2010年4月発売
英イースト・ロンドンのダブステップ・プロデューサー/リミキサー、ゴールド・パンダの日本独自編集アルバム。「Miyamae」ほか、これまでのEP3枚からの楽曲を中心とする注目盤だ。
3年半ぶりのアルバム。楽器編成からの想像どおりアコースティック音を前面に出した、素朴で牧歌的な安らぎサウンド。自作「カウ・デイジー」「サークルズ」「インティメート・ストレンジャーズ」をはじめ、全曲に懐かしさを覚えるあたりには、かつてのフリゼールのイメージも。ヨリスのクラリネットが、本トリオのもう一本の支柱、アクセントになっている。
女性ヴォーカルを擁するイタリアのシンフォニック・メタル・バンドのデビュー作。『ファイナル・ファンタジー』の世界観にも触発されたというだけあり、大仰で劇的な楽曲展開とクラシカルな旋律が魅力だ。ジャーマンや様式美ファンにもアピールするだろう。ゲームのカヴァーも収録。
米インディ界の強者、ジャド・フェアによる兄弟ユニットの80年作が17年ぶりに再発、日本盤として初登場。プリミティヴなエモーションの息づく、混沌としてアヴァンギャルドな音世界は、当時の空気やスタイルとリンクしながらも異彩を放ち、発売から30年を経てなお刺激的だ。
ショパンという、ある意味で“鉄板”の素材を料理するには、このトリオくらいの力量がないとダメってことなんだろう。マルティーノの甘く艶のある音色、幻想的なフレーズは見事にハマっている。いかにも日本人好きする企画なるも、企画性を技術が凌駕し、しまいには圧倒される。
オーストラリア出身のウッド・ベース弾き語りシンガーがNYでレコーディングした2010年作。艶やかさの中に達観がのぞくヴォーカルの個性が活きる「ダーク・アイズ」、気怠さと力強さを行き来する表現に妹リサのバスクラが効果的に絡む「ブラック・コーヒー」、腰の据わったスウィング感が心地よく、ハリー・アレンのソロも聴きどころの「フィーバー」などがいい。
高桑圭のソロ・ユニットの4枚目。70年代を彷彿させるヴィンテージなロックを、すべて一人でレコーディングするという形はこれまでと同じだが、今回はサイケデリックな音作りが目立ち、幻想性の高い仕上がり。よりいっそうディープな表現を成し得たといえる力作だ。
茨城出身の3ピース・バンドの、前作『拝啓。皆さま』(2009年)からおよそ1年ぶりとなるセカンド。変則的なリズムを多用したアカデミックなアレンジはポスト・ロック周辺からの影響を強く感じさせるが、透明な歌声とどこか懐かしいメロは幅広いファンを獲得するのに十分な普遍性を兼ね備えている。
制作・出演
ウォルター・ホワイト / ケニー・ランプトン / ジョン・フェチョック / スコット・ウェンホルト / バーチ・ジョンソン / マンハッタン・ジャズ・オーケストラ / ラリー・ファレル / ルー・ソロフデヴィッド・マシューズ率いるマンハッタン・ジャズ・オーケストラの生誕100周年記念のベニー・グッドマン作品集。MJOの結成20周年の節目のアルバムでもある。名曲を題材に再創造を目指すマシューズならではの新鮮な編曲と明瞭なオーケストラ・サウンドで楽しませる。