2009年8月発売
ケニー・バロンは現代屈指の名ピアニスト。これはスタンダード集とあって、その素晴らしさを誰にでもわかる形で提示した魅力的な作品。「ビューティフル・ラブ」「ハッシャ・バイ」といった選曲も嬉しい。これでバロンの人気はきっと実力に追いつくことだろう。
2007年から本格的に活動をスタートさせた、スティールパンを自在に操る9人組音楽ユニットのアルバム。オリジナル曲やライヴで人気のカヴァー曲など、カリブの陽気なサウンドに癒しを加えた世界を届けてくれる。
ZAIN系屈指の歌姫、滴草由実のミニ・アルバムは、彼女らしいオーガニックなR&Bが深化を遂げたことを証明した意欲作。ライトなR&Bにラテン・フレイヴァーやフォーク・ロックのテイストを取り入れ、フレンドリーな普遍性を増した。清涼感は夏にピッタリ。
ジャニ系で今もっとも充実しているこの人たち。10周年と聞くとちょっと驚くが、桜井翔のラップを活かした「a Day in Our Life」あたりを機に、格段の成長を見せていった過程は、このベスト盤でも手に取るように。実は難曲が多いのに、丁寧に歌いこなしているメンバーの姿勢もいい。★
SOUL SCREAMのフロントマンのサード・アルバム。アガる「LOVE ICECREAM」から飛ばすかと思いきや、「Still Shinin'」は生きざまを歌ったフォーク・ソング。ジャンルは異なれど、全体を貫くリアリズムと自由の間を仲間らとともに舞うようにフロウする彼の達観と哲学が胸を打つ、手紙のようなアルバムだ。
クラクソンやアークティック・モンキーズのプロデューサーとしても旬を極めているジェイムス・フォードが、自身のエレクトロデュオのセカンド・アルバムで展開しているのは、ミニマルなサウンドをいかにシアトリカルに広げていくかという試み。特にヒップホップの予断を許さぬ転がり方は圧巻のひと言。