2003年9月発売
ドイツの激烈メタラーの第5作。デス・メタル寄りスラッシュ・メタルの王道を行くファスト&アグレッシヴな楽曲群は、大先輩であるアメリカのスレイヤーからの影響を強く感じさせる。日本盤ボーナス・トラックであるメタリカのカヴァーも突進しまくりだ。
きっちりとした楷書体の演奏に慣れた耳には、とくに最初のモーツァルトなど、いささか面食らう人がいるかもしれない。それはこと近藤のソロに著しいが、草書体と言うのか即興的と言うのか、とにかく多彩で濃厚な表情付けやテンポの揺らしがユニークだ。
スウェーデンの新人5人組によるデビュー作。ノッケからハイパーなサウンドはリフ中心のスラッシュ・メタル。時折、アイアン・メイデン風のツイン・リードのユニゾンも披露、その意味では王道メタルの本質を持ったコアなバンドの登場といえるだろう。
デビュー以来30余年、通算15枚目となる、ヒゲとサングラスでおなじみのトリオ。シンプルでヘヴィなハード・ロックに聴こえるが、そこここに仕掛けられたスワンプな音遣いとラテン文学的屈折の展開にコクがある。小さい小屋で見るとカッコイイだろな。
シンガー・ソングライター岡村孝子のアルバムは、軽やかなメロディとちょっぴり淋し声で、女性の小さな幸せを歌い続けている。2002年9月の渋谷公会堂ライヴで一夜限りの”あみん”再結成を果たしたが、そのパートナー加藤晴子が「天晴な青空」にコーラスで参加。
カナダ出身の3ピース・バンドのデビュー・アルバム。全編を通して、ヘヴィかつエモーショナルなサウンドと、ダークな色彩で覆われている。へヴィなギターを押し出した力強いナンバーから、ドラマティックで複雑に入り組んだバラードと聴き手を飽きさせない。
岩代太郎プロデュースの、ヒーリング・アルバムと言っときましょう。今回のT'sは、竹澤恭子とユニットを組んだ。テンポをしっかりと落として思い入れたっぷりにうたっている。富田靖子が朗読しているシェイクスピアの詩も入っていて、徹底的に女の子を意識した作り。
20歳のブラームスが書いた第3ソナタを、キーシンはすぐれたバランス感覚を駆使しつつ、きわめて情熱的に弾いている。作曲者が独奏用に自分で編曲した「ハンガリー舞曲集」の5曲も、愉悦感と充実感が高次元で融合した名演だ。キーシン、恐るべし!★
竹澤ひさびさの新作は初の小品集。たとえばクライスラーの「愛の悲しみ」のように、気持ちを込めすぎるほどじっくり歌ったり、ブラームスではしなやかさを、そしてバルトークでは大家のような風格を見せる。彼女としてもやり尽くした充実感があっただろう。伴奏&録音も良し。
ランパルに次いでフルートの黄金時代を築いたゴールウェイの偉業を8巻15枚のディスクで俯瞰するシリーズのvol.1。ケルティックの笛の音が、カラヤン時代のベルリンの首席奏者、類稀なきソリストとしての経歴まで一貫する、稀代の音楽家の快演を堪能。
ゴールウェイの艶やかな音色と感興豊かな息づかい。冒頭のE.バッハでトップリと引き込まれ、その響きの魅力を手がかりに、ふだんあまり馴染みのないバロックから古典、古典からロマンへの過渡期の音世界へするり入り込むことができる、なかなかの逸品。