2002年3月21日発売
都内の高校に通う現役の高校1年生、なんと弱冠16歳という若き箏奏者、森川浩恵のデビュー作。まさに“目からウロコ”スゴイ! の一語に尽きる。これまでの箏(琴)に対するイメージを一掃する即興性あふれる華麗にして激しいツメさばきは驚異! まずは聴くべし。★
スラッシュの象徴からメロディアス志向へと移行、今や貫禄十分な彼らの最新2枚組ライヴ。さすがに初期のようなラフさは望むべくもないが、起伏の富んだ曲構成の“間”に注ぎ込まれるスリルは天下逸品。臨場感に長けたライヴとしてお薦め。
サンバとともに生きてきた33年生まれ名シンガーの新録盤。アルバム・タイトルにあるように、サンバの流れを追いつつ御大の人生を描こうとした大作だが、とにかく喜びと精気とダンディズム、あり。ブラジル音楽に興味を持つ人は、必聴といいたくなる佳盤。★
53〜62年といえば戦後日本の復興期。“バタ臭さ”がなによりもかっこよかった時代をポピュラー音楽でたどるなら、雪村いずみを聴けばいい、と再確認。太平洋の遙か向こうの文化を素直に礼賛しているようでその実、決して米音楽のストレート・コピーではない。洋楽カヴァー、和製ロカビリーのどちらからも“和魂洋才”が具現化された史上マレな、そして幸福な時代を見ることができる。
1曲目の「それぞれの空」は、映画『翼をください』のイメージ・ソング。悲しい別れの歌だが、そのしっとりした感じは、映像とともに流れてくるのにぴったりかも。2曲目の「影ふみ」もまた、じんわりと心の中に入りこんでくるような作品。
オルケスタ・デル・ソルや熱帯JAZZ楽団のピアニストとして知られる森村献の通算3枚目のソロ・アルバム。4人の女性ヴォーカリストを迎え、バラードやダンソンなど、ゆったりしたサウンドを聴かせる。“今”の息吹が感じられる、ラテン・アルバムだ。
ベスト盤。たっぷりとした音と、爽やかな音楽の運びを両立している人なので、クラシカルな無伴奏の曲も、リズムに乗ったアコースティック・ポップも気持ちよく聴かせる。矢継ぎ早に聴き続けるタイプの音楽じゃないんで、2〜3曲ごとに一休みするのが吉。
若者ばかりのクァルテット。であればシャープな技巧にスピード感あふれるストレートな音楽。と、こんな先入観を持つのはマチガイ。もちろんそういう点もあるけれど、ファーストの伊藤亮太郎の持ち味にもよるのか、この団体は思いのほか湿度のある音楽を聴かせてユニーク。
ポップスにカヴァーされたクラシックの名曲を集めたコンピレーション・アルバム。オリジナルの形とカヴァー・ヴァージョンの両方が収められていて、聴き比べができる。