2007年1月24日発売
英国産ブラック・メタル・デュオのサード・アルバム(日本初登場盤)。たたみかけるビート、咆哮するヴォーカル、埋め尽くされるノイズは暴力の要請を受けるかのような狂騒を奏でる。しかし不意に壮麗なコーラスが響くなど、独特の美意識が感じられたりもする。
ピアニスト、ビル・チャーラップ率いるニューヨーク・トリオはこれまでエリントンやコール・ポーター曲集を発表しており、これはそれらに続くリチャード・ロジャース曲集。品のいいトリオだ。「マイ・ファニー・バレンタイン」は意表をついた超スロー・テンポ。
“円熟の味”という言葉がこれほど似合う作品も珍しい。1950年代からトップ・プレイヤーのひとりだったマリアーノが、ここではじっくりと音楽に向かうことで思いのたけを表現してみせる。美しいトーンとイマジネイティヴな歌心。心に残る作品だ。
制作・出演
RupertStamm / ToninhoFerragutti / セリーヌ・ルドルフ / セルジオ・サントス / テコ・カルドーソ / パウロ・ベリナティ / マルコス・スザーノ / モニカ・サルマーゾベルリン生まれのシンガーがサンパウロで録音。自作の1曲目はどこかプリミティヴな響きの声がブラジル+アフロ風味の曲調に合う。3曲目はリッキー・リー・ジョーンズが歌う同曲に通じる浮遊感が魅力。声と打楽器のみのコルトレーン作の7曲目はアーティスティックな感性が光る。★
制作・出演
ウェイン・クランツ / ザック・ダンジガー / デイヴィッド・サンボーン / デニス・チェンバース / ドン・アライアス / ポール・ソコロウ / リンカーン・ゴーインズ / レニ・スターン淡々と活動を続けるレニ。サンボーン、デニチェンの参加だけでもレニの地位がわかる。89年という録音が信じられないコンテンポラリーな味付けと時代を超えたギターの暖かい音色。夫譲りの?! 臨界点を探るようなギターの妖しい音色。彼女の名を記憶に刻んだ一枚。
このライヴの9ヵ月後に急逝した名ロック・ギタリストの、バック・ストリート・クロウラー時代のライヴ作。一発でコゾフとわかる咽び泣くようなチョーキング・ヴィヴラートは絶品で、ブルージィでエモーショナルなフリー時代と同様の演奏が胸に染みる。
中国上海を舞台にマッチがオトナのバラードを聴かせてくれる。林立するビル郡の夕焼けが似合いそうな甘くクールな曲の作者は、ご存じ筒美京平。カップリングの曲も両者によるタッグであり、古きよき歌謡曲の底力を見せてくれるのだ。
映画『NANA』劇中歌、“レイラ”名義「エンドレス」でブレイクしたハワイ出身シンガーのファースト。ドラマ『アンフェア』主題歌や映画『NANA2』劇中歌などバラードの印象が強いが、高い安定感を誇る美声とリズム感はダンス・トラックでもしっかりと発揮。