著者 : ベティ・ニールズ
英国の大人気作家のクラシック・ロマンス。 愛が煌めくクリスマス・アンソロジー! ハーレクインを黎明期から彩り鮮やかに盛り上げてきた英国の大人気作家ベティ・ニールズとアン・メイザーの豪華なクリスマス・アンソロジー! いずれも1970年代に書かれたクラシックなロマンスです。
ロンドンからスコットランド高地への旅は散々だった。イライザは雨に濡れながら、人里離れたロッジの玄関にたどりついた。こんな場所で、二人の教授が研究を続けているなんて信じられない。看護師のイライザは、彼らの手助けをするためにこの地を訪れた。きっと年老いた学者たちが、ここで実験に夢中になっているのだろう。ところがイライザの前に現れたのは、そんな予想を裏切る、端整な顔立ちにエレガントなスーツをまとった男性だった。戸惑うイライザに、彼は笑みを浮かべて言った。「きみはぼくの下でも働くことになるんだよ」彼こそがオランダから来たクリスチャン・ヴァン・ドイル教授。彼女に手伝いを頼んできた老教授のパートナーだったとは……。
貧しい看護師カロラインはオランダを旅行中に大怪我をし、近くの大 きな屋敷に運びこまれた。屋敷の主は男爵の称号を持つ医師、ラディ ンク。手当てこそ丁寧だが愛想はまるでなく、世捨て人さながらの生 活をしていた。彼の悲しい過去を知り、胸を痛めるカロラインは、突 然ラディンクに「僕と結婚してくれないか」と告げられて、仰天する。
彼は私を嫌い? それとも、好き? わからなすぎて、眠れない……。 ロンドンの病院に勤める看護師のオーガスタは23歳。 最近、コンスタンティンという気になる男性に出逢った。 入院患者の見舞客で、金髪に青い瞳がとてもハンサムだ。 彼はオーガスタの赤銅色の髪を見て、 「にんじんみたいな髪は好きじゃない」と言いながらも、 見たことがないほどたくさんのチューリップをくれた。 別れ際にキスまでしたのに、彼はそれきり姿を見せなくなった。 入院患者の病室にいた美女が彼の恋人だと思っていたオーガスタは、 彼の気持ちを量りかねた。もう会えないなら、いっそ彼を忘れよう……。 それなのに、数日後、大おばを訪ねたオランダで再会してしまうとは! 《ベティ・ニールズ・コレクション》より初再版される本作は、不朽の名作『赤毛のアン』を彷彿とさせる優しくて瑞々しい筆致で描かれた初恋物語。「おやすみ」とヒーローにキスされたヒロインは、どぎまぎさせられたまま、眠れぬ夜を過ごすのでした……。
たとえ友情でもかまわない── あなたの隣にいられるのなら。 掃除、洗濯、買い物、料理……すべての家事をこなしながら、 セリーナはもう何年も、わがままで気難しい父の世話をしてきた。 26歳の誕生日、彼女が休息を求めて近くの丘にのぼると、 いつもは誰もいない頂上に、見知らぬハンサムな男性がいた。 なぜか初対面の彼に親しみが湧いておしゃべりに興じるが、 気づけばセリーナの心はほぐれ、笑顔を取り戻していた。 その後すぐ父が心臓発作で倒れ、主治医と共に現れた医師、 ファンドーレンを見て、彼女は驚く──丘の上の想い人だった! 父の死後に家を失い、仕事もなく追いつめられたセリーナは、 ファンドーレンから思いがけず“友情結婚”を申し込まれて……。 貧しくとも純粋で気高い心を持つヒロイン。ヒーローと結婚したものの、友情だけでは満たされなくなり、彼を愛し始めていることに気がついて……。大スター作家ベティ・ニールズの真骨頂! 切ないシンデレラ・ロマンスをお楽しみください。
逆境に耐えて生きる娘に、 突然のプロポーズをしたのはーー ロンドンで見習い看護師をしていたフィーベは、 病気の叔母の面倒をみるためサフォーク州の村へやってきた。 口うるさく偏狭な叔母の世話は苦労つづきだったが、 主治医ジョージの温かな見守りと励ましのおかげもあり、 なんとか最期まで看取ることができた。 ところがその直後、フィーベに思わぬ災難が襲いかかる。 叔母が財産をすべて寄付したため、住む家を失ってしまったのだ! 看護の勉強をやめてまで来たのに、1ペニーも遺してくれないなんて……。 呆然とするフィーベに、ジョージが突然、驚くべき言葉をかけた。 「僕らが結婚するのがいちばんいいと思うんだ」 ろくに互いのことを知りもしないのに、いきなり結婚だなんて……。フィーベはジョージの申し出に戸惑い、こんなときに相談できる誰かがいたらと、天涯孤独の身を嘆きます。でも、時間をかけて幸せな夫婦になろうと言う彼を信じ、プロポーズを受けることにーー
十人並みの器量だが賢さではきょうだいで一番のポリーは、学術書の手書き原稿を清書するアルバイトに応募し、採用された。ところが雇い主の友人で“教授”と呼ばれる医師サムの登場により、楽しいはずのアルバイトはとたんに緊張の連続となった。ある日、雇い主が突然の病で亡くなり、故人の遺志を継ぐため、ポリーがサムの屋敷に住み込んで清書を完成させることになったのだ!サムは気品があり、とてもハンサムだが、いつも不機嫌そうだ。彼と同じ家に住み、美しい婚約者から冷たい目で見られるのに耐えられず、ポリーは急いで仕事を終えると屋敷をあとにした。だがサムとの再会は、新しい職場となった病院で、不意に訪れたー
運河の町で恋をした。 思っていたのとまったく違う人に。 派遣看護師のコンスタンシアは仕事先のオランダで、 イエルン・ファン・デル・ヒーセンという医師と出会った。 年上のドクターは優しく穏やかで、笑顔がすてきな男性だ。 一緒にいると心が安らぎ、いつしか彼女は恋に落ちていた。 人づてに聞いた話では、彼は決して裕福ではないようだけれど、 コンスタンシアはむしろそのほうがいいと思っていた。 これまでに会ったお金持ちは皆、心が貧しく不幸な人ばかりだった。 お金なんてなくていい。ささやかな幸せのほうが大切なのだから、と。 しかし、コンスタンシアはまだ知らなかった。 まさかドクターが本当は、お金持ちの男爵だったとは……。 オランダの雇い主にくびにされたコンスタンシアが荷物を持って街を歩いていると、気づかない間にパスポートや所持金の入ったバッグを盗まれてしまいます。途方に暮れているところへ現れたのは、彼女が密かに心を寄せるドクター・ファン・デル・ヒーセンで……。
この恋は、神様のごほうびかもしれない。 ひたむきに生きるシンデレラの物語! 唯一無二の作風で今なおファンを増やし続けるベティ・ニールズ。そんな奇跡の作家による珠玉作のほか、ひたむきに生きる働き者のヒロインの恋物語を収録したシンデレラ・アンソロジーをどうぞ!
手術室専属看護師長のアミリアは27歳。やりがいのある仕事と良い仲間に恵まれ、充実した毎日を送ってはいるものの、唯一、婚約者のことで気を揉んでいた。昇進と倹約には熱心だが、結婚はおろか、そもそもアミリア本人に無関心すぎるのだ。釣り好きの父に誘われた北欧への3人旅も、結局彼は父娘を残し、仕事を理由に先に帰国してしまった。もう諦めるしかないの?そんなとき旅先で出会ったのが、ハンサムな医師ギデオンだった。父と同じ釣り好きで話は弾み、気遣いのできる穏やかな彼に、アミリアは急速に惹かれていく。でも…私には婚約者がいるわ。お見通しだと言わんばかりに彼が呟いた。「僕と結婚すればいい」
一つ屋根の下で暮らすなんてーー たった2回会っただけの彼と。 牧師の娘のプルーデンスは今夜、一大決心をしていた。 仕事にかこつけて4年も待たされた婚約を破棄するのだ。 身勝手な婚約者には、結婚はやめて職に就くと伝えるつもりだけれど、 まだ働くあても見つかっていないのに、どう言えばいいだろう? 悩むプルーデンスに、意外な人物から声がかかる。 義弟の親友のオランダ人医師ベネディクト・ファン・フィンケに、 身の回りの世話をする住み込みの助手になってほしいと言われたのだ。 渡りに船とばかりに、プルーデンスは申し出を受けることにした。 いくらベネディクトが理知的ですてきな男性とはいえ、 ほとんど知らない彼とオランダへ行くことに一抹の不安を覚えながら……。 やさしく穏やかでどこか懐かしい、唯一無二の作風が世界中に愛され続ける大スター作家ベティ・ニールズが描いたシンデレラ・ストーリーをお贈りします。本作は、長い旅の果てにたどりついた中世の城、ウォリック城でのヒーローの告白が感動を呼ぶ名作です!
麗しの白鳥だったら、すてきな恋ができる。 醜いあひるの子は今日も夢を見る……。 もしも私が白鳥のように優雅で美しい女性だったら、この人生はどれほど違うものになっていただろう? ついそんな空想をしてしまうのが乙女心というもの。叶うはずもない恋に悩む醜いあひるの子ヒロインの物語を集めた、ピュアなシンデレラ・アンソロジーです。
恋人にプロポーズされると思って食事に出かけた看護師のアレシーア。だが、用件は週末泊まりがけで遊びに行こうというもので、いいかげんなつき合いはできないとつっぱねると、怒った相手は勘定もすませないままレストランに彼女を置き去りにした。どうしよう。給料日前の私がフルコース2名分なんて払えるはずもない。待てど暮らせど恋人は戻ってこず、いよいよ切羽詰まったアレシーアは、不意に現れたオランダ人紳士サレ・ファン・ディーデレイクに救われる。彼はアレシーアに代わってそつなく勘定をすませ、寮まで送ってくれた。そのとき彼女はまだ知らなかったー翌日病院でサレと再会することも、彼から子供たちの母親になってほしいとプロポーズされることも。
彼の瞳も、唇も、私を嫌っている。 そう思っていたけれど……。 小児病棟の看護師長で働き者のアニスは、心機一転したくて、 ノルウェーの北の果ての島に暮らす弟の誘いに応じることにした。 そこで働いていた料理人兼看護師の代わりを務めてほしいというのだ。 弟の仕事仲間たちはアニスを大歓迎してくれたが、 一緒に働く医師ヤーケ・ファン・ヘルメルトだけは、 無愛想でそっけなく、アニスとはろくに言葉を交わそうともしない。 初対面のときから彼の瞳は冷たく、声には嘲りのような響きがあった。 こめかみに白いものがまざってはいても、整った顔だちはすてきなのに。 しかたがないわ。無関心を装うアニスはまだ気づいていなかったーー ヤーケこそが、彼女が心から夢中になれる男性だということに。 白夜の国ノルウェーを舞台に、唯一無二の作家ベティ・ニールズが揺れ動く恋心を描いた名作をお贈りします。北欧の厳しい自然にも似た、大柄でがっしりしたヤーケの黒い瞳は氷のようで、口元も険しい……。そんな彼の心情を想像しながら読む楽しさは格別です。
ずっと独りで生きてきた。だから、 この胸の温かさの意味がわからなくて。 ロンドンで10年間働いてきた身寄りなき看護師ヘンリエッタは、 ある日、ほとんど会ったことのない伯母から遺産を譲り受けた。 それはオランダのとある村に立つ、城下の小さな家だった。 もうすぐ20代が終わるというのに、私には何かを遺す相手もいない……。 一抹の寂しさを抱えながら、ヘンリエッタは古びた愛車で現地へ向かった。 みぞれ降る中ようやく到着したのは夜で、家は暗闇に包まれていた。 そこで城の主で地主でもあるマルニクス・ファン・ヘッセルと出逢う。 背が高く、かなり年上だけれど魅力的な彼はしかし、横柄に告げた。 「私がここを貸す権利を持っているのだと思いなさい」 あれこれ指図する彼に腹を立てつつも、彼女の胸はぽっと温かくなり……。 ロンドンでの安定した生活を捨て、見知らぬオランダの地に飛び込んだヘンリエッタ。独りで生きることに慣れっこの彼女は、新しい暮らしも自分で築いていくつもりでしたが、近くの城に住む不機嫌な貴族のマルニクスがなぜか世話を焼いてくれて……。
彼なんて嫌いよ。 それとも……好きなの? 祖母の旅行のつき添いをすることになったロージー。 口やかましい祖母のお供をするのは気が重いが、 故郷であるスコットランド高地への列車の旅は楽しみだった。 だが途中、立ち寄ったホテルの裏庭で祖母が転んで足を痛め、 二人はやむをえずツアーを抜けてそのホテルにとどまることに。 往診に駆けつけたのは、ドクター・キャメロン。 医師としての腕や患者の扱いは見事なものだが、 無愛想な態度を見て、ロージーの胸は波立つ。 祖母に向けた彼の笑顔はとても魅力的なのに……。 中毒性の高い唯一無二の静かな作風で、時を経ても色褪せることなく読者を魅了し続ける、不滅の大スター作家ベティ・ニールズ。大人気設定の一つ、つれないドクターと奥手なヒロインの恋物語を、どうぞご堪能ください。
父親の遺言が明かされると、ユーフィーミアは衝撃を受けた。父には借金があり、家族の愛する家が抵当に入っているというのだ。悩んだ末、ユーフィーミアは家を貸すことにした。家賃収入を抵当の支払いに充てれば、大切な家を手放さずにすむ。だが、ようやく見つかった借り手は、思いもよらない人物だった。なんと、父親の最後の治療をめぐって激しく対立したオランダ人医師、ドクター・ファン・ディードレイク。傲慢で無礼な彼とかかわるのはひどく不愉快だが、契約さえ交わしてしまえば、顔を合わせることもないだろう。ユーフィーミアのそんな期待は、ほどなく裏切られる……。
小さな宿を独りで切り盛りするアマベルが突然の嵐に心細い思いをしていた夜、オリヴァーという医師が部屋を求めてやってきた。彼の気さくで温かい人柄に安心感を覚えた彼女は、人生で初めて男性に憧れを抱いた。ある日、孤独に苛まれたアマベルが将来への不安に人知れず涙していると、そこへ偶然オリヴァーがやってきて…。(『聖夜に祈りを』)。薄暗い地下の使用人部屋で暮らす執事の娘アンジーは、屋敷の主の跡継ぎレオが妻子を亡くしたとき、慰めたい一心で彼に寄り添い、情熱を交わした。だが妊娠がわかると、出自不詳の子を孕んだ女呼ばわりされて追い出されてしまう。レオも、実の父も、かばってはくれず…。2年後、幼子を育てる彼女の前に、レオが現れた!(『永遠のイブ』)。イアンだわ!クリスマスの集まりで、ジュリアはずっと想いつづけてきた美しい貴公子を見つけて思わず声をあげた。4年ぶりの再会。彼は事故で瀕死の傷を負って以来、社交界から姿を消していた。ジュリアは喜び勇んで駆け寄ったが、彼の手には杖が握られ、顔も堅苦しいまま。まぶしかったあの笑顔はどこへ行ってしまったの?(『秘めつづけた初恋』)。