2004年5月発売
斬新な歌声に圧倒される93年発表のデビュー作。ニューヨークに進出する前、カンザスシティ時代の録音で、共演者も同地のミュージシャンがほとんど。弾き語りは達者、スキャットはダイナミック、ブルージィな歌声も最高と、カーリンの魅力がすでに全面的に開花している。
2004年5月にリリースされたアルバムも好評だった女性シンガーの94年作。ここではスタンダード中心の選曲だが、テンポの速い曲での安定感、バラードでの繊細な表現力、それに即興での高い音楽性を感じる展開と、申し分のない実力を堪能できる。それに誠実な歌唱も変わらぬ魅力。
テクニックと歌唱力抜群のアリソンが持てる力を存分に発揮した意欲作。(1)や(6)で聴かせる大胆なスキャットは痛快この上ないし、(7)の叙情味にあふれた表現力には思わずはっとさせられる。シンプルだが変化に富んだ伴奏も彼女の魅力を倍加させる聴きもの。
ジョン・コルトレーンの『バラード』に捧げた作品で注目を浴びたカーリン・アリソン。これは96年のコンコード第4弾だ。ジャズ・スタンダードをはじめ、ビリー・ジョエル、ジャヴァン、ボニー・レイットなど幅広い選曲。安定した歌唱、多彩な解釈で聴かせる。
グラミー賞ノミネート経歴もある正統派ジャズ歌手の5枚目のリーダー作。スタンダード曲からボサ・ノヴァの名曲までを鮮やかに歌いきった。ユニゾンするスリリングなスキャットが魅力的。ゲストにランディ・ブレッカーとゲイリー・バートン。
いきなり始まる仏語の(1)を聴くとアルバムを間違えたかと思う。仏語とポルトガル語、郷愁を誘う二つの言語が次第に溶け合って、“気持ちのいい部屋”を作り出してくれる。トラディショナルなジャズ・ヴォーカルとは違う陽気な世界。
元スーパーモデルの女優・川原の歌手デビュー盤。ジャケットからしてオサレなんですが、中身もおフランスな感じでしゃれてます。んもう、イメージそのまんま。歌は決して上手くはないけれど、アンニュイな雰囲気はばっちり。(2)(11)ではピエール・バルーとデュエット。
イタリアン・ロック界の大ベテランの世界デビュー作となったサード(73年発表)の紙ジャケ・リマスター再発盤。日本人の琴線を刺激する極上の叙情性とジャジィなミュージシャンシップをラテンのおおらかさでミックスしたプログレ・サウンドが魅力だ。★
イタリア・プログレ・ロック界の雄が、75年に発表したライヴ・アルバム。当時の彼らの勢いが感じられる、熱気にあふれた演奏を展開。卓越したメンバーの演奏力を、惜しみなく披露している。このころのヨーロッパの、プログレ・シーンは本当にユニークだった。
初期キング・クリムゾンの“世界観”担当シンフィールド、唯一のソロ・アルバムを紙ジャケ再発。クリムゾン人脈を含む多彩なメンツを使いながら、浮世離れした音楽絵巻を展開。曇り空の海にボートでも浮かべて聴いていたら、そのままアノ世に逝けてしまいそう。
PFMと並ぶイタリアン・プログレの名グループ、バンコのマンティコアからのワールド・デビュー作(75年発表)。変拍子を駆使したハイ・テンションな演奏、優雅なヨーロピアン旋律、巨漢フランチェスコの美声、すべてが見事に調和がとれている名作。★