2006年4月発売
北京生まれの21歳女性チェリストが、念願のデビュー・アルバムをリリース。“ポスト・ヨーヨー・マ”の呼び声も高いそのテクニックで、無伴奏ながら迫力十分の音の世界を作り上げている。
ビクターで録音を続けている若手二人の組み合わせ、という安易な企画なのだが、これが名コンビとなった。スケールは大きいが暴れ馬のチョウ・チン、叙情的で繊細だが時に内向的な松本。互いの弱点を補い合いながら、演奏に広がりと奥行きが生まれた。今後も楽しみ。
サイケデリック、アシッド、ヘヴィ、アートなどをロックの形容に持つアイアン・バタフライのセカンド・アルバム(68年)。こっちとあっちの世界を隔てる鎧戸を開きながら極彩色のサウンドを開陳していくさまは、第六感まで刺激する固有の音塊の立ち上がりがある。★
60年代サイケ・ロックの代表格であり元祖ブリティッシュ・ハードの旗頭とも言われる彼らの69年発表作が紙ジャケ再発された。幻想的なムードを漂わせながら、やはりガツンと手応えのあるハードな、骨のある音が、彼らならではオリジナリティを発散している。
代名詞ナンバー(6)が、ただでさえ長いスタジオ版よりもさらに長い19分仕様で楽しめる70年発表のライヴ盤。妖しさと怪しさを漂わせたダグ・インギーの劇的な歌唱/オルガンを中心に、神秘的へヴィ・サイケの世界をステージ上でも再現。が、録音状態に少々難り。
サザン・ハード・ロックの名演が詰まった80年発表作品。余計なギミックは一切なく、清々しいほどにシンプルでストレートな演奏が続くが、ライヴ感あふれるサウンドには有無を言わせぬ説得力がある。ブルースやR&Bの風味が随所に利いているのもポイント。
サザン・ロックの名バンドが82年に欧州のみでリリースしたライヴ・アルバムが紙ジャケット&リマスターで再発(日本初発売)。当時の英国ツアーにおけるエネルギッシュなパフォーマンスを収めており、ブルージィなハード・ロック路線はとにかく熱い!★
ミック・タルボットほか、ポール・ウェラーと関係の深いミュージシャンを中心とする、UKジャジィ・ソウル・セッション・バンド。アシッド・ジャズ調のインスト曲から、女性ヴォーカルをフィーチャーした洗練今様R&B曲まで。随所に洒落っ気と創意あり。
ダンテの『神曲』をモチーフにしたコンセプチュアル作。3部構成に分かれ、“地獄篇”は直球な激烈さ、“煉獄篇”はヘヴィ・グルーヴ、そして“天国篇”の(15)は、妖しい空気に満ちたサントラを思わせる音世界で表現。700年前と現代の相違をヘヴィ・ロックに昇華した。
大萩康司、藤井香織、神田めぐみ、鍵冨弦太郎、村治奏一、松本和将という世界で活躍する若き日本人ミュージシャン6人を集めて実現した奇跡のコンサートの記録。クラシック、タンゴ、ボサ・ノヴァなどレパートリーはジャンルを超える。ラストの(11)はやはり圧巻。