1999年2月20日発売
WINDS FAIRGROUNDWINDS FAIRGROUND
2年ぶりの新作も相変わらずのパワーでグイグイ迫ってくる。重く、深く、暗いテーマを歌っても、それを跳ね返す骨太な精神が健在であるところに、末世とはいえ一筋の光明を見る思いがする。明るくラジカルなアナーキーさが何ともいえず素敵なのだ。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ゆったりと歌いながら確実な歩みでオケが進み、ヴァイオリンが待ってましたとこの上なくつややかに始める。その音色の美しいこと! とても60年代初期の録音とは思えない。この2人のコンビをこんなにいい音で聴けるとは望外の幸せだ。
シューベルト:交響曲第5番&第8番「未完成」シューベルト:交響曲第5番&第8番「未完成」
「未完成」は最高度にロマン的な演奏で、特に第2楽章の美しさはたとえようがない。ハイドン風の古典的性格の強い第5はもっとすっきりと演奏しているが、そこにはしみじみとした歌心があって、心が暖まってくる。
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」
ワルター唯一の当曲録音。シューベルト最後最大の、そして歌に満ち抒情あふれる美しいこのシンフォニーを、巨匠ワルターが心優しく暖かくのびやかに歌いあげている。
バッハ:イギリス組曲第2・4・5番バッハ:イギリス組曲第2・4・5番
世界中で絶賛を浴びた第1集の発売から1年を経てようやくリリースされた完結編。イタリアから古いスタインウェイをスイスの会場まで持ち込んでの録音で、スタッフも前回と同じ。粒立ちの良い優しい音で満たされた、バランスの良い気配りの行き届いた感服の一枚。★