著者 : あさのあつこ
地方の寂れゆく温泉町、津雲。父の亡き後、残された食堂『ののや』を守る継母の奈央と高校生の真子。支え合う暮らしの中で真子は、奈央を一人残して都会に進学することを迷っていた。ある晩、訳ありげな青年が客として現れるが、やがてとんでもない事件に発展する。「帰る場所がある。だから人は旅立つことができる」-小さな食堂を舞台に、精いっぱい生きる人々の絆と、少女の成長と旅立ちを描いた傑作長編。
北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎が腹を刺された。信次郎から手札を預かる岡っ引の伊佐治、信次郎と旧知の小間物問屋・遠野屋清之介に衝撃が走る。襲った男は遺体で大川に上がる。背後で糸を引く黒幕は何者なのか。深まる謎のなかで見えてきたのは、信次郎の父親・右衛門の衝撃の「過去」だったーー。あさのあつこの代表時代小説シリーズ、衝撃の第六弾!
幕末の石見銀山。間歩と呼ばれる鉱山の坑道で生まれたお登枝は、美貌を見込まれ女郎屋に引き取られた。初めて客を取る前の晩、想いを寄せる銀掘の伊夫を訪ねるが、別の男に襲われる。とっさに男を殺め、窮地を救ってくれた伊夫と身体を重ねたお登枝。罪と秘密をともに抱えた二人の行く末はー。変わりゆく世を背景に、宿命を背負った男女の灼けつくような恋を官能的に描き切った力作時代長編。
温泉巡りとぽっちゃり系女子を愛する、健全な(?)新高校一年生・勇作。少年野球時代からエースとして活躍してきたが、高校では帰宅部と決めていた。温泉三昧の日々を夢見ていた勇作に、美術教師にしてプレー経験ゼロの野球部監督が、勇作も驚くとんでもない入部条件を提示する。そして、目指すは甲子園!?
一ヵ月のお試し入部期間中なのに、初日からいきなりの紅白試合。勇作ははじめての硬球を恐る恐る握りマウンドに立った。小学校以来の女房役・一良と久しぶりにバッテリーを組んだとき、勇作の思いは熱く切なく燃えあがる。不朽の名作『バッテリー』のあさのあつこが放つ、感動と楽しさに溢れる青春野球小説! こんな練習ありか? こんな野球部ありか? 笑えて泣ける、ザ・青春小説! 高校野球の汗と涙、そして笑い。こんな青春最高! -アンジャッシュ・渡部建(芸人、「王様のブランチ」司会) 『バッテリー』の未来編? いや、今度の野球部はとても自由だ!-内山昴輝(声優、アニメ版「バッテリー」原田巧役) 一ヵ月のお試し入部期間中なのに、初日からいきなりの紅白試合。勇作ははじめての硬球を恐る恐る握りマウンドに立った。小学校以来の女房役・一良と久しぶりにバッテリーを組んだとき、勇作の思いは熱く切なく燃えあがる。不朽の名作『バッテリー』のあさのあつこが放つ、感動と楽しさに溢れる青春野球小説! その八、あまりのへんてこさにおれは呆然としてしまう。こんな練習ありか? その九、はっきり言って逃げ出したい心境です その十、いよいよ紅白戦突入か! で、けっこう緊張してます その十一、木下さん、すごいです! その十二、もうすぐ夏です! その十三、いよいよ、夏です! その十四、最悪の予感って、当たります その十五、さい高、サイコー!
新入部員を迎えることになった、さいとう市立さいとう高校野球部。強豪中学出身のキャッチャー・長瀞智樹や妙鉱五志をはじめ、個性豊かな新しい顔ぶれに、期待が高まるメンバーたち。紅白戦で後輩と新バッテリーを組むことになった山田勇作に、新たな変化が訪れ……。 新入部員を迎えることになった、さいとう市立さいとう高校野球部。強豪中学出身のキャッチャー・長瀞智樹や妙鉱五志をはじめ、個性豊かな新しい顔ぶれに、期待が高まるメンバーたち。 紅白戦で後輩と新バッテリーを組むことになった山田勇作に、新たな変化が訪れ……。 その一、すみません。やっぱり温泉から始まります。 その二、塩江温泉での早足散歩は、チョウ刺激的だった。 その三、“憧れの先輩”は雲の彼方に。 その四、ついに新入部員、登場か? その五、怒濤の紅白戦の始まり、始まり。 その六、ということで、おれの期待と不安をのせて紅白戦、始まり、始まり。 その七、ふふふ。いよいよ、試合のマウンドです。ふふふ。
「あたし、あの人がこんなにも好きなんだ」太物問屋『あたご屋』の一人娘・お八重はごろつきから助けてくれた“川獺”と名乗る男に想いを寄せている。もう一度逢いたい一心で江戸をさまようお八重は、裏長屋で川獺といた女の死体を発見してしまう。殺していないと言う川獺を信じるお八重は…。恋を知った少女が大人になっていく姿を描いた感動の時代小説。
人気作家陣が「少年」をキーワードに紡いだ短編作品9本を収録したアンソロジー。家族や友人との関係に悩む繊細な心情や、背伸びするいじらしさなど、少年の魅力がぎゅっと詰まった1冊。(解説/壇蜜)
夏の甲子園地区予選、決勝戦9回の攻防。あと、1人アウトにすれば延長にもつれ込む。と、その瞬間、サヨナラホームランを浴び敗者となった海藤高校の投手直登は、試合後も立ち直れないでいた。そこに、優勝校東祥学園が出場辞退という、意外な報せが届く。「繰り上がりによる甲子園出場」は、どちらのチームにとっても重い結果となって…。少年たちの熱い思いに胸が高鳴る、著者真骨頂の青春野球小説!
失恋の痛手から救ってくれたのはおにぎりの美味しさだった。翠川真緑(通称グリーン・グリーン)はそのお米の味が忘れられず、産地の農林高校で新米教師として新生活をスタートさせた!農業未経験にもかかわらずー。豚が廊下を横切るなんて日常茶飯事だが、真緑にはその豚と会話ができる能力が!?熱心に農業を学ぶ生徒に圧倒されつつも、真緑は大自然の中で彼らとともに成長してゆく。
五千メートルのレースで貢に敗れた碧李。その時、碧李の胸には勝ちたいという新たな衝動が込み上げる。一方、天才ランナー・貢の知られざる過去が明らかに。以前、名門高校に籍を置いていたが、ある事件がきっかけで、一度走ることを諦めていたのだったー。走ることで己と向き合う少年たちの、心の疼きと渇きを描いた人気シリーズ第三弾。
中学二年から三年に進級した井嶋杏里、市居一馬、里館美穂、前畑久邦の仲良し四人組。高校進学を前にして、それぞれの夢に向かって突き進もうとする四人の前に、新たな壁が立ちはだかる。将来への不安、新しい環境への不安に押し潰されそうになりながら、かけがえのない友だちと家族に支えられ悩みながらも成長する十五歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。
中学一年の夏に引っ越すことになった井嶋杏里。転校でなじめない中学の校舎で、使われなくなった教室『1-4』に入った杏里は、市居一真と出会う。杏里に出会った一真は、杏里に絵のモデルになって欲しいと頼む。そこから物語は始まったー。杏里、一真、そして、かけがえのない友だちと家族。悩みながらも成長する十四歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。
すれ違う子供が泣きだすほどの醜男の、愚直な恋のゆくえ(「甚三郎始末記」)。騙されていると知りながら待ち続ける遊女の哀しき運命(「風を待つ」)。自ら始末をつけるべく散り急ぐ男に、残された妻の覚悟を描く表題作など、心に染み通る5篇。四季の彩り溢れる情景と、男女の一途な愛を細やかに綴る傑作時代小説。
四方を中国山地に囲まれた、寂れた温泉町に架かる小さな石橋『かんかん橋』。食堂『ののや』の一人娘真子は、毎日その橋を渡って学校に通っていた。真子と父を残して出て行った母。かつて白無垢をまとい嫁入りしてきた写真館の老女。町を去り愛する人とともに帰ってきた踊り子。誰もが『かんかん橋』を渡る…。小さな食堂を舞台に、精一杯生きる女たちのたくましさ、しなやかさを鮮やかに描き出した、人気作家の傑作長編!
江戸の町、竹林に囲まれたしもた屋で、産んではいけない子どもを孕んだ女たちを受け入れ、子堕ろしを行ってきた「闇医者」のおゑん。彼女の元には、奉公先の若旦那と恋仲になった女中、あやかしの子を孕んだと訴える武家の奥方など、複雑な事情を持つ者たちがやってくる。時代小説の名手がおくる、祈りと再生の物語。