2003年11月発売
オルタナティヴ・ロック、エレクトロニカ、音響系といった要素を融合させたセカンド・アルバム。たおやかにループするリズムと緻密に構築されたアレンジ、そして、時代を超えた魅力を描き出すメロディ・ラインがひとつになった、新世紀のポップ・ミュージックだ。★
中編成のコンボにストリングスを加えた華やいだ伴奏のなか、アルト・ヴォイスで朗々と歌いこなしていくサリナ。嫌いな人っているんかな? 理屈ぬきに気持ちいい、とはまさにこの盤のこと。チャップリン作(2)(7)(14)、ミシェル・ルグラン作(1)(8)など映画にまつわる曲が多い。
日本より先に中国やアメリカで高評価を得た磯村由紀子の日本メジャー・デビュー盤。テレビ番組のテーマ音楽として使われているオリジナル曲にもクラシックのカヴァー曲にも、なごみ系の心地よさがあふれている。とくに二胡を使用したアジア的な作品が二重丸だ。
新垣勉がイタリア古典歌曲から「TSUNAMI」や「島唄」まで幅広いジャンルの歌を熱唱している。新垣の素朴で伸びやかな歌唱は聴く者の心を温かくしてくれる。どの曲もクラシカルにアレンジされていて、オケにはソリストや著名コンマスも参加している。
フラメンコ・ギター、ヴァイオリン、タブラというトリオでオリジナル曲を中心に演奏。情熱的なメロディの(1)は多彩なテクニックを繰り出すギター・ソロも聴きどころ。スタンダードの(7)はタブラの響きが無国籍なムードを醸す。タブラとコーラスがシンクロする(9)は快演。
ラテン・ジャズ〜サルサのピアニストとして活躍する森村が“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”の長老ルベンと共演。そのルベンは本作リリースの約2週間後、帰らぬ人に。でも本作は森村の演奏力、ラテンを核とした幅広い音楽性が多彩に表現された楽しいアルバム。
アート・ペッパーが79年に東京で行なった伝説のライヴ・パフォーマンスを収録。「ベサメ・ムーチョ」の名演に、日本の多くのファンが感涙。
すでに演奏家として認知されているけれど、2003年にエリザベート・コンクールに挑戦し、見事5位入賞を果たした彼。自らに妥協を許さない演奏姿勢は、アルバムごとに彼の成長を促しているようだ。叙情的で繊細な感性はそのままに、ゆるがぬ自信が身についてきた。