2005年8月24日発売
敬愛するモッズ&ネオ・モッズ・バンドらのナンバー(+α)を、語彙のセンス抜群なオリジナル日本語詞にてカヴァー。原曲にも負けないヘヴィ・ビートが炸裂する表題曲を筆頭に、生半可なモッズ野郎には出し得ないコク&モッズ精神が満載。歌も演奏も、じつに骨太。★
米朝の端正な藝とは好対照と語られがちだが、松鶴は豪快な藝風の裏に神経質なまでの細やかな目配りが感じられ、その片鱗を鶴瓶が受け継ぐ。文楽『寝床』は旦那の豹変ぶりなど人物描写の妙はさすが。可楽の渋い藝風は、これぞ江戸の粋。陰惨な内容の噺を「冷やでもいいから、もう一杯」でサゲるところに人間の業を語る落語の神髄が。春団治は昭和初期の音源だが、テンポのよさとアクの強いくすぐりに上方の笑いの源泉を感じる。歌笑は混沌とした終戦直後の奇妙な明るさを体現した藝で、あの時代の空気を伝える。
名人といわれた人間国宝をはじめ落語家の名人芸が楽しめるシリーズ。東京の落語を代表する二人は江戸情緒を練りに練った構成で聴かせる黒門町。そして隠れた名人とも言われる可楽の庶民派落語が楽しめる。
戦前戦後の日本に笑いを運んだ伝説の落語家のSP盤を復元。天衣無縫な行動でも知られる初代桂春団治、テレビ番組『ジェスチャー』でも活躍した金語楼など、今は亡き昭和の名人の話芸が堪能できる1作。
フィンランドを拠点に活躍するグループのデビュー・アルバム。ヨーロッパから世界へと広がりを見せるニュー・ジャズ・シーンで、2000年熱い注目を受けた彼ら。21世紀型最新ジャズ・モードが詰め込まれた作品。
制作・出演
エヴァ・ランドヴァー / カレル・ベルマン / ガブリエラ・ベニャチコヴァー / クリスタ・ルートヴィヒ / チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 / マグダレーナ・ハヨーショヴァー / マーラー / ヴァーツラフ・ノイマン / ヴェラ・ソウクポヴァー発売元
日本コロムビア株式会社ノイマンにとってドヴォルザークやスメタナと同様に重要な作曲家だったマーラー。その演奏は、没入型でも分析型でも絶叫型でもなかった。ボヘミア人マーラーのトラッドな叙情性への愛着を強く感じさせるが、だからといってトラッドな側面だけを誇張するのではなく、あくまで端正なスタイルで格調の高い音楽を作り出したことがノイマンの独自性と評価できるだろう。第1番第3楽章で素朴な旋律が交錯する一方で、第10番アダージョで聴かせる均整のとれた叙情と澄んだ響き……最も美しいマーラー演奏と言えるだろう。
守旧とは一線を画し、新しさに触れる独自の音を持ちながらも、特異というほどには外れてしまわず、職人的な軽さを微妙なバランスで併せ持つマルティヌーの音楽。ほとんど一気呵成に書かれたこれら交響曲を通して聴くと、思いや情景や音の姿の快、いろんなものが、達者なオーケストレーションに彩られてまぜこぜに立ち現れるその大都市的ルツボの面白さに夢想妄想立ち上がる。ノイマンは、情におちず知に堕さず、響きの変化をキビと捕まえ、音楽を端的に息づかせて音の運び逞しく、自家薬籠の脇目振らぬ説得力がある。
ラジオのDJやエッセイの執筆でも活動する声優の初のフル・アルバム。SPEEDのhiroのように切ない高音が際立つバラードの(6)(10)と、アニメ声でコミカルに歌うポップな(7)(11)が非常に対照的。個人的には、サディスティックに夏木マリ風の低音で歌う(5)にクラクラきた。
太陽に灼かれた国々に共通する哀愁。“サウダーデ(郷愁)”というポルトガル語が意味するそんな感覚を、ファド、ショーロ、モルナ、サンバなどのさまざまな音楽の形を借りて歌い上げた松田美緒は、このアルバムで大西洋を取り巻く国々の心象風景を描く。
強烈な個性を持った、エレキ・ギターがメイン楽器の女性シンガー・ソングライターのデビュー作。私小説めいた印象深い歌詞に転調の多いメロディ、巻き舌をまじえた多少やさぐれた感のあるヴォーカル、そしてドラマティックな世界観。おもしろい。すごくおもしろい。