音楽むすび | 2003年6月発売

普段着にぶっちゃけてずいぶんと賑々しい音楽を書く人である。ミニマルからジャズ、ポップ、邦楽、民族音楽。一つの作品の中に無造作なくらいひょいひょいといろんな要素が現れる。その型にはまらぬ自在闊達な風情はポップと言うより無縫。寄道道草の面白さだ。

ピアニストの小川典子は、明らかにワールド・クラスの演奏を繰り広げている。ドビュッシー録音シリーズの第2弾となるこの「前奏曲集」第1巻と「子供の領分」においても、洗練された繊細で美しいドビュッシーの音色を魅力的に表現している。