2004年1月発売
英男女デュオの日本デビュー・アルバム(通算3枚目)。フォーキーで女性が歌っていることもあり、サウンドの方向性は広いが、たとえればエレクトロニクスを多用したヤング・マーブル・ジャイアンツといった演奏だ。ノスタルジックなムードが親しみやすい。
フィンランド出身美形若手(平均年齢20歳)5人組の初アルバム。母国チャートで好成績を残した成果を引っさげての日本デビューだが、その音楽はゴス的な耽美感覚を醸し出すハードな泣きメロ・ロック。決定打には欠けるものの、徹底した叙情へのこだわりが日本でも受けそう。
ギターの音を自分の肉声と意識した時に、出自たる日本のソノリティとどう響きあうのか。しかつめらしく思い募るのではなく、島へ、と想像を膨らませて、とりどりの同時代の作品に感性を働かせた清新なアルバム。情緒に滑らない構えのガシリとした好演である。
クラブ系音楽雑誌『loud』の元編集長で、日本にハウス・ミュージックを定着させたひとり、DJ19。彼が監修・選曲を手がけた新感覚のヒーリング・ミュージック・アルバム。
前作『イヴォルヴ』(2003年)から一転、今回はエンジニアリングを含め、すべてを彼女ひとりでこなした作品。おまけにライチャス・ベイブも自身のレーベルだ。アタックの強いギターを中心に、デモ・テープ的な“生”感覚に満ちており、ユニークさは相変わらずだ。
亡くなる直前までセッションを行なっていたブルースの巨匠の遺作集。未発表音源に、あるものは新たな演奏を加えて仕上げられた。豪華かつ多彩な参加アーティストの顔ぶれがフッカーの功績を讃えている。渋い艶と味わいのある喉も健在。彼は最後まで本物だった。
78年のレディングでの、パンクスとスキンズの喧嘩に端を発した暴動に対し、涙ながらに歌った(2)をはじめ、シンプルで胸を熱くする名曲ぞろい。現状に複雑な気持ちはあるが、本作収録の楽曲はいまもリアルだ。ソニックマニア出演記念のベスト(実際は、直前キャンセル)。
せつないメロディ・ラインをギター・サウンドでガシガシと展開させる(1)は、個人的にもツボ。そのノスタルジックな空気を派生させたような(3)、また対比をなす(2)と、多彩なアプローチにも耳を奪われる。アルバムでみせる触れ幅に注目したい。★
アメリカン・ハードの大御所、カンサスのベーシスト、ビリー・グリアーによるメロディアス・ハード・プロジェクト第2弾。マイク・スラマーが全面参加し、メロディックかつハイ・クオリティな楽曲を聴かせる。
2004年にデビュー10周年を迎える岩本公水の、「絹の雨」に続くシングル。陽炎のように一途で儚い女心を歌ったもので、デビュー時からの師匠である吉岡治、弦哲也による書き下ろし楽曲だ。