2005年5月発売
新メンバーで再編成されたNEW PONTA BOXのアルバム。PONTA BOXは93年にスタート、世代の近いメンバーを迎えてきたが、初めて若手精鋭を起用した。5曲がハンコックの曲。アップからスローまで表現の幅が広い。アップがパワフルで新鮮だ。
ジョー・ヘンリーを共同プロデュースに迎え、曲調、演奏ともにじっくりと練られた印象。ユタ・フィリップスとの共演作での路線を、アーバンに展開させたと言えるかも。ファンキーな側面が後退したぶん、ソングライターとしての地力をわかりやすく披露。
カントリー・シンガー、ランディ・シャープを父に持つサラブレッドな女性シンガーのアルバム。澱みのない澄んだ歌声とアコースティック・ギターの温もりからは洗練されたムードが漂う。ディクシー・チックスあたりとは一味違ったカントリー・ポップの世界がここにある。
伊藤寛之(vo,g)、永井紀子(b)、大石貴義(ds)の三人によるロック・バンド、SPORTSのサード・アルバム。一見してアイドル系バンドだが、UK系骨太なサウンドを聴かせている。女性がヴォーカルを取らないのがユニークでこのバンドのカラーだろう。
古いレコードを聴いているようなギターの歪み、独特のテンポ感、いつの間にか耳になじむヴォーカル。もともと村上龍“Little Boy”展のために制作されたという(2)(3)も含め、まったりしているようで、実は心地よくはまってしまう音のワナがいっぱいだ。★
全体的に、まったりした世界。シンプルなサウンドに朴訥なヴォーカル、キラキラとはじけた世界でもなければ、さわやかに澄みわたったような世界でもなく、まどろみの中にいるような空気感。それこそがトリップ感覚なのかもしれない。
惜しくも2005年3月に解散を発表してしまった愛すべき4人組。今後、アメリカ独立記念日に行なわれるギグを目処に活動を停止してしまう彼らが、結成10周年を記念して行なったライヴを音源化。ベスト・アルバムとしても手元に置いておきたい作品だ。
響きが切り立ってピアニスティックに情動を沸き立たせる形ではない。音色のきらめきを抑え、キメを、ふ、と抜いて音との距離を作ることで想いの行方を聴き手に預け、浪漫世界にじっくり誘い込む。あえて初版を使うなど、語り部ポリーニを印象づける練達の熟演。