1999年9月29日発売
路地裏で明日を夢見、故郷を後にした少年が都会で直面したものはーー。和製スプリングスティーン・浜田省吾にはありふれた地方都市に住む少年の心の内側をテーマにした歌が多い。避けては通れない現実をJ.BOY(日本少年)に託した2枚組問題作。
2年ぶりの新作。情景と心情のカット・バックがねばり強くかつ的確に繰りかえされる描写はさすが。ワイルドなギター・サウンドでぐいぐいと気持ちと身体を引っぱっていく。冷徹な視線が熱情に支えられている。
アルバム・タイトル、これはないでしょ。鐘は、誰がためではなく、汝のために鳴るのだ。それはさておき、やはりこの人はライヴでこそ、その魅力が十二分に発揮されると再確認。ディスクに収められてしまうと、“心情”が今ひとつ強烈に伝わってこないのだ。
今回に限らず、彼の世界はオーソドックスな誰にも取っ付きやすいポップ・ロック。だからこそ、役者の彼が好きという理由で聴く人にも抵抗なく聴ける。が、そんななかでも今回は(8)や(11)でヒップホップやスカ風にも挑戦。少しおやっと思わせる。
73年発表のサードが世界初CD化された。ソウル・ミュージックにブルースや米国南部のロックの味を溶け込ませたような前半も悪くないが、フォーク・タッチの後半が好き。歌の上手さを知り、ツェッペリンやパープルのシンガーに誘われたのもうなずけた。
70年代に活躍したシンガー・ソングライターの75年作品。ソングライターとして多くのミュージシャンから高く評価されただけあって、マテリアルはどれも秀逸。カントリーやブルースといったアメリカン・ルーツ・ミュージックを自家薬籠中のものとしている。
ウィルソン兄弟作AORの名盤ついに復刻。79年発表当時の都会的洗練度満点、スティーヴ・ルカサーの官能的ギターも色褪せてこそ花。しかるに今聴くに値する匂いを放つ。現在ビルボード・チャートを賑わす音楽のルーツ知ることができる再発見の嵐必聴盤。
日本のテレビCMでもお馴染みの米西海岸のベテランのサード(78年発表)。初めて自身がプロデュースを手がけてきたアルバムで、J.D.サウザー、ワディ・ワクテルなど腕利きが参加。一聴してドリーミィなポップス集だが、凝ったサウンド作りはさすがだ。★