1999年12月23日発売
かつてのウエスト・コースト・ジャズを代表する人気ミュージシャンをバックに、かつての人気シンガーだったクリスティが彼女ならではの歌唱を聴かせる。しかし内容は残念ながらかっての魅力とは程遠い。ノスタルジーを求めるファンにはうってつけか。
アルトにオリヴァー・レイク、ベースにリチャード・デイヴィス、ラッパがテッド・ダニエルというすごいメンバーで76年にNYで録音されたアルバム。当時の革新的な空気が伝わってくる。
今年5月に初来日を果たしたベルリン古楽アカデミー。生前はバッハやヘンデルより人気があったというテレマンの、楽しく流麗なメロディ、若々しくはつらつとした魅力がぎっしりのアルバム。
まずは企画の勝利。よくも集めたりの珍曲・秘曲の数々。文明開化の時代のいかにも異国情緒たっぷりの“日本感”が大真面目で楽譜に書き連ねられている。これを日本人演奏家の感性を介して再現したところが本企画の醍醐味であり、ゆえに相当に好企画。
テクノ色が強かったここ最近の作風とは打って変わって、宗教的なテーマを掲げ、全盛時のサウンドに肉薄するポポル・ヴーの最新作。もちろんアンビエントな耳触りではあるが、同時にコラージュ的であるために、決して安易には聴き流せない物語性を感じさせる。
イタリアやドイツのバンドは、映画音楽によく起用され、フロックでなくピタリとはまることが多い。ポポル・ブーはジャーマン・ロックの中でも知名度は高いが、流行のニュー・エイジ・ミュージックを先取りした感もあるこのサントラは情景描写が見事だ。
ジャーマン・エレクトロニクス界の重要バンド、ポポル・ヴーが同名映画(ヴェルナー・ヘルツォーク監督)のために作った78年サントラ。日本盤のために、そのリーダーが再編集しているという。美意識あふれる抽象と具象のせめぎあい、その流動表現。
同時再発の2作品と並び、70年代中期のポポル・ヴーはヘルツォーク作品のサントラを多く手がけた。そんななかの一作ではあるが、映像との高度な結びつきゆえか、そのクオリティはオリジナルと比較して決して劣るところはない。今作はギターの比重が少々高め。★
日本が世界に誇るドラマーといっていい、大坂昌彦の4作目のリーダー作。三人の個性豊かなサックス奏者を迎え、彼らをしなやかにプッシュするドラミングは、ほんとうに見事だ。そんな彼のドラムに煽られ、それぞれのサックス奏者のソロもとてもエモーショナル。
ニューヨークの巨(体)人も9作目(未発表も多数)。どんよりしたグルーヴの中に多様な輝きを混在させる手際も堂に入ってきた。マーク・バトゥソンのキーボードが相変わらず冴えた気味の悪さを付加。クールな叙情の歌詩にも要注意のリアル・ファンク。
前半が年末篇、後半が年始篇となっている、一風変わったアルバムだが、その意図は今いちつかみにくい。同じようにライナーノーツのアナウンサーと新井鴎子さんの対談の意味もちと不明。演奏はデコボコあるけれど、アルバムとしてはそれなりに楽しい。
国際的に通用するわがヘヴィ・メタの星のCDが届いた。『フュージティヴ』と同じくサンフランシスコで録音されたアルバムだ。西田昌史と石原慎一郎のコンビで作られる曲はサンフランシスコ録音でピッタシと決まる。日本語を世界に拡めよう!。
“一緒に歌える”ヘヴィ・メタルとかいったキャッチ・フレーズがついているアースシェイカーのL.A.録音アルバムがこれ。ボーカルのマーシー(西田昌史)が、ソフト・タッチなボーカルで歌っているから、サウンド全体までソフトに聞こえるようです。
'85年全国ツアーの最後として86年1月17日、満員の日本武道館で有終の美を飾ったコンサートを収録した彼ら初のライヴ・アルバム。定評のある西田昌史のヴォーカルが妖しい雰囲気をかもし出す。日本のヘヴィ・メタの真骨頂を示した見事な出来ばえである。
2年ぶりの新作はロンドン録音。プロデューサーにクリス・タンガリーズ(イアン・ギラン他)、ゲスト・キーボードにドン・エイリー(元レインボー)と豪華なスタッフに恵まれた本作はハードかつヘヴィ一筋。骨の部分をあえて示したところにバンドの意地を見た。