著者 : キャロル・モーティマー
誘惑は熱心に。別れは冷淡に。 女泣かせのギリシア大富豪が、ついに……? インテリアデザイナーのエバに、大きな仕事が舞いこんだ。 大企業の副社長マルコス・リオネデスの住むペントハウスの改装だ。 噂によれば、彼は興味を抱いた女性を熱心に追いかけるけれど、 いったんものにして冷めてしまうと、とたんに残酷になるという。 それは単なる噂ではなく、エバの従妹がそんな仕打ちを受けたばかりだ。 だからエバは顔合わせの約束を二度までキャンセルし、 従妹に代わって、傲慢な大富豪にせめてもの仕返しをした。 ところがあるパーティで、エバはマルコスの興味を引いてしまい、 自己紹介された際、「エバ」とだけ名乗ってクールにあしらった。 ほどなく正体がばれ、彼のオフィスに呼び出されるとは思いもせずに! HQプレゼンツ作家シリーズ別冊より、キャロル・モーティマーの2部作〈ギリシアからのプロポーズ〉2話目をお贈りします。冷酷なはずのプレイボーイが見せる予想外の素顔に、ヒロインのみならず読み手も魅了されること請け合いです!
世界的大企業リオネデス・エンタープライズの社長ドラコンに、ジェミニは強引に面会を求めた。必死の思いだった。彼女の父が半年前に亡くなり、ロンドンの一等地にある大邸宅が、義母によってドラコンの会社に売り渡されようとしている。大切な屋敷を取り戻すには、ドラコンと交渉するしかない。なんとか会うことができた彼は、ブロンズ色の肌に黒い髪、長身でたくましいギリシア神話の神のようだった。その圧倒的な存在感と魅力に、ジェミニは一瞬、言葉を失った。ジェミニは心の中で抗ったー再婚相手を探す義母の誘惑に平気で乗るような彼の魅力なんて認めない!認めたくない。でも…。
伯爵家のパーティに招かれたトゥルーディは、国で最も人気の独身貴族バスティアンも滞在中と知り、心を弾ませた。だが、彼に途方もない賭けを持ちかけられ、赤面するー彼は心に愛がなくても、ベッドでの歓びは与えられることを証明してみせるというのだ!-『罪深き賭け』社交界に復帰した公爵未亡人ソフィア。自宅で開いた舞踏会に現れた、放蕩伯爵として悪名高いダンテの姿を見て、彼女の心はかき乱された。10年前、未婚のわたしにつきまとい、あろうことか唇まで奪った不埓な彼が、なぜここに?招待なんてしていないのに!-『放蕩伯爵と白い真珠』巨万の富を誇るルーファスは数週間前に公爵位を継いだばかり。領地の管理人が夜逃げしたという知らせを受けて現地に向かったところ、森の池のほとりで若く美しい娘と出会い、思わず口づけをしてしまう。相手が教区牧師の品行方正な妹アンナだとは知らずに。-『奔放な公爵の改心』公爵マーカスは親友の妹ジュリアナの言葉に耳を疑った。訳あって、彼に愛の手ほどきをしてほしいというのだ。マーカスは堕天使のように美しい顔に悪魔の笑みを浮かべた。4年前に伝えるはずだったこの想いを今、彼女にわからせるのだー身も心も虜にして。-『高潔な公爵の魔性』
ジャスティン・ド・ウルフとの出会いは衝撃的だった。パーティ会場で異彩を放つ、黒い眼帯をした長身の男性が銀色の瞳をきらめかせ、不敵な笑みを投げかけてくる。彼は決して愛など信じない危険な一匹狼だと言われているが、キャロラインは駆け落ち同然に彼と結婚したーいつか彼の心を溶かす日が来ると信じて。そして今日、キャロラインの最高のニュースを夫に伝えた。赤ちゃんができたの…。だがジャスティンの返事は、思いもよらないものだった。「その子は、僕の子ではないよ」。
仕事を失い、子も奪われ、夫の愛も消えた。 私は“別人”になり、愛し愛される道を選んだーー 事故で顔を激しく損傷したジャッキーが望んだのは、 顔を復元する手術ではなく、別人に生まれ変わること。 整形手術で新しい顔を手に入れた彼女は、過去の弱い自分を捨てた。 ブルック・アダムソン。それがいまの彼女の名前だ。 夫のレイフに奪われた息子との再会を果たすため、強くならないと! 大企業のトップで仕事人間の夫との結婚はつらい思い出ばかり。 何がいけなかったの? どこを間違えたのだろう? そこにあると思っていた愛は、最初からなかったのかもしれない……。 でも、どんなことをしてでも息子に会いたい。 たとえレイフにどう思われ、どれほど邪魔をされようとも。 大スター作家たちの名作を厳選してお届けする《プレミアム・セレクション》。初版の刊行当時、感動の嵐を巻き起こした話題作をお贈りします。ジャッキー改めブルックと会ったレイフは、元妻とは気づきませんが、ときおり目の色や表情に類似点を見つけ……。
世界屈指の大富豪のそばで働くーー それは、思いがけない運命の扉。 グレースは養母の治療費と妹の学費でかさんだ借金を返すため、 億万長者セサール・ナバロの邸宅の住み込み家政婦となった。 彼の秘書から、多忙の主人と顔を合わせることはないだろうと 言われていたが、なんと初日から鉢合わせしてしまう。 まあ……自宅でくつろぐ彼は、なんてセクシーなのかしら! 頬が熱くなり、緊張からついおしゃべりになった彼女は、 花も飾らぬ屋敷の殺風景さを指摘して、セサールに睨まれる。 グレースはくびを覚悟したが、彼の言葉は意外なものだった。 「ぼくの一族が主催するパーティに、一緒に来てくれ」 人気ベテラン作家のキャロル・モーティマー。苦労人ながらいつも明るく健気なヒロインのシンデレラストーリーをお楽しみください。
19歳のファラは父親が会社の金を使い込んだことを知り、父親の勤め先である新聞社のオーナーのもとへ駆け込んだ。「父は病気の母のためにやってしまったんです…お願いです、父が刑務所に行かずに済むのなら、私はなんでもします!」必死に訴えるファラを、若き敏腕経営者のジョエルは興味深そうにじっと見つめていたが、やがて口を開いた。「それなら、僕の恋人を演じてくれ」彼は淡々と説明した。新しい恋人ができたふりをして、今の恋人と別れたいんだ、と。そんなお芝居、私にできるの…?ファラは不安におののいた。
ケータリングサービスを営むジェーンは、ある夜、ずっと避けてきた男性、大富豪のガブリエルと会ってしまう。ジェーンの元夫とガブリエルの元妻は不倫関係にあったのだが、ふたりは3年前、共に交通事故で亡くなった。ガブリエルがジェーンを捜していると聞き、怖くなった彼女は、名前も髪の色も変え、過去を捨てて逃げたのだった。ところがガブリエルはジェーンの正体に気づいていないらしく、花束や食事の誘いで、情熱的に交際を迫ってくる。拒まなければならないのに、ジェーンは彼に惹かれていき…。
切ないのは、あの夜に彼が求めたものが 私じゃなく、亡き妻の面影だったこと……。 若きマーリンは仕事で湖水地方へ向かっていた。 妻を悲劇的に亡くした実業家のブランドンに会い、 彼の妻の生涯を描く映画に同意してもらうのだ。 でも、彼は映画関係者の訪問を毛嫌いしているという。 道中、嵐に見舞われて道に迷ったマーリンは、ホテルと勘違いして ブランドンの館を訪れてしまい、やむなく素性を告げずに泊まることに。 その夜、妻の写真を暖炉にくべながら憂愁に包まれる彼を目撃し、 昼間の傲慢さが消えたその姿に、マーリンは胸を衝かれたーー 彼を慰めたい一心で、求められるまま純潔を捧げてしまうほどに。 だが翌朝、彼女が素性を明かすと、ブランドンは豹変した! 傲慢か、繊細かーー昼夜、別の顔を見せる大富豪に猛然と映画化を突っぱねられ、傷つくマーリン。後日、彼の申し出にさらに翻弄されることに。「今後もぼくと大人の関係を続けるんだ」英国女王も認めた稀代の大スター作家、C・モーティマーの貴重な初邦訳長篇!
シャナはその夜、パーティ会場に足を踏み入れたとたん、ある男性の視線を感じた。また彼だわ。リック・ダルモントー浅黒い肌に黒い瞳、長めの黒髪。スペイン人の血を引く、セクシーなプレイボーイで有名な敏腕実業家だ。先日、甘くハスキーな声色で話しかけてきてからというもの、シャナへの執心を隠そうともせず、行く先々に現れる。マティーニのグラスを渡す刹那、彼はシャナの細い指に触れた。「これが君に触れる唯一の方法だから」シャナはびくりとした。そんな誘惑をはねつけた翌日、兄の会社が買収されたと知るーあろうことかリックに!即座にシャナは退職願を出すが…。まるで獲物を前にした野獣のようなヒーローのペースに乗せられまいとするヒロイン…。“年の差”“オフィス”の二大人気テーマも絡めた、夢の逸作。
上司のセクハラに遭い、会社を辞めるはめになったキットは、新たな会社に再就職し、社長マーカスの個人秘書を務めることになった。だが、前任秘書の話では、マーカスはとんでもないプレイボーイらしい。前職での苦い経験をふまえたキットは、ボスに目をつけられないよう、地味な服装とヘアスタイルに野暮な黒縁眼鏡の変装を思いつく。半年後、相変わらず“お堅い秘書”として仕事を続けていたある日、ボスの現在の恋人が現れたと思ったら、かんかんに怒って帰っていった。マーカスからその理由を聞いたキットは、唖然とするー今週末、恋人ではなく、君と一緒に過ごすことにした、ですって!?内心で彼に強く惹かれていることを、悟られてはいけないのに…。
リーと友人ギャビンは知り合って2カ月。彼の父親が所有する別荘に誘われ、リーはなんの心配も抱かず出かけていった。同じ18歳同士の気安さで。屋敷は息をのむほど美しかったが、しんと静まり返った室内には人の気配がしない…。アルコールを飲ませようとしてくるギャビンの執拗さにようやく危険を察知したものの、後の祭りー。とそのとき、低くハスキーな声が響いた。「床に転がって何をしてるんだ」黒いシルクシャツの胸元をはだけた、セクシーなその男性こそ、ギャビンの父ピアーズ。リーの心臓が突然、早鐘を打ち出した。
ガブリエラは義理の兄ルーファスにひと目で強く惹かれたー資産家であるルーファスの父と、母が再婚したその日から。だがガブリエラの母親を欲得ずくと信じるルーファスは、娘も同じだと決めつけ、金目当ての誘惑は無駄だと冷たく言い放った。ひどく傷ついたガブリエラは彼を忘れようと努め、避け続けてきた。6年後、ルーファスの父が亡くなり、意外な遺言が明らかになる。継父は遺産相続と引き換えに、二人に半年間の結婚を命じていた。従わなければ事業も財産もすべてルーファスの従弟のものになる、と。事業を従弟に渡したくないルーファスは、ガブリエラに結婚を迫る。愛する人に憎まれたまま妻になるなんて…でも、私には拒めない。
緑色の瞳のすぐ下と鼻の頭に飛び散る、憎らしいそばかす。赤い髪の冴えない17歳、ローリの小さなコンプレックス。幼いころに両親を亡くし、つましくはあるが大切に育てられ、いまは叔母が社長秘書を務める会社で働いている。そんなローリは、ある朝、運転の練習中に車をぶつけてしまう。あろうことか勤め先のハンサムな社長、ブレアの車に…。社長は車から出てくるなり、目障りだとでもいうように、「注意力散漫だな。子供はこれだから」と、ジロリと睨んだ。瞬間、恥ずかしさのあまりローリの頬が薔薇色に染まった。
ブリナは信じられなかったーこのわたしが妊娠9週目?このところ体調不良がそのせいだなんて、夢にも思わなかった。思春期のころの手術のせいで子供を持つことはできないと言われ、運命を恨んでさんざん泣き暮らした時期もあったけれど。いまは彼女なりの愛される資格を探りながら、半年前、金融界の大物ラフ・ギャラハの愛人になったのだ。だけど約束も束縛もしないという二人のルールは、もう守れない。ブリナは何も告げずにラフのもとを去った。愛していたから。子供が欲しくない、彼の重荷にはなりたくなかったから。
シアは両親亡き後、ウエイトレスをしながら大学で学んでいる。 華やかな生活を送る友人からNYでの休暇に招かれたが、 連日連夜のセレブの集いには、気後れして楽しむことができない。 ある晩、会場のバルコニーでシアは男性に声をかけられた。 目を見張るほどハンサムで、富と権力がにじみ出るようなオーラに、 男性経験のない彼女は恐れをなして逃げ出してしまう。 彼こそがパーティーの主賓、大富豪のルシアン・スティールであり、 目を留めた女性は必ず手に入れると知ったのは、そのあとだ。 翌朝、高級ホテルの鍵が届き、友人宅から彼女の荷物が運び出された。 シアは震え上がった。私は、彼の標的になってしまったの……? 大スター作家キャロル・モーティマーがお贈りする、強引な億万長者と無垢なヒロインのロマンスです。富と権力と自身の魅力を惜しみなく使い、女性の身も心も虜にするヒーローに釘づけです!
両親を飛行機事故で、そのあと娘と夫も交通事故で喪って、埋めることのできない心の空洞を抱える彼女を、シャーリーと愛称で呼ぶ者は少ない。その数少ない友人マットのフラットに、いま、自宅をぼやで焼かれたシャーリーは間借りしている。そこへある日、友人の知己と称する男アーロンが押し入ってきた。蔑みもあらわにシャーリーを眺めるや、マットの妻が来るから、君が愛人であることを隠さなければ、と言うのだ。邪推のひどさに面食らって、誤解をとこうと顔をあげると、彼はにべもなく言い放った。「すぐに僕の恋人のふりをするんだ」
不実な夫が多額の負債という苦までジェシカに押しつけ、死んでいった。パートタイムの仕事を見つけ、せめて少しずつでもと返済を始めるが、生前に夫が会社のお金まで使い込んでいたことが新たにわかった。もはや手詰まりとなって、途方に暮れるジェシカの頭に、夫の上司だった魅力的な社長、マシュー・シンクレアの顔が浮かぶ。以前、初めて会ったとき、彼はジェシカが誰かも知らないまま、熱い瞳で彼女を見つめ、“僕のものになってほしい”と言った。あの日は戸惑いと恥ずかしさで逃げてしまったけれど…。ジェシカは心を決め、マシューのもとへ向かった。返済できないことの償いとして、わが身を差し出すために。
高貴な身分のあの人に、 身のほど知らずの恋をした。 「僕の弟が戦死したばかりなのに、次の獲物を探しているのか?」 牧師の養女リリーは世界一会いたくない人物と最悪の再会を果たした。 亡き幼なじみが崇拝していた兄である麗しの将校ーー 公爵位を継ぐために帰還したジャイルズ・モンタギュー卿だ。 彼はリリーを金目当てで弟をたぶらかした悪女と決めつけ、 顔を合わせるたびに捨て子だったことを持ち出して嘲るのだ。 深く傷つきながらもなぜか彼を憎みきれずにいたある日、 またもやジャイルズ卿と言い合いになり、偶然体が触れ合った。 その瞬間、胸のうずきを覚えたリリーは彼への想いに気がついた。 貴族の彼と結ばれるなど、万にひとつの望みもないのに。 エリザベス女王やアメリカロマンス作家協会からも賞賛される大スター作家、C・モーティマーのピュアでホットなリージェンシー。“身分卑しき悪女”の無自覚な色香に翻弄される傲慢ヒーロー、不遇なヒロインの出自の真相……。読みごたえたっぷりの力作です!
ブルックはコンピューター会社の受付嬢。 きわめて平凡な毎日だが、黒髪のハンサムな社長、 ジャロッドのそばにいられるだけで幸せだったーー 美しい人妻と愛人関係にあるという噂の彼に、 どんなに恋い焦がれても、報われないとわかっていたけれど。 ところが、挨拶を交わすだけだった二人の関係が、 ある日の新聞記事で大発展する。 なぜか、ジャロッドとブルックの婚約が発表されたのだ。 すると体面を重んじるジャロッドはブルックに迫った。 当分の間、本当に婚約したように見せかけるしかない、と。 憧れのボスのフィアンセを演じるーー夢のような状況にとまどうヒロインに、彼はまるで本当の恋人のような言動をとって……。変幻自在の話巧者C・モーティマーが描く、オフィスのシンデレラ物語。