2003年6月発売
静謐なリリシズムで知られるピアニストが、アコースティック・ベースと共演したユニークなトリオ・アルバム。2本のベースから紡ぎ出される深みと温かみのあるサウンドがピアノの調べの清らかさを際立たせる。寡黙だが饒舌なしみじみと味わい深い作品。
ときにやや一本調子になるとはいえ、小山らしい抒情的な温かさや、非常に瑞々しい表現が多々聴かれ、存在価値はあると見た。これは協奏曲、ソナタ同様で、特筆されるのはフェドセーエフの伴奏のスケールの大きさと豊かな雰囲気。録音も、共に非常に良い。
イギリス人のクラシック・ピアニストがレディオヘッドの代表曲をピアノ独奏用にトランスクリプションし、自演したアルバム。普段から未発表音源の発掘などにも熱心とのことで、シンプルかつ微細な特徴をまったく落とさないアレンジと演奏の妙に、熱烈なファンぶりが透けて見える。
キューバ出身のサンドヴァルがキング・オリヴァー、サッチモからフレディ・ハバード、ウィントン・マルサリスまで、二人のクラシック奏者とジャズの歴史に残る名トランペッターの偉業に敬意を表した革命的作品。20世紀の音楽を集大成した内容が秀逸。★
メンデルスゾーンの協奏曲は優美でロマンティックな演奏。滑らかなフレージングや微妙なテンポの揺れが魅力的。ブルッフの協奏曲は気迫に満ちた、みどりらしい演奏。第3楽章など非常にアグレッシヴ。ヤンソンス指揮のベルリン・フィルもパワー全開だ。
リヒテル流の深遠な解釈を目指さずに、極上のピアニズムでしなやかに奏で上げられているのが特徴で、きわめて完成度も高い。したがって、その心優しき好青年タイプのシューベルト像に共感できるか否かによって、評価が大きく分かれそうなセットである。
彼らにとって初めてのシングルA面集。オリジナル・アルバム未収録だった97年のデビュー・シングルから17曲を収録。過去に遡る曲順により、デビュー当時から完成されていたと思える彼らの音楽が、実は着実な進化を重ねてきたことがあらためて確認できるはず。