2010年2月発売
作詞作曲はもとより、「青いロンド」を除く全編曲も小島自身が担当。そのせいもあってか、ヴォーカルに内在する“ノリ”が前面に出た感のある8作目。歌謡曲的な猥雑さがリズムのよさにもつながる。この人ならではの、歌い手としての魅力だろう。40分弱と尺こそ短いが、密度は濃い。★
初の全米ツアーをはじめ、勢力的に駆け抜けた2009年のパワーをダイレクトに刻み付けた6曲入りミニ・アルバム。男っぽくシンガロングなサウンドを基調に、やりたい放題なダイナミズムが息づく。パンク・バンドとしてビシッと筋を通しながら、それぞれにカラーの違った楽曲を披露する。
ピアニストにとってショパンは成長と進化の指標になるのかもしれない。仲道にとっては16年ぶりのショパン・アルバムになるという。今回初録音となる練習曲は「黒鍵」や「革命」などポピュラーな6曲を収録。ショパンをさらに掘り下げた彼女ならではの心に響く演奏が聴けるのは最大の収穫だ。
作曲家生誕200年を締めくくった名匠三人が奏でるアンサンブルの妙。アックスはメンデルスゾーンの音楽に「ひとは芸術という最も気高い理想への献身を感じ取る」と記したが、彼らの演奏がそうした高みに到達していることを証明するように、包容力と滋味あふれる演奏が聴ける。
イギリスの4人組が約3年ぶりに放った2枚目のアルバム。2006年発表のデビュー作『レイズ・ジ・アラーム』からの進化がすぐさまわかる仕上がりだ。ポイントの一つはギターを中心軸に据えたバンド・サウンド。ダンサブルなリズムと奔放に流れる旋律を活かした様子は郷愁的でもある。★
浜田省吾作曲、春嵐作詞、水谷公生編曲のトリニティが生む楽曲に、さまざまなゲストが声を添えるプロジェクト第3弾。シンガー・ソングライターの参加が多く、他者の曲を歌うことで普段とは異なるヴォーカルの表情が垣間見える点もポイント。弦をベースに、しっとり大人のムードを漂わす「野に咲く花」「てがみ」の流れが秀逸。
テレビ東京系音楽情報番組『流派ーR』の10周年アニヴァーサリー・アルバム。心にじんわりとしみる「HOME」、グルーヴィな「Last Summer」、せつなさがこみ上げる「ここにいるよ」、クールな「I Wanna Know」など、番組内で紹介したアーティストの代表曲をセレクト。ヒップホップ、R&B、レゲエの 今が凝縮されている。
2009年より活動するソングライティング集団のカヴァー盤。“卒業”をテーマにアラサー&アラフォー世代女子にとってなつかしい80〜90年代J-POPを、まったり&ほっこりなボサ・ノヴァ・ナンバーにアレンジした巣ごもり系サウンド。ヴォーカルを担当した三人のシンガーが三種三様に聴かせてくれる。
2年半ぶりのシングル4枚目。この期間の内に秘めた感情をすべてさらけ出したような「完全感覚Dreamer」は、ハイ・スピードなアッパー・チューン。「独り言ロンリーナ」は、バラード調から始まるロック。ナイーヴな面を覗かせるリリックと、間奏のうねるエレキが印象的。「リングワンデルング」は、大人へのシニカルな視線を含む、等身大な詞世界が共感を得そう。
4年ぶり7枚目のアルバムは、楽曲ごとにプロデューサーを指定。渋谷を歌った「渋谷漂流記」は、懐古でも今の在り方への批判でもなく、街が変わっても今日もオレはここに立っている、という事実の受入れが描かれる。デビューとJ-RAP浸透の年月が重なる重鎮グループの、リリックに対する今のスタンスが垣間見えるよう。