2003年10月発売
珠玉の名曲「屋根」を含む、高田真樹子の1stアルバム『MAKIKO first』(74年作)が待望の初CD化。最近のインディーズからのリリース作品「光のページェント」も収録。
2004年にデビュー10周年を迎える岩本公水。本作は、コンサートで歌う名曲を中心に選曲されたベスト・アルバムで、全曲集とはまた一味違った聴き応えある作品集。10周年に向け弾みをつける。
響きは乾き気味で、金管楽器がマイクにやや近すぎるなどの難はあるものの、その素朴で力強く、きっちりと手の内に入ったドイツ流儀はなかなか聴きごたえがある。「ローエングリン」も思った以上に名演だった。ささいなことだが、使用版は“ノヴァーク”では?
一見何もしていないような演奏に、なぜこれほどの説得力が……。これ以上ないほど適切で心にしみるテンポ感、音量との絶妙なバランス。間のとりかたのみごとさ。聴けば聴くほどカイルベルトの凄さが分かってくる。N響がまるで別のオケのように鳴っている。
カラヤンと同年の生まれのカイルベルトはドイツ音楽のとりわけオペラ指揮者では屈指の存在だった。これはN響を振ったライヴで「ツァラトゥストラ」の演奏からわずか2ヵ月後に彼は急逝した。ドイツの伝統はかくなるものぞといわんばかりの骨太で彫りの深い演奏である。
ほんの僅かの共演でたちまち楽員の篤い支持を受け、名誉指揮者就任後に急死してしまったカイルベルト。これはそのN響との68年のライヴでありよきメモリアル。多少の野暮ったさや古めかしさはあるが、それもカイルベルトの魅力。質実剛健な温かさがいい。
80年代にハード・ロック・バンドBRONXでデビューするや、ジェットフィンガーと呼ばれる圧倒的テクニックでギタリストとしての地位を築いた横関敦。9年ぶりとなるインスト・ソロ作。
着実にファンを増やしている女性シンガーは、スタンダード以外にもC.キング(8)やS&G(16)も取り上げている。これらの曲でも彼女は自分の個性で見事に感情移入し、そのニュアンス豊かな、温もりのある歌声は魅力的だ。こんな曲をきっかけにさらにファンが増えるかも。★
キュートな声質とチャーミングな歌唱で、女性ヴォーカル愛好家の間で支持を集めるステイシーが自ら選曲したというベスト盤(初登場1曲を含む)。夫のトムリンソンもゲッツ風のソロで好サポート。彼女の歌声を知らない方には最初の一枚として推薦したい。
フル・オーケストラのどっしりとした響きこそ望めないが、多彩な打楽器がきびきびとリズムを刻みだし、マリンバ、ヴィブラフォンがメロディを奏で、きらきらと輝くように響きわたる「惑星」が耳に心地よい。打楽器ファン以外にもお薦めしたい一枚だ。★
91年国際ハーモニカ・チャンピオンシップで世界チャンピオンに輝いた、全日本ハーモニカ連盟理事長、斎藤寿孝のアルバム。ハーモニカ楽譜付きなので、演奏者にもお薦め。