著者 : マーク・トウェイン
「さあ、いいか、これでオレは地獄行きだぁ!」 トム・ソーヤーとの冒険で大金を得たハックは、まっとうな生活を送っていたけれど、金目当ての飲んだくれの父親が現れた! ハックは黒人奴隷のジムとともに、筏でミシシッピ川を下る冒険に出かける! トウェインのあの名作を、生き生きした新しい訳で読み直してみませんか? 描き下ろしのイラスト多数掲載!
おとなになっても止まらない ワクワクドキドキを再発見! マーク・トウェインのあの名作を 何度でも読み直しませんか? 生き生きした、新しい訳で! ================= 「著者マーク・トウェインが「はじめに」で、本作は少年少女を対象にしているが、大人たちにも読んで欲しい、と述べている。実際、この「はじめに」の文章にも、子どもが読むと「そうなの」と思うだけだが、大人が読めばなるほど「うまい」と感心する、著者の博識ぶりを示す箇所がさりげなく織り込まれている。つまり子どもが読んでも十分面白いが、大人が読めばこの本の神髄がわかる、よってこの本は重層的に書かれていて、各知識レベルでそれぞれ楽しめるように仕組んだ、と言っているようだ。」 (「訳者あとがき」より)
★柴田元幸氏がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行。 ●オリジナル・イラスト174点収録 ●訳者 柴田元幸氏の作品解題付き(2017年、第6回早稲田大学坪内逍遙大賞受賞) 「トム・ソーヤーの冒けん」てゆう本をよんでない人はおれのこと知らないわけだけど、それはべつにかまわない。あれはマーク・トウェインさんてゆう人がつくった本で、まあだいたいはホントのことが書いてある。ところどころこちょうしたとこもあるけど、だいたいはホントのことが書いてある。べつにそれくらいなんでもない。だれだってどこかで、一どや二どはウソつくものだから。まあポリーおばさんとか未ぼう人とか、それとメアリなんかはべつかもしれないけど。ポリーおばさん、つまりトムのポリーおばさん、あとメアリやダグラス未ぼう人のことも、みんなその本に書いてある。で、その本は、だいたいはホントのことが書いてあるんだ、さっき言ったとおり、ところどころこちょうもあるんだけど。 それで、その本はどんなふうにおわるかってゆうと、こうだ。トムとおれとで、盗ぞくたちが洞くつにかくしたカネを見つけて、おれたちはカネもちになった。それぞれ六千ドルずつ、ぜんぶ金(きん)かで。つみあげたらすごいながめだった。で、サッチャー判じがそいつをあずかって、利しがつくようにしてくれて、おれもトムも、一年じゅう毎日(まいんち)一ドルずつもらえることになった。そんな大金、どうしたらいいかわかんないよな。それで、ダグラス未ぼう人が、おれをむすことしてひきとって、きちんとしつけてやるとか言いだした。だけど、いつもいつも家のなかにいるってのは、しんどいのなんのって、なにしろ未ぼう人ときたら、なにをやるにも、すごくきちんとして上ひんなんだ。それでおれはもうガマンできなくなって、逃げだした。またまえのボロ着を着てサトウだるにもどって、のんびり気ままにくつろいでた。ところが、トム・ソーヤーがおれをさがしにきて、盗ぞく団をはじめるんだ、未ぼう人のところへかえってちゃんとくらしたらおまえも入れてやるぞって言われた。で、おれはかえったわけで。 ーーマーク・トウェイン著/柴田元幸訳『ハックルベリー・フィンの冒けん』より
トム・ソーヤーとハック・フィン、ふたつの冒険を同時収録!ほかにも世界初の指紋捜査小説やコミカルな紀行文など、アメリカ文学の金字塔たる、自由で多才な魅力がたっぷり。
トウェインの技の凄さが詰まった一冊! アメリカ人のユーモアを愛する心に応える幻の名著(「ストームフィールド船長の天国訪問」)の全訳と、とっておきのユーモア短編(初訳)で編む! 「マーク・トウェインといえば、なんといってもそのユーモアで有名なはずなのだが、日本ではその面白さが本当に伝えられているだろうか、本当に上手く紹介されてきているだろうか、という疑問がこの企画の出発点だった。彼の絶妙なユーモアを伝えるのはそう簡単なことではないと考えていたからだ。」(「訳者あとがき」より) 良い女の子へのアドヴァイス 【解説】“Advice for Good Little Girls”(1865年) フィッツ・スマイスの馬 【解説】】“Fitz Smythe’s Horse”(1866年) わけあり文章の解説 【解説】“Explanation of a Mysterious Sentence”(1866年) ライリー──新聞特派員 【解説】 “Riley-Newspaper Correspondent”(1870年) あるインタヴュー 【解説】 “An Encounter with an Interviewer” (1874年) 穴開けて、さあさあみんな、穴開けて 【解説】 “Punch, Brothers, Punch”(1876年) 洗礼式のほら話(ハートフォード土曜早朝クラブ) 【解説】“The Christening Yarn”(1889年) そぞろ旅の気ままな覚書 【解説】“Some Rambling Notes of an Idle Excursion”(1877年) ストームフィールド船長の天国訪問 【解説】“Captan Stormfield’s Visit to Heaven”(1870年) 訳者あとがき
グロテスクで残酷な笑いと悪夢の物語── マーク・トウェイン晩年の幻の「傑作」、本邦初訳! 南北戦争前のアメリカ南部の田舎町インディアンタウン。 〈嘘〉をつくことによって果てしなく堕ちていく町の名士。 恐怖と笑いが入り混じる独特の筆致で浮かび上がる、 トウェインの鋭い人間観察と、同時代アメリカへの批判的精神。 晩年期の1899〜1906年にかけて長く断続的に書き継がれた 未発表作品『それはどっちだったか』。 19世紀の人種問題を背景の一部にした暗く苦い物語は、 一般的な明るいイメージのトウェイン像を大きく裏切る異色の作品であるが、 盛期から晩年に至る作家の歩みを凝縮した「隠れた代表作」と言える。 トウェインが執筆にかけた年数と分量から、無視できない作品であるにも かかわらず、国内外で長く黙殺されているトウェインの幻の「傑作」を、 丁寧な「解説」とともに紹介する。 原型となった短編「インディアンタウン」(1899)も収録(本邦初訳)!
現代アメリカ文学の父と謳われ、「トム・ソーヤー」「ハックルベリイ・フィン」の物語を生み出した冒険児マーク・トウェイン。その名を一躍世に知らしめた表題作「ジム・スマイリーの跳び蛙」をはじめ、生涯にわたって発表した短編小説、エッセイ、コラム記事の中から、トウェインの真骨頂である活気に溢れ、ユーモアと諷刺に満ちた作品を収録する。柴田元幸が厳選した13編の新訳!
トム・ソーヤーとの冒険で大金を得た後、学校に通い、まっとうな(でも退屈な)生活を送っていたハック。そこに息子を取り返そうと飲んだくれの父親が現れ、ハックはすべてから逃れようと筏で川に漕ぎ出す。身を隠した島で出会ったのは主人の家を逃げ出した奴隷のジムだった…。
ジムとの筏の旅には危険が一杯。さらに途中で道連れとなった詐欺師どもは厄介事ばかり引き起こす。だがハックを本当に悩ませていたのは、おたずね者の逃亡奴隷ジムをどうするかという問題だった。そして彼は重大な決断を下す。アメリカの魂といえる名作、決定訳で登場。
ハックとジムは自由州への上陸に失敗。おまけにペテン師の王様と公爵まで背負いこんでしまった。筏の旅はなおも続く。-ヘミングウェイをして「現代アメリカ文学の源泉」とまで言わせたこの傑作を、練達の訳文に初版本の楽しい挿絵を豊富にちりばめて贈る。
洋々たるミシシッピーの流れに乗って筏の旅を続ける陽気な浮浪児ハックと逃亡奴隷ジム。辺境時代のアメリカの雄大な自然と活力溢れる社会をバックに、何ものにもとらわれずに生きようとする少年と、必死に自由の境涯を求める黒人の姿をユーモラスに描く。
ある日突然村に現れた44号と名乗る少年には、並外れた腕力の他に、他人の心を読み、時空を旅するという信じられない能力が隠されていた。同名異本も存在するが、本作はトウェインの手による決定版の完訳!
没後100年のマーク・トウェインが遺した極上のミステリー。南北戦争前の米国。まだ奴隷制度があった中西部のミズーリ州で、白人と黒人奴隷の赤ん坊が故意に取り替えられ23年もの間、その事実は伏せられていた。しかし、ある殺人事件をきっかけにその衝撃の事実が明らかにされていく。
アメリカ人ハンクが昏倒から目を覚ますと、そこは中世アーサー王の時代だった! 現代科学の知識で魔術師マーリンに対抗し次第に王宮での地位を固めていくが……SF小説の元祖とも呼ばれる幻の名作!
わんぱく少年トムは、宿なしっ子ハックを相棒に、騒動を巻き起こす。海賊気どりの家出、真夜中の殺人の目撃、洞窟で宝探し、そして恋。子供の夢と冒険をユーモアとスリルいっぱいに描く、少年文学の金字塔。
自由と開放の地を求め、相棒の黒人ジムとミシシッピ川を下る筏の旅に出るハックルベリ。様々な人種や身分の人々との触れ合いを通して、人間として本当に大切なもの、かけがえのない真実を見出してゆく。
乞食のトム・キャンティとウェイルズ王子。戯れに衣服を交換すると、王子は乞食として追い払われ、乞食は王子と誤解される羽目に……。子供の姿を通して富と貧困と心の尊さの根源を説く、マーク・トウェインの傑作。
少年は自由を求めてーマーク・トウェインの最高傑作、本邦初の完全版!!1990年、トウェイン幻の自筆原稿が新たに発見されたー初版でやむをえず割愛された「筏のエピソード」も含め、関連資料をすべて駆使しての完訳版。187点の挿絵もすべて収録。トウェインの意図を忠実に再現した、これぞ本当の「ハックルベリ・フィン」。
“ソクラテスになったマーク・トウェイン”。老人と若者との対話形式で、近代社会を支える人間存在を、自らの欲望で動く「機械」にすぎないと断言するパラドックス的人間論。作者晩年の代表作でペシミズムの影が現れた哲学的な作品。
ハックルベリー・フィンの冒険 (下) 第二十四章 王に扮したジム──客を拾う──情報を仕入れる──一家の不幸 第二十五章 あの人たちがそうかい? ──賛美歌を歌う──正々堂々──とむらいの騒乱──まずい投資 第二十六章 教会へ行く王様──王様つきの牧師──娘の謝罪──部屋にかくれて──ハック金袋を奪う 第二十七章 葬式──好奇心を満足させる──ハックを怪しむ──薄利速売 第二十八章 イギリスへの旅──「けだものめ!」──メアリー・ジェーンの家を出る決心──ハックとメアリーの別れ──おたふくかぜ──強敵出現 第二十九章 どちらが本物か──王様の弁明──筆蹟の問題──遺体を掘り出す──ハック逃げ出す 第三十章 王様ハックに飛びかかる──王様と公爵の争い──すっかりごきげん 第三十一章 恐ろしい計画──ジムの消息──今までの思い出──羊の話──貴重な知らせ 第三十二章 静かで日曜日みたい──人ちがい──絶体絶命──板ばさみ 第三十三章 黒んぼ盗人──南部のもてなし──長い食前のお祈り──タールと羽根 第三十四章 灰汁だるのそばの小屋──とんでもねえこと──避雷針を登る──魔女に悩まされて 第三十五章 本式の逃げ方──陰謀──盗みにもいろいろある──深い穴 第三十六章 避雷針──けんめいに登る──子孫への頼み──何億万ドル 第三十七章 最後のシャツ──おじさんウロウロ──出航命令──魔女パイ 第三十八章 家紋──監督の名人──うれしくない名誉──涙ぐましい話 第三十九章 ネズミ──にぎやかな寝台の仲間たち──わら人形 第四十章 釣り──警防団──全力疾走──ジム、医者をすすめる 第四十一章 医者──サイラスおじさん──ホッチキスさん──サリーおばさんの悩み 第四十二章 トム・ソーヤーの負傷──医者の話──トムの告白──ポリーおばさんの到着──その手紙を出しなさい 最後の章 奴隷から自由へ──囚人の代金──さよなら、ハック・フィンより 解 説 訳 注