2010年9月22日発売
2010年7月26日、大阪・天満天神繁昌亭で収録。いまは亡き二代目桂枝雀の弟子だけあって華やかで活気に満ちた高座で笑わせる。「軽石屁」は九雀の代名詞とも言えるネタで、旅の二人連れ、駕籠かきなど登場人物の演じ分けが巧み。「青菜」も旦那と植木屋、それぞれの女房のキャラが立っている。
浪曲師として活躍し、数々の受賞歴を誇る一方、2010年にシングル「浪花女のげんき節」で演歌の世界へとデビュー。本作は第2弾となる音源。作曲を岡千秋、作詞を池田充男が手掛けた郷愁感にあふれる楽曲を、卓越した歌唱力でじっくりと聴かせる。“大型新人”との呼び声にふさわしい仕上がりだ。
芸能生活25年、おニャン子クラブの会員番号17番当時からの演歌嗜好を追求し続ける城之内早苗が、所属レコード会社を移籍して新たにスタートを切った。有線チャートでもトップを獲得、演歌永遠のテーマである女の哀愁が込められた楽曲を、彼女ならではの情感とともに歌い上げていて見事だ。
生まれつき全盲の歌手による4枚目のシングル。たかたかし、弦哲也というゴールデン・コンビが手がけた作品。特徴的な節回しは好みの別れるところだが、20歳を迎え、周りの人への“ありがとう”という素直な言葉が胸を打つ。CD帯に名前とタイトルの点字表記という工夫もいい。
男性シンガー・ソングライター、デビュー25周年記念のマキシ・シングル。熱気に満ちた無頼と繊細なロマンティシズムのバランスを変化させつつキャリアを重ねてきたアーティストの、ブレない芯を伝えつつも、いい意味での軽やかさをスゴみとして感じさせる作品に仕上がった。
ほぼ100%男の声によるジブリ・ソングス。元歌が女声であることに起因するだろうヴォーカルの歌い口は、新鮮だが少々の違和感も。“ア・カペラ風味”は強めで愛好家向けの仕上がりながら巧さ=旨さは十分。大同小異のサウンドの中では、本質的にポップス楽曲の「風になる」や、インストを加えた「やさしさに包まれたなら」が好トラック。
“君とならばどこへ行こうが夢 の国 I'm a トラヴェルマシン どこへでも連れて行こう 飛び立とう” 2010 年上半期着うたフル®TOP10に3曲ランクイン! まさに今年の顔、Hilcrhyme(ヒルクライム)の2010年第 3弾シングル。
沸たる情動と沈潜する物思い。シューマンの音楽が持つ二つの貌、その移ろいを濃やかに捉え息づかせて、音の運びが片時も直線的にならない。ピアノの響きもあえてクリアに整えず、分厚く多様な色を混然と保持する。その中で高域が艶めいて色香を放つ。濃密だ。
大阪を牙城とするパンク・バンドが自らレーベルを立ち上げ、心機一転でアルバムをリリース。録音もアメリカで行なうなど気合いが入りまくった一枚で、その勢いはのっけの「27」からラストまでたっぷりと味わえる。疾走感に満ちたビートとストレートなヴォーカルに、聴き手の心拍数も思わず上昇だ。
日本デビュー1周年を迎える2010年9月にリリースのアルバム。5月に3日間連続でリリースした「まごころ」「ALL ABOUT U」「J.P.〜REBORN〜」はもちろん、小室哲哉が提供した「Evidence of Luv」など話題曲が満載。
通算40枚目のシングル。といっても全曲5分以上ある。「明日への記憶」はピアノ/オルガン/プログラミングやストリングスも入っていて、「歩く男」はバンド・サウンドで勝負しているが、レコードなら“両A面シングル”と言える出来だ。けど宮本浩次によるアコースティック・ギター弾き語りと思しき3曲目が一番生々しい。
「左手」冒頭のバスの蠢きから実にクリアで、エマールのアルペッジョや、裏で聴かせる弦のグリッサンドの綾など、どこをとってもとにかく緻密。この手のアプローチはたいてい木を見て森が見えなくなってしまうものだが、そうならないのが彼らのスゴさだ。「鏡」では、書法と響とが絶妙なバランスで現前する。★
85歳の巨匠が16年がかりの全集に結びの一筆を加えた。“通俗的なるものからの批判的な距離感とノスタルジーへの埋没の二律背反”が見事に音化された“偉業”だ。セルの往年を想起させる完璧なオケ、文字どおり入魂の歌唱で応じるふたりの歌手、TELDEXによる録音、ライヴの制約を超えた秀逸さだ。★★
制作・出演
オーレン・ブローダー / グレン・パッチャ / ジョーン・ヴァッサー / ニック・ダマト / マーヴィン・スウェル / ミシェル・ンデゲオチェロ / リズ・ライト / ロッキー・ブライアントゴスペルをバックグラウンドに持ち、アーシーなヴォーカルが魅力の黒人歌手。ヴァーヴにおける2010年発表の4枚目。スケールの大きさが評価を高めているが、作詞・作曲もこなせる豊かな才能も端々に感じられる。
“ギターで聴きたい名曲たち”をコンセプトにした『ポートレイツ』シリーズの第2弾。今回もポップスからクラシックのオリジナルまで、さまざまなテクニックも鮮やかに、ギターの魅力が満喫できる。
ショパン生誕200年記念企画。ショパンの残した全ジャンルから一通り網羅している。全101曲、協奏曲と三重奏曲、ソナタ以外は1曲全部を収録。新旧17名のピアニストを揃えたショパン丸ごとBOXである。
レッド・ツェッペリンのヴォーカル、ロバート・プラントのソロ・アルバム。彼がツェッペリン以前に在籍していたバンド名を冠するバンド・オブ・ジョイを従え、アーシーかつ無骨な楽曲の数々を披露している。
企画ものが続いた山中だが、本作はある意味での山中の第二の時代の始まりを感じさせる作品だ。点滴を打ちながら続けるほどのテンションを誇る演奏から一歩突き抜けた本作では「ソー・ロング」に見られるような余裕を見せてくれる。それでも“ぶっ飛び娘”ぶりを残した「サマーウェーブ」に魅力を感じてしまう。