2007年6月発売
92〜93年にかけて集中的に録音された全集。時期を同じくして世界各地でシューベルト・リサイタルを精力的にこなしているのだから、この人の集中力はすさまじい。バッハ、モーツァルト…と大仕事をこなした後のシューベルト。美しい音色ながら、どこか抑制されたロマンティシズムを感じさせるあたり、作曲者の本質に深く迫るもの。現代を代表するシューベルト像といえるだろう。
制作・出演
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / ウィーン国立歌劇場合唱団 / カール・ベーム / カール・リッダーブッシュ / ギネス・ジョーンズ / ジェス・トーマス / タティアーナ・トロヤノス / ベートーヴェン発売元
ユニバーサルミュージックオーソドックスという言葉がぴったりのベーム/ウィーン・フィルの不滅の金字塔。いつ聴いてもその安定感は偉大なものであり演奏自体の力でオーソライズされている揺るぎない成果といえよう。重厚さと繊細さ、そして熱気を併せ持ち、そして何より自然だ。
チックとベラ。異色のデュオと思っていたが、聴いてみたら楽しくて奇想天外。わくわく・はらはら・どきどきさせてくれるご機嫌なアルバムが完成した。ラテン・タッチもあればカントリー・フレイヴァーもある。互いが持てる力をぶつけ合った快作。
通算14作目となるオリジナル・アルバム。“コヨーテ”という男の視点から綴った架空のロード・ムービーのサントラという設定がユニーク。バック・バンドにはmellowheadの深沼元昭らが参加している。
同名映画の主題歌。当たり前のことしか言っていないのに、その当たり前が心底にしまっておいたツラさや悲しみをゆっくりと洗い流してくれる。そんな優しさとすがすがしさを感じさせる「きみにしか聞こえない」も素晴らしいが、恋人を奪われた女子のぶっちゃけ具合が並々でない「サヨナラ59ers!」も、かなりの名曲。
デビュー10周年を迎えレーベルも移籍し、満を持してのリリースは逆に肩の力が抜けたアルバムとなった。タイトルは「ボーダーレスでなく、境界線を意識して飛び越える」という思いからだという。揺るぎない雅楽の音色があるからこそ、何でもできる。彼の新たな出発点だ。
音楽監督就任からわずか数年で団員の心を掴み取ったアシュケナージの解釈が演奏の隅々にまで浸透したショスタコーヴィチである。リズミカルに躍動するオーケストラのマッシヴな力強さ、熱気をはらんだ怒濤のうねりが聴きもの。曲の核心に迫る熱演である。