2006年6月発売
2005年に行なわれた“龍頭龍尾”ツアーからベスト・テイクを収録した2枚組ライヴ・アルバム。初期の名曲から最新のナンバーまでベスト選曲と呼べる内容になっており、エネルギッシュで完成度の高い演奏も、さすがと言える貫禄を誇っている。
上原まりの語りと琵琶による、八雲怪談の世界。『怪異の章』の幕開け「狢」は、東京・赤坂の紀ノ国坂を舞台にした、のっぺらぼうの噺。八雲は「なぜ、紀伊の国の坂と呼ばれているのか、その理由は、わかりません」と書いているが、近くに暴れん坊将軍の実家の上屋敷があったから、ということを彼は先刻承知。でも、この表現のほうが何やら怪しげな空気が漂う、という効果を狙ってのことだろう。4枚のCDで全13作品。まだまだ江戸の空気が色濃く残っていた明治期、失われつつある古き良き時代の闇の深さを凝視する八雲の眼に映った私たちの先達の豊かな感性を、上原まりの語りは見事に伝えてくれる。ところどころで絡む琵琶の音色がまた、闇の奥に蠢くなにものかの姿を際立たせる。闇のない世界に暮らす現代日本人にとっては、近ごろ流行りの、心の闇とかいうもののほうがはるかに恐ろしいか。
『平家物語』や瀬戸内寂聴の『源氏物語』『雨月物語』の語りと琵琶演奏で知られる上原まりの、小泉八雲怪談集。彼女の美しい声による語りと、印象的な琵琶演奏によって、名作を生き生きと聴かせる。
『平家物語』や瀬戸内寂聴の『源氏物語』『雨月物語』の語りと琵琶演奏で知られる上原まりの、小泉八雲怪談集。彼女の美しい声による語りと、印象的な琵琶演奏によって、名作を生き生きと聴かせる。
サンフランシスコで育ち、ダンサーとしてLAで活動。『アメリカン・アイドル・オーディション』の最終選考近くまで行くなど実力は太鼓判の彼の日本デビュー・シングル。2006年2月に童子ーTのマキシに加藤ミリヤと参加した時の伸びやかなヴォーカルの存在感は健在。