1998年5月発売
須藤あきらのアルバムのプロデュースでも話題となったMR.BIGのシンガーの久しぶりのソロ。エネルギッシュなロックンロール、生ギター入りのバラードなど、ソウルフルでキャッチーな曲が目白押し。背伸びせず、リラックスしているのも印象的だ。
文字通り“曲”の根本をマル裸にする本命盤。D・パープル、L・ツェッペリンに次ぐのが本盤。各パートが皆リズム・ラインを奏でるといった感じだが、ファンクにも傾倒しただけに意外なほど違和感もなく、楽曲が持つ妖しい色気も上手く生かされている。
打ち込み主体の日本人ユニットによるレッド・ツェッペリンのカヴァー集。収録曲はツェッペリンの代表曲ばかりだが、全曲インストで、いわば流行のデジタル・ロック的解釈による1枚といえる。しかし、ジャケットほど過激でない平凡な内容だ。
筋金入りヘヴィ・ロック・バンド、アウトレイジの音源をDJがリミックスした作品。“アウトレイジの曲を聴かせるために”ではなく“ただ単に音源としてカッコ良かったから使ってみただけ”的な感触だが、そのぶんコワれかたが半端じゃなく結構痛快。
デビュー早々全米トップ10の大ヒットとなった(1)を含む、1970年発表のファースト・アルバム。落ちついた色香いっぱいの歌は、当時受け入れられ始めてたシンガー/ソングライター・ムーブメントを思い起こさせ、いまだ新鮮かつ胸しめつけられる感じ。
女性シンガー・ソングライターの生一本のアルバムといった感じの、1971年に発表された第2作。しなやかさと強さがクロスした瑞々しいというしかない曲が続く。ボサ調の曲があったり一聴シンプルなサウンドもそれなりに凝っていたりして、嬉しくなる。
72年のアサイラム移籍後の1作目。通算では5作目。ヒット曲(9)を含む比較的ポップな作品集で、スティルス&ナッシュをはじめ、ジェイムズ・バートン、ラス・カンケル、トム・スコットらが参加している。自らを「野性の種子」に譬えた(5)など、佳曲も多い。
76年発表の『逃避行』、77年の『ドンファン…』、そして79年の『ミンガス』、ジョニ・ミッチェルの第9作から第11作にあたるものだ。どれもが豪華多彩なゲスト・ミュージシャンを迎えながら、ゲスト達はこの取っ付きにくい才女に最大級の敬意をふり注いでいるかに思える。特にジャコ・パストリアスのベースは、ジョニのギターにも声にも気持ちよく溶け合う。今となっては『ミンガス』が、ミンガスへの哀悼であると同時に、ジャコへの追悼も込められて聴かれ、なおのこと感慨深い。『ドンファン…』の(4)のよう、広漠とした太古のアメリカへと思いをはしらせ、壮大なシンフォニック・エッセイを描き出してみせた、ジョニのヴィジョンのダイナミズムに、ようやく時代のほうが追いつきつつあるようだ。
故チャーリー・ミンガスに捧げた作品。とはいえ単純なトリビュートではなく、ミンガスのメロディに詩をつけ彼女の作品にしたのがさすが。“ジャコパス”のベース・プレイも必聴。ジャケの絵はジョニによるもの。
71年発表、S・スティルスの2nd。シンガー・ソング・ライター全盛時の作品であるが、フォーク、ブルースそしてロックン・ロールを絶妙なコンビネーションでブレンド、今日でもその魅力は色褪せない。E・クラプトン、ドクター・ジョンの参加が当時の話題に。
ジャンル
復活を遂げた前作から、かれこれ4年振りのニュー・アルバム。もちろん目新しいことをやっているわけではないが、やたら内容が濃い。多彩にして豪華なバック、粒よりのマテリアル、そして何よりどこかふっ切れたクロスビー節……。代表作の1枚になりそう。
出たな、化けもの!とにかくやたらとタイトルが話題になった81年の作品。このタイトル、オリジナルなのだよ。私たちは「わかめをかぶったミュージシャン」と呼んでいたけど。J・ブラウンのプロデュースで、選曲のセンスもいいけれど、今はただの思い出。
最近、とみに見直しがされているテックス・メックスの大御所の68年の作品。タイトルのおもしろさも話題になった。ちょうど、リトル・フィート、オールマン・ブラザーズ・バンド、レオン・ラッセルの台頭期と重なり、南部のエスニックなサウンドが受けた。
ドクター・ジョンのロサンゼルス時代の作品で、1968年、2作目として完成された。ニューオリンズの特徴的なR&Bは聴けないが、当時のカリフォルニアの音楽状況を反映したサイケデリックな、しかもアクの強い独特の音楽世界は、彼ならではだ。