著者 : メルヴィル
船乗りのイシュメールは、宿屋で意気投合した銛手クィークェグと共に捕鯨船ピークォド号に乗り組んだ。そこにいたのは用心深いスターバック、楽天家のスタッブ、好戦的なフラスクらの運転士や、銛手のタシテゴーとダッグー。そして、自分の片脚を奪った巨大なマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐に燃える船長のエイハブー。様々な人種で構成された乗組員たちの壮絶な航海を、規格外のスケールで描いた海洋冒険巨編!
船長・エイハブの片脚を奪った、巨大で獰猛な白いマッコウクジラ“モービィ・ディック”に復讐を果たすため、過酷な航海を続ける捕鯨船ピークォド号。「雪の丘のような瘤!モービィ・ディック!」-様々な国の捕鯨船との出会いで情報を得た末、ついに一行は赤道付近で目標を発見する。乗組員たちと、常識を超えた巨大な海獣との、熾烈な戦いの結末は?多様な象徴にあふれた叙事詩的海洋冒険巨編、ついに完結!
「モービィ・ディックだ!」-エイハブ船長の高揚した叫び声がとどろきわたった。執拗に追い続けてきたあの白い巨大な鯨が、ついに姿を現わしたのだ。恐るべき海獣との壮絶な「死闘劇」がいよいよ始まる。アメリカ文学が誇る叙事詩的巨編、堂々の完結。
“モービィ・ディック”との遭遇を前にして、エイハブ船長ひきいるピークオッド号の航海はつづく。ほかの捕鯨船との“出あい”を織りまぜながら、鯨と捕鯨に関する“百科全書的”な博識が、倦むことなく、衒学的なまでに次から次へと開陳されていく。
「モービィ・ディック」と呼ばれる巨大な白い鯨をめぐって繰り広げられる、メルヴィル(一八一九ー一八九一)の最高傑作。海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない法外なスケールと独自のスタイルを誇る、象徴性に満ちた「知的ごった煮」。新訳。
ある日突然、商船「人権号」から軍艦「軍神号」へ強制徴募された清純無垢の水夫ビリー・バッド。その彼が、不条理で抗いがたい宿命の糸にたぐられて、やがて古参兵曹長を撲殺、軍法会議に付され、死刑に処されようとは…。孤絶のなかで沈痛な思索の火を絶やさなかった『白鯨』の作者メルヴィル(1819-91)の遺作。