著者 : キャロル・モーティマー
翼を折られ、どん底へ。 白鳥を救うのは、大富豪の傲慢な愛。 4年前、前途有望なバレリーナだったミランダは、 公演中に舞台から突き落とされ、怪我で引退を余儀なくされた。 度重なる手術とつらいリハビリ……。体には大きな傷痕が残った。 夢をあきらめてバレエ教師となったある日、大富豪ダリウスと出逢う。 彼は4年前のあの舞台の観客だった。「君はバレリーナのミランダだな」 あの事故には触れられたくない。どれだけの苦しみを味わったことか。 だが、ダリウスは逃げ出すミランダをとらえ、無理やりダンスに誘った。 かつて舞台で見た優美な白鳥をよみがえらせてみせるとばかりに。 彼の強引な態度に反発を覚える一方で、ミランダは甘い期待に震えた。 バレエにすべてを捧げてきたから、男女のことなど何も知らないのに。 実業界の大物スターン兄弟の光と闇を描いた、ドラマティックな恋物語2部作の1話目をお届けします。本作は双子の兄ダリウスがヒーロー。儚げな美しさを持つ不遇のヒロイン、ミランダは、ダリウスが普段つき合う世慣れて洗練されたタイプではありませんでしたが……。
シンデレラが恋した大富豪。 近づくほど、彼の心は遠くなり……。 ロンドン郊外にある大きな屋敷で庭の手入れをしているダニー。 主は家に高い塀を巡らせ、護衛と番犬に囲まれて暮らしており、 敷地内のコテージに住みこむダニーもいまだ姿を見たことがない。 ある夜、ダニーが芝刈り中に背後から突然、長身の男性が現れた。 荒削りで野性的な美しい顔ーーなんと、彼こそが屋敷の主ピアスだった! 傲慢そうで冷たいブルー・グレイの瞳をした彼は、 39歳にして大企業を率いる大富豪だが、どこか陰があり謎めいている。 そんな彼に魅了され、気づけばダニーは純潔を捧げていた。 ところが、ピアスが彼女に向けた言葉は、あまりにも冷酷なものだった。 「こんなふうに君と何度会っても、君とは結婚しないよ」 キャロル・モーティマーが1985年に書いた珠玉のシンデレラ・ストーリーをお届けします。「僕を愛してはいけないよ」そう忠告するヒーローに向かって、「もう愛してしまったわ」と堂々宣言する若きヒロインがとても清々しく、格好よくさえ感じられます!
昼は他人のように、 夜は恋人のように。 インテリアデザイナーのレオニーは顧客の会社を訪れ、息をのんだ。 そこで彼女を待っていたのは、新社長のアダム──別居中の夫! レオニーは彼が姉と浮気をしていたと知り、家を飛び出した。 知り合ってすぐに結婚した二人は初めての夜からうまくいかず、 そこから互いの距離が広がっていったのだった。 8カ月ぶりの再会に、レオニーの胸にときめきと切なさが渦巻いた。 アダムは社長室を改装してほしいと仕事を依頼するだけでなく、 完璧なディナーと誘惑で彼女を魅了し、甘い余韻のなか朝を迎えた。 私たちは離婚するはずでしょう。彼はどういうつもりなの……? 断らなくちゃ。アダムの仕事の依頼も、恋人のような誘惑も! 本作の原書は1985年に上梓されるもしばらく未邦訳のままで、2015年にようやく翻訳版が日本に紹介され、大好評を博しました。夫婦の愛の復活物語をご堪能ください。
この身を囚われるより、 心を囚われるのが怖くて……。 18歳で両親を亡くしてから働きづめのリリーは休暇のため、 ローマで伯爵ドミトリの個人秘書を務める弟を訪ねることに。 ところが、弟が伯爵の妹と駆け落ちしたと知って驚く。 しかも、妹が金目当てでたぶらかされたと信じこむドミトリに、 リリーまでが蔑みの目を向けられ、伯爵邸に閉じこめられてしまった。 彼女の弟が連絡してくるまでは解放しないという。 純粋な恋愛を不埒な誘惑と断罪したうえ、私からも自由を奪うなんて! 怒れる伯爵から逃れたくて誰かに助けを求めようと考えたリリーに、 ドミトリが告げた。「使用人には休暇をとらせたから、君と僕だけだ」 ああ、どうしよう、傲慢伯爵の籠の鳥になってしまった……! 「妹が僕のもとに帰ってくるまで、君を監視下に置かせてもらう」とんでもなく傲慢な伯爵は、とてつもなく魅力的な男性でもありました。高級服を着こなす長身のドミトリは“ローマ人とはこうあるべき”と言えるほど男らしく、リリーは思わず見とれてしまい……。
ずっと秘密にしてきた。 あの子の本当の父親は……あなた。 大学生のローラは半年前に出会った著名作家リーアムと結ばれたが、 直後に彼は仕事でアメリカへ飛び、そのまま連絡を絶った。 そして妊娠がわかったときには、彼はすでに女優と結婚していた……。 リーアムの息子を密かに産み育てて7年が経った今、 ローラの出版社に“新人作家”の原稿が送られてきて、彼女は感づいた。 これは新人なんかじゃない、忘れえぬあの人の作品に間違いないわ! 会ってみると、相手は案の定、リーアムだった。 彼女を抱き寄せ、キスをし、彼は言った。「また会いたい」 官能に身を震わせながらも、ローラの頭はNOと叫んでいた。 彼と同じ黒髪に青い瞳の愛しい息子を、傷つけるわけにはいかないから。 ローラは10歳年上の恋人リーアムに尽くしたあげく手酷く捨てられましたが、再会した彼から、女優の妻との結婚は半年しか続かなかったと聞いて心が揺れます。よりを戻したがっている様子の彼に再び惹かれる気持ちをぐっとこらえ、ローラは去ろうとしますが……。
傲慢富豪に赤ん坊を奪われるくらいなら、 いっそ私が、愛されぬ花嫁になるーー 姉夫婦が里帰り出産のために乗った飛行機が墜落したという報道が……! 悲報に動揺するモーガンの前に、波打つ黒髪の男性が現れた。 アレックス・ハモンド! 姉の義兄で、一族の企業を経営する大富豪。 姉の結婚式で会っただけだけれど、傲慢さが強く印象に残っている。 一縷の望みをかけ、モーガンはきいた。「姉夫婦は生きているの?」 アレックスはきっぱりと否定したが、子供は生きていると告げた。 姉は墜落後に息子を産んで息を引き取ったのだというーー モーガンとアレックスに幼い命を託して。 アレックスは自分が育てると言うが、モーガンにそのつもりはなかった。 魅力的だけれど冷たい彼に、大事な赤ん坊を渡すわけにはいかないわ! USAトゥデイのベストセラー作家C・モーティマーの名作! ひとまずアレックスと英国へ渡ったモーガンは、亡き姉が高慢で意地悪な義母や義妹とうまくいっていなかったことを知ります。しかも親権問題を解決するため、アレックスに愛なき結婚を提案され……。
家も頼りも未来も失った元令嬢は、 血も涙もない大富豪に拾われ……。 父と婚約者を同時に事故で亡くしたアンドレアは、 残された借金を返すため屋敷を手放さざるをえなくなったうえ、 傲岸不遜な辣腕実業家ライナスの秘書になるしかなかった。 けれど、次々に恋人を替えて独身貴族を謳歌しているボスを、 アンドレアはなぜか嫌いになれずにいた。 不幸のどん底でうちひしがれる私に救いの手を差し伸べ、 励ましてくれたのは、ライナスだったから……。 あるとき出張先のスコットランドで猛吹雪に見舞われたアンドレアは、 ボスと小さな宿で2晩を過ごすことに。しかもシングルベッドの寝室で! 不安しかない。27歳を目前に、私はまだ男性を知らないのだから……。 Amazonランキング第1位を記録するなど、今なお絶大な人気を誇るUSAトゥデイのベストセラー作家キャロル・モーティマー!そんな彼女がハーレクイン・レーベルで書いたボス秘書ロマンスを《キャロル・モーティマー・コレクション》からご紹介します。
“恋した女性に生涯を捧げる” その呪いを避けたい傲慢伯爵は……。 アンゼリカが初めて実の父と顔を合わせたのは半年前。 欧州随一の富豪である父は、存在すら知らなかった娘を歓迎したが、 世間に騒がれるのを嫌って父娘の関係は公にしていなかった。 ある夜、父に呼ばれたアンゼリカは、シチリアの伯爵で、 “ウルフ”ことカルロ・ガンブレリに引き合わされた。 彼の名はもちろん知っているーー稀代のプレイボーイとして。 噂に違わず、優雅ながらたくましい彼はとてつもなく魅力的だ。 しかし彼の目には、アンゼリカに対するあからさまな軽蔑の色が。 彼は私のことを、父の愛人だと思い込んでいる! 失礼な人! だが自らの寿命を危ぶむ父がウルフに告げる。アンゼリカを頼む、と。 アンゼリカの実父は重大な手術に臨む前に、アンゼリカの保護者役をウルフに託しますが、その際、彼女がじつは自分の婚外子だと明かします。それなのに傲慢なウルフは、誤解を認めるどころか、彼女が娘だと名乗り出たのは財産目当てではないかと疑い始め……。
赤ちゃんができたーーそれだけが、 プロポーズの理由だなんて。 ヒービーは勤め先の社長で億万長者のニックに密かに片想い。 彼は世界に支社を持つハンサムでエネルギッシュな実業家だが、 女性を片っ端からベッドに誘っては捨てるという非情な男性だ。 ある夜、ヒービーはそんな彼の手管に堕ちてしまった! そこには愛も優しさもない、ただの悦びだけ……。 やがて、その一夜で彼女が妊娠したとわかっても何も変わらなかった。 それどころか、金目当てで意図的に妊娠したんだろうと責める一方、 子どものためだけの、愛のないプロポーズをする。 「君が僕と結婚しないなら、親権は奪わせてもらう」 そして彼女が拒めないのを承知で、夜ごと甘い誘惑に溺れさせ……。 傲慢ヒーローと愛にひたむきなヒロインの予期せぬ妊娠&愛なき結婚物語です。憧れのボスとの一夜の翌朝、理由もわからないまま彼の家から追い出されたあげく、わざと妊娠したと疑われて……。けれど振り回されてばかりではないヒロインの恋の奮闘にご声援を!
幸せの絶頂も、不幸のどん底も、 あなたに出逢ってしまったから……。 22歳のキャリーは半年の間に母を病で、大好きな義父を事故で亡くし、 まだ悲しみも癒えないなか思いがけない事実を知らされる。 義父がじつは名門一族出身で、莫大な財産が彼女に遺されたというのだ。 キャリーは気が進まないながらも、面会を望む一族の屋敷を訪れた。 だがそこに待っていたのは、よそ者に対する冷たい侮蔑のまなざしと、 彼女に財産を渡さないための、当主の冴えない息子との結婚話だった。 そんななか、あるパーティーに出席したキャリーは、 上質なスーツを着た背の高い美貌の紳士と出逢い、たちまち心を奪われた。 ローガンと名乗ったその男性がくだんの名門一族の一員で、 彼こそが、キャリーと当主の息子の結婚を画策した張本人とも知らずーー 英国女王エリザベス2世のお墨付きの作家による名作を集めた《キャロル・モーティマー・コレクション》より、天涯孤独のヒロインと傲慢富豪の恋物語をお贈りします。出逢ってから婚約するまでは非の打ち所のない紳士だったヒーローが、クリスマスを境に悪魔に!
幸せの絶頂から、不幸のどん底へーー 何も言わずにいなくなってしまうなんて。 図書館に勤めるロビンは、イギリスの小さな村に住む18歳。 ある日、近くの空き家の庭で遊ぶ弟をたしなめていたところ、 高級車で乗りつけた精悍な男性に鋭くにらまれ、追い払われた。 リックという名の彼はどうやらその家に引っ越してきたらしい。 倍も年上で傲慢な彼に、どうしてこんなにも惹きつけられるのかしら。 何度か会ううち、ロビンはときめきを抑えきれなくなっていった。 そんな娘を心配した父親から彼とつき合うことを反対され、 泣きながら家を飛び出したロビンは、リックの胸にすがった。 だが冷たく拒まれて喧嘩別れに。好きなのに、なぜこうなるの……? やがて彼女は悲報を耳にするーーリックが交通事故に遭ったというのだ! イギリス女王の故エリザベス2世に認められたキャロル・モーティマーによる、純真無垢なヒロインと大人の魅力を放つヒーローとの年の差ラブストーリー! “ロマンス界の話巧者”が綴る、主人公たちの生き生きとした会話やロマンティックな展開をご堪能あれ。
最愛の義兄で、敵で、 悪魔のように魅力的な人……。 ブレナが12歳のとき、母がウェイド一族の家長と再婚した。 ブレナの義兄となったネイサンは傲慢の極みのような人だったが、 彼女は心密かに憧れの念を抱いてきた。 だが22歳の今、ブレナは二度とネイサンに会いたくないと思っていた。 去年の春、ネイサンにプロポーズされ、一夜をともにしたのに、 そのプロポーズは、亡き両親が彼女に残した遺産を手に入れたいがための、 欲得ずくのものだったとわかったのだから……。 私のことを愛してもいないのに、プロポーズなんかしないで! 愛なき求婚から、そして最愛の義兄から逃げだして1年。 今再び、ブレナの目の前にネイサン・ウェイドが現れたーー 英国女王エリザベス2世からもその活躍を讃えられた作家による不朽の銘作シリーズ《キャロル・モーティマー・コレクション》をお届けします。ロマンスの“話巧者”と評される所以をとくとご覧あれ。
ファンが選んだベスト作品をもう一度! 英国女王も認めた作家が描いた感動作。 幼い頃に実の母に捨てられたブライアナは、父の名前さえ知らない。 21歳になったある日、母が遺した一通の手紙が弁護士事務所から届く。 要領を得ない内容が気になった彼女は、 冷血弁護士として悪名高きネイサンのもとを訪れた。 ブライアナの母のことを知る彼は若いのに尊大で、 はぐらかしてばかりで何も教えてはくれない。 でも、彼の笑った顔は驚くほど魅力的だわ! 彼女はネイサンの協力を得ながら、実の父を捜し始めた。 ますます彼に惹かれていくブライアナはしかし、まだ知らなかったーー ネイサンと自分に、血のつながりがあるかもしれないことを! ハーレクイン日本上陸45周年記念の大好評企画《不朽のファン・セレクション》から、1999年上半期のベスト作品賞第2位に輝いた傑作をお届けします。英国の故エリザベス女王もお気に入りだった作家、キャロル・モーティマーの筆が冴える秀逸作をどうぞ!
リンジーは世界的に著名なカメラマン、ジョエルの秘書。どんな女性も夢中にさせる魅力にあふれたジョエルは、過去や家族の話をいっさいしない秘密主義者だ。そんな彼をもっと知りたくて、この半年一緒に暮らしてみたが、悲しいことに、それは変わらなかった。ジョエルにとって、私は住み込みの愛人でしかないの?彼への想いは衰えるどころか、日ごとに増すばかり。もう彼のそばにはいられない…。しかし退職届を出した矢先、思いがけずジョエルとパーティに出ることになってー?
愛されないなら婚約を解消したい。 でも私はもう、彼を愛している……。 愛し愛される結婚を夢見るグレースは社交シーズンのロンドンへの道中、 宿屋で公爵家出身の美男子ルシアン・セントクレア卿と居合わせた。 放蕩者の彼は夜遅くに、酔ってグレースの部屋に間違えて入ってきて、 寝乱れた彼女を熱っぽく眺めると、いたずら心でキスを求めてきた。 そしてグレースが唇を奪われたまさにそのとき、部屋の扉が開き、 彼女の後見人にあられもない姿を見られて誤解されてしまう! 思ってもみなかった事態に青ざめるグレースに、 こうなった以上、僕たちは結婚するしかない、とルシアンが告げた。 だが、人と深く関わりたくない彼には心に決めていることがあったーー もちろん、妻になる女性とも他人行儀な関係を保とうと。 相思相愛の結婚と、他人行儀な結婚。真逆の結婚像を思い描く二人の愛なき婚約から始まるラブストーリー。故エリザベス女王も認めた英国を代表するロマンス小説家キャロル・モーティマーによる、リージェンシー・ロマンスの大ヒット作をお贈りします!
父を破滅させた、憎むべき億万長者。 なのに、彼のキスは誰よりも優しい。 父の葬儀に現れた大富豪グレゴリオを見て、リアは目を疑った。 よくも参列できたわね。父は彼のせいで亡くなったも同然なのに。 グレゴリオが取引を中止した直後、父は心臓発作で倒れ、 家が差し押さえられ、婚約者もリアの前から去っていったのだ。 彼女は生活のため、ホテルのフロント係として働き始めるが、 偶然にもそこのオーナーは彼だった。いえ、本当に偶然なの? まだリアが婚約中に“きみをひと目見て欲しくなった”と、 強引に唇を奪われた夜のことは、今も忘れられない……。 そんなリアの動揺を見透かしたように、グレゴリオが囁いた。 「誤解を解きたい。きみは父親の死の真相を知りたくないか?」 大スター作家シャロン・ケンドリックに似た作風で人気を誇る、スター作家キャロル・モーティマー。彼女らしいいきいきとした人物描写が光る、珠玉のロマンスをお楽しみください。父の仇敵であるヒーローを憎みながらも強く惹かれるヒロインの選択とは?
両親も、すてきな服も、住む家も……。 何もない私に、幸せは訪れるの? 後見人の母娘に疎まれ、使用人も同然の生活に耐えるジェーンは、 幸せな結婚など夢のまた夢と、将来を悲観していた。 ある日、屋敷でハウスパーティが開かれることになり、 このうえなく優雅なスタワーブリッジ公爵が招待客としてやってきた。 遠くから見つめるだけで、ジェーンの心は躍った。 晩餐前のひととき、すさまじい色のドレスを着せられた彼女に 公爵が興味を示したことで、事態は一変するーージェーンは後見人から、 公爵の気を引こうとしたと責められ、屋敷を追い出されてしまったのだ! 困った彼女は公爵に請うた。「ロンドン行きの馬車にお乗せください」 あえなく拒まれたジェーンは、ならばと密かに荷車に乗り込んだ! 名門貴族スタワーブリッジ公爵と天涯孤独なシンデレラの身分違いの恋を描いた、キャロル・モーティマーの大ヒット・リージェンシー! ジェーンの必死の頼みを断った公爵の真意とは?
パーティでシャンパンを飲みすぎて前後不覚に陥った21歳のリリー。翌朝目覚めると、なんと見知らぬベッドの上にいた!バスルームでシャワーを浴びているのは、昨夜知り合った、精悍な顔だちをした年上男性パトリックだ。ああ、なんてことを!リリーは恥ずかしさから別れも告げず、あわてて自宅に逃げ帰った。そこで、はからずもパトリックの素性を知ることになる。彼は、リリーの父が経営する会社の取引銀行の頭取だった。あいにく父の会社は今、財政問題を抱えていて、彼に弱みを握られていた。その夜、彼女の家にパトリックが現れ、脅しまがいの驚くべき提案をした。「僕と結婚するんだ。さもないと、お父さんの会社は…」
数年ぶりに家族が顔を合わせることになった。複雑な思いをかかえて、吹雪のなか車を走らせていたメグは、あっと思った瞬間、誤って傍らの家の外壁に突っ込んでしまう。やむなく彼女は、一晩その家の主人ジェドの世話になった。彼はハンサムな外見に似合わず、世捨て人を連想させる男性だったが、翌朝、メグを実家まで送り届けてくれた。ジェドの顔を見るや父親が彼の素性を見抜き、家族は目を丸くした。彼が世界中に知られた作家のジェロード・コールだったなんて。おまけに彼は、メグと親しい間柄であるかのように振る舞っている。どういうつもり?事態はどんどんメグの手に負えない方向へーー。
ある日、イーデンのもとにイギリスから来客があった。疎遠な祖父の友人で、世界的なメディア王のジェイソン・アールだ。祖父が唯一の孫娘である彼女に会いたがっていると告げに来たのだ。ジェイソンはハンサムを通り越して、息をのむほど魅力的だけれど、高慢で、威圧的で、かみそりのような灰色の冷たい目をしている。それに、かつて父と母を引き裂いた冷血な祖父に会うつもりはないわ!説得を試みるジェイソンに、イーデンは反発した。「わたしは、あなたと関わりたくはないわ」ジェイソンは彼女の体を見回して嘲りの笑みを浮かべると、痛烈に言い放った!「ぼくは経験豊かな女性が好みだ。きみは失格だ」