著者 : ミシェル・リード
名家で働く使用人の娘レベッカは、御曹司ジェイにかわいがられて育った。 16歳の夏、ジェイへの憧れは愛となってついに身も心も捧げたが、 小さな命を宿したとわかったとき、親たちの反応は厳しかった。 ジェイの父は、息子は認知しないと言っていると主張し、こう告げた。 「金をやるから、今すぐここから出ていって、処分しろ! ぐずぐずしていたら、おまえの母親を首にしてやる」 レベッカは信じられない言葉の数々に傷つき、打ちのめされ、 母を残したまま、身重の体で故郷をあとにしたのだった……。 あのとき授かった子を、独りで育てるレベッカのもとに、 10年後、悲痛な知らせが届く。“母危篤、連絡乞う。ジェイ” 大スター作家リン・グレアムと同じ時期にロマンス小説家となり、ともにトップを走ってきたミシェル・リードの、日本デビュー作をリバイバル。十代の頃のつらい仕打ちを、忘れたくても忘れられぬまま時を重ね、いま再び……。珠玉のシークレットベビー物語!
ナターシャは幸せの絶頂から奈落の底に突き落とされた。 結婚式を控えたある日、婚約者の浮気現場にでくわしたのだ。 しかもあろうことか、相手は自分の妹……。 パニックに陥って、その場を逃げだした彼女を追ってきたのは、 ギリシア人大富豪レオ・クリスタキスーー婚約者の義兄だった。 ところがレオは、ナターシャに同情したわけではなかった。 義弟と共謀して金を横領した娼婦だとののしったあげく、 うろたえる彼女を驚愕させるようなことを言いだした。 全額返済するまで、愛人として君を拘束するーーと。
受話器から冷たく傲慢そうな夫の声が聞こえてきたとたん、 キャサリンは後悔した。なぜ電話してしまったのかしら? 夫のビートと別居して3年になるが、二人のあいだに、 いまだ愛憎の炎が熱く燃えさかっている事実に彼女は愕然とした。 富と容貌に恵まれたビートの周囲には常に女性の影がつきまとい、 キャサリンはさんざん苦しめられた。でも、彼は息子の父親だ。 息子のことで相談できるのはビートしかいないのだ。 結局二人の話し合いは決裂し、キャサリンは失望するが、 翌朝、彼女の家の前に興奮冷めやらぬ様子のビートが現れて……。
ある日かかってきた、夫ダニエルの浮気を告げる1本の電話ーその瞬間、レイチェルの世界は粉々に砕け散った。ダニエルは金融界に名を轟かす、敏腕の会社経営者。仕事は常に忙しく、家を空けることも幾晩もある。17歳で彼と結婚し、あまり世間を知らないレイチェルは、疑いもせず、子供の世話をしながら毎日彼の帰りを待っていた。それなのに彼が本当は浮気していたなんて、何かの間違いよ。レイチェルは淡い期待にすがろうとした。だが帰宅したダニエルは、妻の疑いを否定しようともせず、強引に体を奪おうとして…。
親友ビアンカの結婚式に招かれ、エリザベスはミラノを訪れた。 結婚前のパーティが続いたある夜、 ビアンカの婚約者ーー巨大銀行を率いるルチアーノの魅力に屈し、 エリザベスは彼にキスを許してしまう。 こんなの親友への裏切りだわ! 彼女は自分を激しく責めた。 ところが挙式直前、エリザベスの兄がビアンカと駆け落ちするという、 とんでもない事件が持ちあがった。 兄は会社の金を横領したうえに花嫁を連れ去ったらしい。 「兄さんを刑務所に送りたくないなら、僕と結婚しろ」 脅迫めいたルチアーノの求婚に、エリザベスはなす術もなかった。 ヒーローに追いつめられ、やむなく彼と結婚式を挙げたエリザベス。盛大な結婚披露パーティのあと、行き先も知らされないまま自家用ジェット機に乗せられてハネムーンへと……。圧倒的な人気を誇るミシェル・リードのドラマティックな展開に目が離せません。
サマンサは1年前の事故のせいで、記憶の全てをなくした。首飾りに刻んであった名前も、住んでいた場所さえ覚えていない。どうして事故に巻き込まれたかすら。ある日、不意に現れた大富豪に「僕の妻だ」と抱きしめられて、見覚えがあるはずもない彼女は、怯えて卒倒してしまう。だが、アンドレと名乗る夫に甘くキスをされると記憶が疼くのだ。忘れたはずの過去が、また例の痛みを伴って全身を引き裂く。記憶を失う寸前まで、サマンサは壊れた人形だった。そしてー過去を抹消することが“彼”を拒絶する唯一の方法だった。
3年ぶりのフレイアは変わらず美しく、エンリコは心を乱された。かつてフレイアは、大企業の社長であるエンリコのもとで働き、彼の豪邸に住み、彼のベッドで眠った。だが全ては偽りだった。あの日、出張から帰ったエンリコが見たのは、彼のベッドで、半裸のフレイアに覆いかぶさるいとこの姿。屈辱の光景がいまも脳裏に焼きついて、怒りに胸がたぎる。優しい美貌の裏に、人をも欺く心が潜んでいたとは…。ふと、エンリコは彼女の側に小さな男の子がいるのに気づいた。彼は我が目を疑った。あれは僕の子か?それともいとこのー
アニーがカバーモデルを務める高級モード誌が、 世界的な宝飾デザイナー“エダマス”との契約に成功した。 だが素顔が謎に包まれた彼は、一つの条件を提示してきた。 撮影は彼が指定する地で、極秘裏に行うこと。 不安を覚えつつも、アニーは指示どおりに飛行機を乗り継いだ。 そうしてたどり着いた孤島には、思わぬ人物が待っていたーー 先日、あるパーティで怒りに満ちた視線を浴びせてきた謎の男。 まさか、あの人が“エダマス”だったなんて! 驚くアニーに、君を呼んだのは復讐のためだ、と彼は告げた。
両親が事故死し、ゾーイはまだ赤ん坊の弟とともに遺された。だが悲しみに暮れる間もなく、驚くべき事実が明らかになる。ゾーイは、さるギリシアの大富豪の正統な孫だったのだ。突如として見ず知らずの老富豪の遺産相続人となった彼女は、一躍、時の人となり、自宅は大勢のマスコミに囲まれた。そんなときゾーイを訪ねてきたハンサムなギリシア人実業家アントン・パリスは、ゾーイの祖父の後継者とされる人物だという。まさか弟を奪いに来たの…?ゾーイが問いを口にするより早く、アントンはマスコミの前で彼女に熱く口づけると、弟もろとも、さらうように自家用ジェットで飛び立った。
ジョアンナと金融界を牛耳るイタリア人銀行頭取りサンドロ。二人の結婚生活が壊れたのは、ジョアンナのせいだ。誰にも言えずにいる、あの忌まわしい過去のせいで、愛していたのに、どうしても夫に体を許せなかったのだ。いたたまれず家を出て、妹と暮らすようになったが、その妹も今は死に、葬儀代を工面できなかった彼女は、雇主に金を借りた。そのせいで、しつこく関係を迫られている。追いつめられたジョアンナが、やむをえず夫に電話をすると、久々に聞くセクシーな彼の声は告げた。「5時に。1時間だけ」
エヴィの恋人の名はシーク・ラシード・アル・カダー。父の跡を継いで国を統治し、いずれ一族の女性を妻にするという定めを負った、見惚れるほど美しいアラブのプリンスだ。ラシードの立場を慮り、身ごもっていることを打ち明けるのをためらっていたエヴィだったが、いつものように抱きあい、甘美なひとときを過ごしー妊娠したことを告げると、冷たいまなざしでラシードに、「赤ん坊は僕の子か」と突き放されて、エヴィは青ざめた。しかも追い打ちをかけるように、彼の婚約を知らされ…。
大富豪ロークの妻として幸せに暮らしていたアンジーは、 1年前に夫の浮気を知って家を飛び出し、今は独りで暮らしている。 ある日、アンジーの弟がやってきて、驚愕の事実を告げた。 ロークの口座で決済されるアンジーのカードを無断で使い、 インターネットの株取り引きで莫大な額の損失を出したというのだ。 それを知ったロークが、アンジーに会いに来いと言ってきた。 いちばん顔を合わせたくない相手に弱みを握られてしまったーー 屈辱をこらえ、お金は少しずつ返すと訴えるアンジーだったが、 ロークはからかうような冷笑を浮かべ、妻を抱き寄せてささやいた。 「きみを呼んだのは、このためだ」 ポルトガル人の夫が妻を呼び戻した理由ーーそれは、あまりに残酷で甘美な復讐のためだった! 寡作ながら、HQロマンスで絶大な人気を誇るミシェル・リードの夫婦元さやロマンスです。
カルロが亡き姉の忘れ形見を引き取ると言い出して、1年。カサンドラは姪を連れ、あてどなく街から街へと移り住んでいた。あの日、妊娠を伝えた姉に、中絶費用を送りつけてきたカルロ。無言の侮辱に耐え、姉は出産したが、そのときの非情な仕打ちを思い返すだけで腸が煮え返る。そんな男に姪を渡す気はない。海から少し離れたところに宿をとっていたカサンドラは、浜辺から戻ってくるなり、フェラーリに気づいてふと足をとめた。車から、一分の隙もない身のこなしの男性が降りてきたからだ。それは、冷酷な人でなしー大富豪カルロ・バレンティだった。
フランコが瀕死の重傷ですって!? レクシーは別居中の夫の父親から連絡を受け、凍りついた。 フランコの家を出てから3年半。離婚を考えていた矢先だった。 すぐにイタリアの病院へ向かったレクシーは、 変わり果てた姿の夫と対面し、しばらく付きそうことを約束する。 だが翌日、フランコが彼の親友の妹といるところを目撃し、 レクシーの胸にかつての苦い記憶が甦った。 彼女とフランコが親密にしている1枚の写真──それこそが、 別居に至った原因だったのだ。レクシーは、立ち去ろうとするが、 怒りに燃えたフランコが、点滴を引き抜き追ってきて……。 ミシェル・リードらしい大富豪夫妻のドラマチックな再生の物語をお贈りします。愛し合っているふたりを試すかのように、次々と予想外の試練が襲いかかり……。邪悪な脇役に要注目です!
会社が倒産寸前に追いこまれ、ニーナの父は心労で倒れた。父の会社を乗っ取ろうとしているのは、富裕なギリシア人投資家、男っぽい色香が漂う甘いマスクのアントン・ラキトスだ。ある夜、ニーナは買収を考え直してもらおうと寝室に忍びこむが、酔っ払っていた彼に、無理やりベッドに引きずりこまれてしまう。暗闇でもつれ合ううちにニーナの体は痺れ、奥底に熱を感じ、望んでもいないのに甘い感覚を呼び覚まされるのだった。しかも、ニーナが誰だかわかると、怯える彼女の混乱をよそに、アントンは救済を盾にして、執拗に契約結婚を強要してきたのだ。
ミアは血も涙もない父親に道具として利用されようとしていた。ギリシア人大富豪アレクサンダー・ドゥーマスとの契約結婚ーー父はある島と引き換えに、跡継ぎにする男孫を得るつもりなのだ。かつて衰退したドゥーマス一族が父に売り渡したその島を、いまアレクサンダーが取り返そうと狙っていることにつけ込んで。ミアからすれば父の提案は野蛮きわまりないものに思えたが、島を買い戻すつもりでいたアレクサンダーにとっても同じだった。それでもやむなく条件をのんだ彼は蔑みを込めてミアに宣告した。「夫婦でいるあいだ定期的にきみを抱く。悪魔の
トスカーナの田舎で伯母と暮らしていた二十歳のミアは、本当の父親が大富豪オスカー・バルフォアだと知らされた。ミアはイギリスに移ることになるが、質素な田舎育ちなので、バルフォア家の華やかできらびやかな世界になじめない。オスカーの命令で、ミアはさる人物の邸宅に住み込み、ふさわしい令嬢になるべく教育を受けることになった。教育係に指名されたのは、ニコス・テアキスーー若くして巨大複合企業をつくりあげた、ギリシア人億万長者だ。ミアはハンサムなニコスにひと目で魅了されるが、彼はなぜかいつもミアに冷たくあたり……。