2007年9月発売
制作・出演
アンゲラ・デノケ / エンドリク・ヴォトリヒ / ベートーヴェン / マティアス・ゲルネ / マリアンナ・タワソワ / ミハイル・プレトニョフ / モスクワ室内合唱団 / ロシア・ナショナル管弦楽団 / ヴラディーミル・ミーニン壮大華麗な「皇帝」は聴き飽きた。もうちょっと身の丈に合った演奏を聴きたい。という人にグリモーの演奏はどうだろう。サラリとしたエレガンスが漂い、コンパクトだが洒落た味わいだ。ソナタも決して咆えたり熱くなったりせず、涼しげに美しい。
“引退宣言”から5年目にしての音楽カムバック。シンフォニックなインスト曲(1)で始まる構成に、業界の思惑に捉われず創作に邁進する姿勢が表われているよう。喫煙の影響もあってかハスキーさを増した歌声で、詩的メッセージあふれる作品を歌っていく。★
イ・カリフィを経てイタリアン・ロック界の重鎮アレアのギタリストになったパオロ・トファーニのユニットが76年に発表した唯一のアルバムの紙ジャケット復刻。60年代後半の英国サイケデリック・エラの香りが濃厚なサウンドと超絶ギター・ソロが聴きもの。
アルティ・エ・メスティエリのギタリスト、ジジ・ヴェネゴーニが同バンド脱退後に結成したグループの初作(77年)。地中海周辺音楽のエッセンスなども織り交ぜた先鋭的かつ親しみやすいクロスオーヴァー・サウンド。複雑な変拍子リズム、楽器の音色ともに多様。
イタリアン・プログレッシヴ・ロック・バンド、ストーミー・シックスのクラウディオ・ロッキ(b)が77年にリリースした8枚目のソロ。初期の精神世界へ踏み込んだような瞑想的な音楽性はほとんどなく、鍵盤をフィーチャーした叙情的なサウンドを展開、意外なほどにポップ。
60年代はプログレ・バンド、ストーミー・シックスに在籍していたイタリアのシンガー・ソングライターによる通算9作目。ヒンドゥ教に傾倒し神秘的な作品を残してきた彼だが、ここではポップな側面も打ち出し、同時代を意識したファンキーな音作りも試みている。
80年代以降のPFMサウンドを支えるヴァイオリニストが、78年に残した唯一のソロ作。AOR、フュージョン、ラテン・ポップなど、当時の音楽シーンを偲ばせる多彩なサウンドをバックに、自らヴォーカル、ギター、キーボードなど、マルチ奏者ぶりを発揮した力作。
イタリアはシチリア島出身ミュージシャンによるファースト・ソロ作(78年発表)の紙ジャケ再発盤。帯には“プログレッシヴ・アシッド・フォーク”とあるが、ザッパ影響下の飄々とした伊詞歌モノ路線は、裏の仕掛けを気にせず、まったりと楽しみたい。
世界中、どこにでも変わった奴はいる。たとえば本作で78年にデビューしたチオッティ。イタリア人でありながら、ディープなブルースを演奏している。しかもドブロやハープをフィーチャーした本格派。同じ異邦人のプレイヤーとしては、励まされる想いだ。絶品。
イタリアのプロクレ・レーベルが送りだしたイタリア人ブルースマン(1953年、ローマ生まれ)、79年リリースのライヴ盤だ。渋〜く、弾き語りにて。巧み。ハーモニカ奏者が入るときも。ブルースにヤラれ、その流儀を会得しようとしていたんだなと痛感させられる。
オペラから前衛音楽まで歌いこなすイタリアの歌姫、ドネッラの79年作品が、オリジナル・テイクを使用してついにCD化(以前の再発盤は再録テイクで占められていた)。アルノルト・シェーンベルクが書き遺した大胆不敵な楽曲を鮮やかに料理する。
デビュー30周年を記念した、ポール・ウェラーの日本独自企画ベスト。ザ・ジャム、ザ・スタイル・カウンシル、ソロ時代から、ネオアコ〜フリー・ソウル系の名ナンバーを厳選コンパイル。選曲は人気編集者の橋本徹。
グラスジョーやジェーンズ・アディクションのメンバーとも活動し、ロス・ロビンソンに見出された彼のデビュー作。クイーンやジェリーフィッシュのようにポップなメロ、ピアノをフィーチャーしたヒネくれたサウンドがマニア心をくすぐるだろう。