著者 : ジェニファー・フェイ
幼い頃に父を、学校を卒業してまもなく母を亡くしたシルヴィ。今、ヴィラを改装したホテルでウエディングプランナーの仕事を得て、ようやく安らげる居場所を見つけたような気分を味わっていた。特に、経営者であるイタリア富豪エンツォのパリ出張に同行し、彼に純潔を捧げた夜は夢のようだった。密かな想いが実ったのだから。だが2週間後、シルヴィはエンツォの態度に戸惑っていた。彼はよそよそしいだけでなく、ホテルを閉める意向を示したのだ!家も仕事も恋も失う三重苦にさらされたシルヴィに、さらなる試練がー落馬事故で病院へ担ぎ込まれ、立ち会ったエンツォとともに、医師から驚きの一言を告げられた。「赤ちゃんの様子を診てみましょう」。
私は、お父さんの子じゃなかった…。ジアは色を失った。亡き母の日記とDNA鑑定で、自分は母の情事がもとで生まれたとわかり、ジアは矢も盾もたまらず、日記に書かれていた住所を目指した。たどり着いた大きな屋敷で、リカルドと名乗るハンサムな男性と出逢う。たくましい体がいやおうなく目に飛び込んできて、ジアは頬を赤らめた。屋敷の現在の主らしい彼と、たまたま敷地内に迷い込んだ犬を助けるうち、ジアはいつしか心を許し、父親を捜しに来たことを打ち明けていた。実の父がこの屋敷の前の持ち主かもしれないと思って尋ねてみると、リカルドの顔に緊張が走った。「僕のおじが住んでいた」つまり、リカルドと私は、いとこ同士なの?
買い物に出た両親が事故で帰らぬ人となり、ビアンカは茫然自失に陥った。そんな彼女を、さらなる衝撃が襲うー母が遺した日記によると、ビアンカは父の実の子ではないかもしれないというのだ。出自がわからなくなり、足元が崩れるような不安に苛まれながらも、ビアンカはウエディングプランナーの仕事に打ち込もうとする。そんななか出逢った、さる王国のレオことレオポルド皇太子に雇われ、彼の妹の結婚式を手がけることになった。準備に明け暮れるうち、黒髪と神秘的な瞳が魅力的なレオに日ごとに惹かれ、ある夜、ビアンカはとうとう彼に一夜の愛を捧げてしまう。やがて一国の王となるレオとの恋に、未来などないというのに…。
毎週水曜日、ペッパーは朝から落ち着かず期待に胸を高鳴らせる。彼女の小さなベーカリーに、サイモンというすてきな客が来店するから。出逢って5カ月近くがたったころ、彼が大企業のCEOと知って驚いた。ペッパーは8歳で母と死に別れ、その後、育ててくれた祖母も亡くなって天涯孤独となってからは店の2階を住まいに、つましく暮らしてきた。そんな自分には、サイモンは手の届かない遠い存在に思えたが、彼の会社のパーティを手伝った夜、二人の間の壁が崩れ、情熱が溢れた。だが、NYで最もセクシーで勢いのある実業家とされるサイモンとの恋は世間の注目を集め、ペッパーは彼に迷惑をかけまいと別れを告げる。ほどなく店と家を焼け出され、予期せぬ妊娠まで判明するとは…!
誕生日もクリスマスも独りぼっち。 もう一生恋はできないと思っていた……。 結婚直後、病に倒れた夫を失ってから2年間、 ステイシアはずっと悲しみにくれる孤独な日々を送っていた。 心配した兄から誕生日にプレゼントされた2週間の旅で、 兄の友人のギリシア富豪ロベルトに出会ったのは偶然だろうか。 普段なら、顔を合わせても冷ややかで他人行儀なだけなのに、 旅行中の彼はよく笑い、意外な一面にステイシアは目を奪われた。 それに、ハンサムなロベルトに熱い視線を注がれると胸が高鳴った。 だが、ステイシアは想像もしていなかった。 祖母が連れてきた見合い相手たちをかわしたいロベルトのために、 自分が結婚指輪をはずした指に、彼の提案で婚約指輪をつけるとは。 今作の邦題はHQ公式ツイッターの投票により決定しました! 好評いただいた『ギリシア富豪の完璧な人生』『聖母と星月夜のキス』の関連作です。旅が終われば、偽りの婚約も終わる。たとえ、ヒロインのヒーローへの想いだけは本物だったとしても……。
ウエディングプランナーのポピーは、姉夫婦を失った悲しみをこらえ、みんなが幸せな顔をしている結婚式で仕事に精を出していた。そのとき、彼女はハンサムなギリシア人男性からダンスに誘われる。さらに星月夜の下で唇も奪われ、彼にすっかり夢中になってしまう。ダンスが終わって、男性の名前がアポロだと聞くまでは。一度も姿を見せたことのない、亡き義兄の裕福な弟がなぜ私のもとに?「君のおなかの子はドラコス家の一員だ。僕がもらう」泣きそうになりながら、ポピーは自分の大きなおなかに腕を回した。子どもができなかった姉は、ポピーに代理出産を頼んでいた。姉との最後の絆は絶対に渡したくない。かなわぬ恋は忘れるのよ…。
ピンク色の線が2本。3回検査した結果は…妊娠だ。母親になると思うと、リーは過呼吸を起こしそうだった。ザンダーにも、父親になると伝えなければ。出会ってすぐに惹かれ、すべてを許したギリシア富豪の彼にも。だが赤ん坊ができたと聞くと、ザンダーは彼女の電話を切ってしまう。どういうこと?彼は評判どおりの、血も涙もない実業家なの?翌日、ヘリコプターで訪ねてきたザンダーは意外な提案をした。「一緒に暮らそう」しかし、リーの胸は痛くてたまらなかった。ザンダーは結婚を望まず、私がお金に困っていると知っている。彼の申し出は子どものため。その母親を愛しているからじゃない…。
だぶだぶの服でも、これ以上は妊娠を隠せない。クリスマスが近い冬の日、ノエミは一人で悩んでいた。それでも、マックスと過ごした一夜を思うとほほえみがこぼれた。あの神秘的な目に惹かれ、身も心も奪われたことは後悔していない。ただし、マックスは姓や連絡先さえ教えてくれなかったけれどー。あるとき、転びかけたノエミは自分を助けてくれた相手に我が目を疑う。その相手とはマックスで、しかも、彼はさる王国の皇太子だった!再会を喜ばれて、ノエミは思いきってあの夜に妊娠したと告白する。するとマックスは急に態度を変え、自分の前から消えろと言い放った。ノエミはわけがわからず、涙をこらえて立ち去るしかなかった。
母を早くに亡くしたセージは、父に愛されて育った。だがそれも、父が魔性の美女と再婚するまでの話だった。父の死後、継母は父の会社を奪い、セージを使用人並みにこき使って、あげくの果てに家から追い出した。以来、彼女は必死に生き、今は自分を拾ってくれた恩人の会社で身を粉にして働く日々だ。それでも、半年以内に結果を出さなければ仕事を失ってしまう。多忙をきわめるセージは秘書を募集し、トレイという男性を採用した。立派な経歴に、みごとな容姿、どこか謎めいた彼の正体を、そのときのセージはまだ知らなかったーじつのところトレイは、恩人の疎遠の息子、次期CEOで、彼女の成功を阻もうとしているとは!
著名な大富豪ディーコンに雇われ、住み込みの助手となったギャビー。出入りが許されるのは、彼女の住居部分と仕事部屋だけで、屋敷につながる扉には鍵がかけられ、雇い主は姿を見せない。仕事の指示は電話かメールのみ。もどかしさを感じていたある日、ギャビーは鍵があいていた隙に、扉の向こうへと足を踏み入れた。ついに現れた彼は、写真や映像で見たのとは別人のようだった。伸び放題のひげと髪に覆われて顔は見えず、その姿も声も、まるで野獣のようで、わずかにのぞく瞳は暗く陰り謎めいている。でもギャビーは不思議と恐れなかった。彼の心を開きたいとさえ思い、彼女はひたむきに一歩ずつ、信頼を得ていった。そしてあるとき、思いきって彼のひげ剃りと散髪を提案するとー。
パリで働くエレーナのもとに、ある日、幼なじみのルカが訪ねてきた。平民である自分と、公爵家に生まれて今や伯爵となったルカ…。エレーナは父の仕事柄、王侯貴族の子どもたちの近くで育ったが、いつも疎外感を覚え、昔からルカへの気持ちを抑える癖がついていた。しかし久々に再会し、エレーナの仕事の成功を祝って乾杯したふたりは、懐かしさとほろ酔いも手伝って、ついに一線を越えてしまう。やがて妊娠を知ったエレーナは、いずれ告げなければと思いつつも、言葉にできずにいたー独身主義の彼が家庭を望むわけがないから。そんなエレーナの気も知らず、ルカがとどめの一言を放った!「あの夜はしくじったと思っている。すべて忘れて友達に戻ろう」
社長フィンの仕事を手伝ったお礼に、ホリーは自宅での夕食に招かれた。以前より密かに惹かれていたこともあり、自然に彼と夜をともにする。だが独身主義の彼は、一度限りのことだと冷たく彼女を突き放した。ある日、新婚旅行へ行く社長秘書に代役を頼まれ、ホリーは急遽、フィンのカリブ海出張についていくことになる。そこで垣間見たのは、クリスマス嫌いを公言しながら、恵まれない子供たちに贈り物をする活動を始めた彼の優しさだった。これ以上好きになっても傷つくだけ。なのに、ますます惹かれてしまう。恋のジレンマに胸を痛めるホリーだったが、ある朝、突然吐き気を覚え、バスルームに駆けこんだーああ、まさか!