に損だ。