1998年5月25日発売
「楽譜を見ただけでは興味深いものと思えない」(G.サドラー)のに音にしてみるとめっぽう面白いのがモンドンヴィル(1711〜72)の特質。存命中はラモーと双璧を成した才人の作をレオンハルトが律義に細心の気配りをもって音にしたら、めっぽう面白い。
レオンハルト40歳前後の録音。1曲を除いて、すべてフランスの作品で構成したアルバムは、のっけのクープランから明るい色彩。フランスではなくオランダのオルガンを使用しながら、フランス風。得意のラモーのクラヴサン曲も溌剌として素晴らしい。
オルガンやチェンバロなど鍵盤楽器用の傑作を残したフローベルガー。どちらの楽器にも精通したレオンハルトならではのアルバムである。J.S.バッハら後世の鍵盤音楽に多大な影響を与えた壮麗な音楽をレオンハルトが紡ぎだす。
1992年に結成された邦人女性のクァルテットは、すぐにアンサンブル能力を身につけ、数々のコンクールを総ナメにし、今や東京SQ以来のインターナショナルな団体として注目を集めている。きめの細かい、しなやかな音楽性がいい。要チェックのSQだ。
6月の来日公演直前にリリースされるこの2枚組のCDに収められるのは、まさにコープマン=アムステルダム・バロック管の公演予定曲目そのもの。もちろん楽曲・演奏ともにすでに評価の定まったものだけに、安心して“定番”を聴く喜びを満喫できるはず。
いいなあ、こういうの。「悲しみ」なんかの代わりに、ちゃんと音楽がサワヤカに走ってくれて。おまけに、そこかしこで即興的に遊びまくる装飾音符のオシャレなこと! いやいや、感服つかまつりました。ところで、ボーナスCDが付いてますよ。★
70年代初頭の“日本のロック”を代表するFTBの3枚の“名盤”。『SATORI』は彼らの代名詞とも言える「サトリ」の組曲をフィーチュアした2ndアルバム。『メイド・イン・ジャパン』は、ライトハウス関係者の協力によるカナダ録音の3作目。『メイク・アップ』は、ライヴ録音の5曲を含むダブル・アルバム(CDでは1枚に収録)。録音はともかく、感覚的には今の空気にもフィット。
桑名正博率いる70年代の関西を代表する“ファニカン”、73年のデビュー盤。ブギ、ブルースを基調にしたとびきりのイキの良さは今もまるで古びていない。(2)のタメの効いた演奏、(5)の大阪弁、そして何よりも“ええしのボン”桑名の歌のうまさが光っている。
スーパーと名乗るだけあって、代表曲がズラリ28曲、完全リマスタリングの2枚組で3,000円は安すぎるでしょう。今が一番評価の厳しい時期だと思うけど、いい歌を残してきたという事実がここにはあるし、懐メロになるのはまだ早い。
レーベルの創立50周年を記念して、当時のジャケット&内容を復刻した《ATLANTIC JAZZ COLLECTION》中の1枚。速弾きピアニストによる好内容盤、待望の初CD化。