著者 : 京極夏彦
特集は「幽玄鉄道」。鉄道好き作家・有栖川有栖との旅企画、一穂ミチによる新作怪談、澤村伊智×田辺青蛙の探訪企画など。連載も「怪と幽」でしか読めない豪華執筆陣。お化けを愉しみ、お化けを読むなら「怪と幽」! === 特集 幽玄鉄道 「いま・ここ」から別の地へと、我々を運び、繋いでくれる鉄道。それはともすれば、異界との幽玄なる接続口。鉄道は、日常生活から私たちを解き放ち、異なる世界に誘ってくれる装置であり、未知なる文化や存在を運んでくるものでもある。沿線の土地と密接に結びついた旅情や郷愁も味わい深い。そして、日常のなかの鉄道であっても、その運行は人のいのちを預かる仕事。数多くの人生を乗せて今日も列車は走っているのだ。いのちが行き交う所では、怪しい話もまた生まれる。この世とあの世の架け橋となるような、幽玄なる鉄道世界の旅へ、いざ、出発進行! 【ルポ&エッセイ】有栖川有栖 【新作怪談】一穂ミチ 【ルポ】澤村伊智×田辺青蛙 【インタビュー】三上 延 【寄稿】伊藤龍平 【駅ガイド】村上健司 【対談】竹本勝紀×登龍亭獅鉄 【ブックガイド】千街晶之 【名作怪談】江戸川乱歩 + 【グラビア】霧にむせぶトンネル駅 ●表紙 えちごトキめき鉄道「雪月花」 特集のほか、連載など多数! 【小説】京極夏彦、有栖川有栖、澤村伊智、堀井拓馬 【漫画】諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 【論考・エッセイ】東 雅夫、村上健司&多田克己 【怪談実話】ひびきはじめ、煙鳥、松永瑞香 【グラビア】玉川麻衣、芳賀日出男+芳賀日向、佐藤健寿、怪食巡礼 【情報コーナー】ヒグチユウコ×名久井直子、我孫子武丸、加門七海、梨、廣田龍平、近藤瑞木、齋藤靖朗、香川雅信、藤川 Q etc.… ・特集 【ルポ&エッセイ】有栖川有栖と行く幻想鉄道旅 【新作怪談】一穂ミチ 「もう忘れます」 【ルポ】澤村伊智×田辺青蛙とめぐる廃線敷探訪 【インタビュー】三上 延 「内田百けん「阿房列車」の魅力 -鉄道旅と怪異ー」 【寄稿】伊藤龍平 「鉄道怪談 今昔物語 -「偽汽車」から「きさらぎ駅」までー」 【駅ガイド】村上健司 「日本全国 妖怪に会える駅ガイド」 【対談】竹本勝紀×登龍亭獅鉄 「鉄道員が語る怪談」 【ブックガイド】千街晶之 「鉄路は異界へと続く --鉄道怪談傑作ガイド」 【名作怪談】江戸川乱歩 「押絵と旅する男」 + 【グラビア】霧にむせぶトンネル駅 ※「内田百けん」は誌面では漢字表記です
古今東西の書物が集う墓場。 明治の終わり、消えゆくものたちの声が織りなす不滅の物語。 花も盛りの明治40年ーー高遠彬の紹介で、ひとりの男が書舗「弔堂」を訪れていた。 甲野昇。この名前に憶えがあるものはあるまい。故郷で居場所をなくし、なくしたまま逃げるように東京に出て、印刷造本改良会という会社で漫然と字を書いている。そんな青年である。 出版をめぐる事情は、この数十年で劇的に変わった。鉄道の発展により車内で読書が可能になり、黙読の習慣が生まれた。黙読の定着は読書の愉悦を深くし、読書人口を増やすことに貢献することとなる。本は商材となり、さらに読みやすくどんな文章にもなれる文字を必要とした。どのようにも活きられる文字ーー活字の誕生である。 そんな活字の種字を作らんと生きる、取り立てて個性もない名もなき男の物語。 夏目漱石、徳富蘇峰、金田一京助、牧野富太郎、そして過去シリーズの主人公も行きかうファン歓喜の最終巻。 残念ですがご所望のご本をお売りすることは出来ませんーー。 【目次】 探書拾玖 活字 探書廿 複製 探書廿壱 蒐集 探書廿弐 永世 探書廿参 黎明 探書廿肆 誕生 【著者略歴】 京極夏彦 きょうごく・なつひこ 1963年生まれ。北海道小樽市出身。 日本推理作家協会 第15代代表理事。世界妖怪協会・お化け友の会 代表代行。 1994年『姑獲鳥の夏』で衝撃的なデビューを飾る。1996年『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞長編部門、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2000年 第8回桑沢賞、2003年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年 『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞、2016年 遠野文化賞、2019年 埼玉文化賞、2022年 『遠巷説百物語』で第56回吉川英治文学賞を受賞。
幽晦との境界がーー破れている。 内部の薄明が昏黒に洩れている。 ならばそこから夜が染みて来る。 生まれてこのかた笑ったこともない生真面目な浪人、伊右衛門。疱瘡を病み顔崩れても凛として正しさを失わない女、岩ーー四谷怪談を江戸の闇に花開く極限の愛の物語へと昇華させた第25回泉鏡花文学賞受賞作。「巷説百物語」シリーズ・御行の又市の物語はここから始まった。 〈解説〉高田衛 〈対談〉高田衛×京極夏彦「生きている怪談」
「怪と幽」17号は、特集二本立て! 第一特集 怪を語る イベントや配信などで語られる怪談を楽しむ流れが大きな盛り上がりを見せている。もちろん先駆者は数十年前から「語り」を主軸に活動し、その存在は広く知られてきた。だがいま、さらに新たな語り手がどんどん生まれている。感染症流行時期には配信活動の隆盛があり、その後、リアルな場を共有するイベントも、様々な規模で開催されるようになった。世間では《怪談師》という呼称もすっかり定着。伝統芸能の語り芸とはまた異なる、語り・しゃべりの怪談文化が一大ジャンルとして築かれた。そのように怪談を語る人たちは、そしてそれを楽しむ人たちは、いま何を見つめているのか。現場では何が起こっているのか。現代の怪談語りシーンに迫る。 【インタビュー】稲川淳二 【対談】川奈まり子×吉田悠軌 【対談】はやせやすひろ×夜馬裕 【ルポ】百物語怪談会 【実録】百物語 川奈まり子、チビル松村、はやせやすひろ、深津さくら、松永瑞香、村上ロック、夜馬裕 第二特集 『真・女神転生V Vengeance』 神話や伝承に語られる超常の存在ーー「悪魔」が現代に出現したら、世界はどのように変貌するのか。そんな想像を具体化させたかのようなロールプレイングゲームが「真・女神転生」シリーズだ。 1992年発売の第一作『真・女神転生』以降、30年以上の長きにわたり「メガテン」の通称で親しまれる本シリーズの最新作『真・女神転生V Vengeance』は、今年6月に発売されると、わずか3日間で全世界売上が50万本を超える大ヒット作品となった。太古の神話から現代の都市伝説に至るまで、さまざまな出典の悪魔が織り成す独自の世界観の中、善悪だけでは語りえない重層的なストーリーと、美しくも恐ろしい個性的なキャラクター造形で、世界中のプレイヤーを熱狂させる『Vengeance』。そんな大人気ゲームの悪魔的魅力の根源に迫る。 【グラビア】『真・女神転生V Vengeance』とは? 【インタビュー】小森成雄(ディレクター) & 土居政之(キャラクターデザイナー) 【インタビュー】土居政之 【ガイド】『真・女神転生V Vengeance』 (勝手に)悪魔全書 by怪と幽 【対談】黒 史郎×藤川 Q 特集のほか、連載など多数! 京極夏彦小説新連載も開始!
人の心は分かりませんが、 それは虫ですねーー。 ときは江戸の中頃、薬種問屋の隠居の子として生まれた藤介は、父が建てた長屋を差配しながら茫洋と暮らしていた。八丁堀にほど近い長屋は治安も悪くなく、店子たちの身持ちも悪くない。ただ、店子の一人、久瀬棠庵は働くどころか家から出ない。年がら年中、夏でも冬でも、ずっと引き籠もっている。 「居るかい」 藤介がたびたび棠庵のもとを訪れるのは、生きてるかどうか確かめるため。そして、長屋のまわりで起こった奇怪な出来事について話すためだった。 祖父の死骸のそばで「私が殺した」と繰り返す孫娘(「馬癇」)、急に妻に近づかなくなり、日に日に衰えていく左官職人(「気癪」)、高級料亭で酒宴を催したあと死んだ四人の男(「脾臓虫」)、子を産めなくなる鍼を打たねば死ぬと言われた武家の娘(「鬼胎」)…… 「虫のせいですね」 棠庵の「診断」で事態は動き出す。 「前巷説百物語」に登場する本草学者・久瀬棠庵の若き日を切り取る連作奇譚集。 病葉草紙 目録 馬癇 気癪 脾臓虫 蟯虫 鬼胎 脹満 肺積 頓死肝虫
時は江戸。作事奉行・上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、度々現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていた。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は、"この世に居るはずのない男"だったーー。 この騒動を知った監物は、過去の悪事と何か関りがあるのではと警戒する。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、"憑き物落とし"を行う武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋が監物の屋敷に招かれる。 謎に秘された哀しき真実とは? 歌舞伎の舞台化のために書き下ろされた、長編ミステリ。 《目次》 死人花 墓花 彼岸花 蛇花 幽霊花 火事花 地獄花 捨子花 狐花
〈憑き物落とし〉中禪寺洲齋。 〈化け物遣い〉御行の又市。 〈洞観屋〉稲荷藤兵衛。 彼らが対峙し絡み合う、過去最大の大仕掛けの結末はーー? 文学賞3冠を果たした〈巷説百物語〉シリーズ堂々完結! 下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。 凡ての嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから〈洞観屋〉と呼ばれていた。 ある日、藤兵衛に依頼が持ち込まれる。老中首座・水野忠邦による大改革を妨害する者ども炙り出してくれというのだ。 敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たちーー。 依頼を引き受け江戸に出た藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇する。 やがて武蔵晴明神社の陰陽師・中禪寺洲齋と出会い、とある商家の憑き物落としに立ち会うこととなるがーー。 戌亥乃章 於菊蟲 申酉乃章 柳婆 午未乃章 累 辰巳乃章 葛乃葉 或いは福神ながし 寅卯乃章 手洗鬼 子丑乃章 野宿火 空亡乃章 百物語
「怪と幽」16号は、特集二本立て! 第一特集 陰陽師を知る もともとは古代律令国家の官職のひとつでありながら、さまざまな物語のなかに登場し活躍し、我々の心をつかみ続けている陰陽師。天文と暦を読み解き、占いや祭祀やまじないを行うその者たちは、歴史上にあまた実在し、研鑽を積みながらそれぞれの時代に合った姿に進化し続けてきた。現在、古と同じ〈陰陽師〉は存在しない。だが創作のなかでは、ときに史実を採り入れながら、令和の今も新たな陰陽師像が生み出され続けている。呪術や式神を操る特殊能力者のようなイメージとともに想起されるようになった彼らは、そもそもどういった存在だったのだろうか。また、現代の我々にとって陰陽師とはどのような存在なのか。 フィクションのなかの陰陽師、歴史のなかに実在した陰陽師、両面から迫ります。 第二特集 京極夏彦「巷説百物語」了 デビュー30周年を迎えた京極夏彦の代表作「巷説百物語」シリーズ。完結編『了巷説百物語』が、いよいよ今夏刊行される。「怪」から「怪と幽」へと連載された本作は累計140万部に達し、『後巷説百物語』で直木三十五賞、『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞し、史上初となる同一シリーズで文学賞三冠を獲得した。京極作品クロニクルの起点となる本作は、「書楼弔堂」「江戸怪談」そして昨年『【ぬえ】の碑』が刊行されて大きな話題を呼んだ「百鬼夜行」シリーズにも繋がってゆく! 完結編の刊行を目前に控えた今こそ、「巷説百物語」を振り返る。 ※【ぬえ】は空へんに鳥の漢字 ●表紙 石黒亜矢子 特集と連動し、「安倍晴明と京極夏彦」をモチーフに描き下ろし!
「怪と幽」15号の特集は「怪と湯」! 世界有数の火山国である日本では、縄文時代から温泉が親しまれていたという。およそ名湯と呼ばれる古い温泉地には決まって開湯伝説があり、神々、鳥獣、名僧、そして異形なるモノが発見した霊泉は、時代を超えて人々を魅了し続けている。本来、湯治場は死に近い場所であり、信仰と深く結びつき、多様な文化を生んだ。『古事記』『日本書紀』、また諸国の「風土記」にも多くの記述があり、温泉は人のみならず神をも癒すものであった。ときに病を抱えた文豪を、傷を負った化け物を治癒している。霊力を宿した湯に解きほぐされた心身は、あの世とこの世の境界をたゆたう。怪しくゆらめく湯けむりの向こうは地獄か極楽かーー。 特集 怪と湯 【復刻】 岡本綺堂「温泉雑記」 【鼎談】 加門七海×南條竹則×東雅夫「霊なる温泉地 〜文人が惹かれる「湯の力」〜」 【寄稿】 伊藤克己「温泉文化を形成する信仰と伝承」 【寄稿】 菱川晶子「神々から鳥獣まで -日本の温泉発見伝説をめぐってー」 【紀行】 村上健司「妖怪旅おやじ 特別編 上田周辺の温泉と鬼伝説を訪ねる 」 【寄稿】 多田克己「温泉に現れたる妖怪」 【紀行】 宮家美樹「京極夏彦、日光へ行く」 【エッセイ】 朱野帰子、有栖川有栖、黒木あるじ、今野敏、つげ正助、内藤了、花房観音、夢枕獏 【ガイド】 村上健司「日本全国「怪と湯」150選」 【ガイド】 朝宮運河「怪異名湯巡り 温泉怪談ブックガイド20+α」 【小説】 京極夏彦、有栖川有栖、澤村伊智、山白朝子、恒川光太郎 【漫画】 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 【論考・エッセイ】 小松和彦、東雅夫 【グラビア】 尾崎伊万里、芳賀日出男、佐藤健寿、つげ義春、怪食巡礼 【怪談実話】 渡辺浩弐、青柳碧人、JUN 【情報コーナー】 北沢陶×澤村伊智、似鳥鶏×今村昌弘、尾八原ジュージ×饗庭淵、橋下まこ、オカルトエンタメ大学、大明敦、くらやみ遊園地、大谷亨 etc.…
百鬼夜行シリーズ17年ぶりの新作長編がついに! 殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。 消えた三つの他殺体を追う刑事。 妖光に翻弄される学僧。 失踪者を追い求める探偵。 死者の声を聞くために訪れた女。 そして見え隠れする公安の影。 発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、 縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。 シリーズ最新作。
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。妖光に翻弄される学僧。失踪者を追い求める探偵。死者の声を聞くために訪れた女。そして見え隠れする公安の影。発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、縺れ合いキメラの如き様相を示す“化け物の幽霊”を祓えるか。『姑獲鳥の夏』から30年ーついに顕現、「京極小説」最新大巨編!
「怪と幽」14号は、特集二本立て! 特集1「奇想天外 きのこの怪」 きのこは不思議に満ちている。まず、見た目からして奇妙だ。美味しい食物として親しまれながらも、幻覚を引き起こしたり毒により死に至りしめたりする種が存在している点が不気味である。そもそも、きのこはかりそめの姿で、本体である菌糸は地下に広がり、普段は目に見えない。動物と植物のあわいで揺らめく神秘的な生態は、昔から人々を惹きつけてきた。きのこに関する神話・民話・文学は日本のみならず世界に分布している。熱狂的な愛好家がいる一方で、前号の特集「怪奇大特撮」で映画『マタンゴ』が“トラウマ特撮”として挙げられたように、恐怖の対象にもなり得た。幾つものきのこ文学を遺した泉鏡花や宮沢賢治、研究者の南方熊楠はもとより、きのこを存分に語る「キノコデー」を提唱した柳田國男まで──きのこは、お化け好きを虜にする! 特集2「幽霊と魔術の英国」 英国では、数々のお城や建築物に幽霊が現れるとされ、現在王室の面々が住まう宮殿も出るのは「当たり前」。霊の出現が観光名所としてのアピールにも繋がっている。そんな「この世ならぬ存在」との距離が地続きの国は魔術の本場でもあり、アーサー王に仕えたマーリンに始まり数々の魔術師の存在や影響が文化に色濃く現れている。英国発の魔術ファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの勢いも止まらない。幽霊と魔術が日常に息づいているこの国は、日本の作家や読者にも大きく影響を与え魅了し続けてきた。英国の幽霊と魔術の世界に、いざ出発! ●特集1 奇想天外 きのこの怪 【復刻】 「くさびら」泉鏡花、「きのこ会議」夢野久作 【対談】 飯沢耕太郎×吹春俊光 【寄稿】 田中貴子、多田克己、飯沢耕太郎 【インタビュー】 貴志祐介 【怪談】 安曇潤平 【エッセイ】 高原英理、池澤春菜、ヒグチユウコ、日高トモキチ、保坂健太郎、堀博美 【ルポ】 玉置標本 ●特集2 幽霊と魔術の英国 【対談】 織守きょうや×河合祥一郎 【寄稿】 植松靖夫、南條竹則、額賀澪 【復刻】 坂田靖子「オプション・ハウス」 【座談】 東雅夫×下楠昌哉×中島晶也×土方正志 【ガイド】 ハリー・ポッター世界にみる幽霊と魔術 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考・エッセイ 小松和彦、荒俣宏、加門七海、東雅夫、村上健司&多田克己 ●グラビア 中野カヲル、芳賀日出男+芳賀日向、佐藤健寿、新井文彦、怪食巡礼 ●怪談実話 鈴木光司、高木道郎、小松亜由美 ●情報コーナー 山白朝子×乙一、東亮太×門賀美央子、三上延、夏原エヰジ、大島清昭、高木道郎、怪奇里紗、及川祥平 etc……
「怪と幽」13号は、特集二本立て。 第一特集「怪奇大特撮」。 1954年の『ゴジラ』や1965年の『大怪獣ガメラ』を筆頭に、これまで数多くの特撮作品が制作されてきた。毎年新作が放送される子供向けのTVドラマだけでなく、庵野秀明監督によるリブート作品「シン・」シリーズが次々に話題となり、世界でも「モンスター・ヴァース」が席巻している。怪獣モノのみならずホラーや SFまで含めると、今や「特撮」はエンターテインメントの主役である。かつて「幻想映画」とも呼ばれた「特撮映画」は超自然的な世界を映し出し、怪獣やクリーチャーたちは、人間が畏敬の念や恐怖を抱く自然災害・社会問題の象徴ともされた。怪奇や幻想を形にしてきた「こわい特撮」を、お化け好き諸兄姉に贈る! 第二特集「民俗写真家 芳賀日出男」。 折口信夫の講義に感銘を受け、宮本常一と九州各地を訪ね歩いた、唯一無二の写真家・芳賀日出男。大正十年に満州で生まれ、幼少期からカメラに親しみ、晩年まで写真への情熱が失われることはなかった。昭和から現代にかけて日本も世界も大きく変化し続ける中、芳賀は文化や習俗を大切にする一方で、無闇に変化を否定せず、その地で生活を営む人の思いを汲んでいた。芳賀が遺した貴重な写真には、当時の景色とともに、人間の息遣いが閉じ込められている。昨年十一月に百一歳で逝去した偉大なる民俗写真家の足跡を辿り、在りし日の光景に想いを馳せたい。 ●第一特集 怪奇大特撮 【アンケート】私のトラウマ特撮 朱野帰子、綾辻行人、有栖川有栖、大倉崇裕、大槻ケンヂ、押切蓮介、小野不由美、織守きょうや、唐沢なをき、貴志祐介、佐野史郎、澤村伊智、真藤順丈、高橋葉介、月村了衛、恒川光太郎、Toy(e)、新名智、葉真中顕、平山夢明、深緑野分、福澤徹三、諸星大二郎、山白朝子、和嶋慎治 【インタビュー】京極夏彦、小林靖子、鶴田法男 【寄稿】東雅夫、式水下流 【対談】倉谷滋×円城塔 【レポート】「カイトユウマン」ができるまで ●第二特集 民俗写真家 芳賀日出男 【インタビュー】芳賀日向 【寄稿】棚木晴子、飯沢耕太郎、神崎宣武 ●小説 京極夏彦、有栖川有栖、山白朝子、恒川光太郎、澤村伊智、織守きょうや ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 加門七海、東雅夫、村上健司&多田克己 ●グラビア Toy(e)、芳賀日出男+芳賀日向、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 梨、若本衣織、鷲羽大介 ●情報コーナー 角川ホラー文庫30周年、澤村伊智×新名智、和田正雪×吉田悠軌、高野和明、黒史郎×村上健司、スリラーナイト、戸神重明 etc……
舞台は明治30年代後半。鄙びた甘酒屋を営む弥蔵のところに馴染み客の利吉がやって来て、坂下の鰻屋に徳富蘇峰が居て本屋を探しているという。 なんでも、甘酒屋のある坂を上った先に、古今東西のあらゆる本が揃うと評判の書舗があるらしい。その名は “書楼弔堂(しょろうとむらいどう)”。 思想の変節を非難された徳富蘇峰、探偵小説を書く以前の岡本綺堂、学生時代の竹久夢二……。そこには、迷える者達が、己の一冊を求め“探書”に訪れる。 「扠(さて)、本日はどのようなご本をご所望でしょう——」 日露戦争の足音が聞こえる激動の時代に、本と人との繋がりを見つめなおす。 約6年ぶり、待望のシリーズ第3弾! 【著者プロフィール】 京極夏彦(きょうごく・なつひこ) 日本推理作家協会 第15代代表理事。世界妖怪協会・お化け友の会 代表代行。 1963年北海道小樽市生まれ。94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞長編部門、97年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2000年第8回桑沢賞、03年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で第130回直木賞、11年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞、16年 遠野文化賞、19年 埼玉文化賞、22年『遠巷説百物語』で第56回吉川英治文学賞を受賞。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のヒットで注目を集める「鎌倉」は、古代から平安期まで続いた中央集権の国家体制が、地方軍事政権へ置き換わる中で生み落とされた運命の都ーー。武士(御家人)を中心としたその社会では、合戦、暗殺、粛清で、多くの血が流れ、様々な悲劇が起こりました。一方で歴史の裏側では、陰陽師や新仏教の宗教家たちが活躍しています。また、明治以降は保養地として名だたる文豪たちに愛されました。六百年を超える年月を経て、怪異と幻想の壮大な集積場となった「鎌倉」を焙り出します。 第二特集は有栖川有栖氏の人気シリーズ「濱地健三郎の事件簿」。本シリーズの大ファンという山崎ハルタ氏と有栖川氏の対談や著名人による熱烈メッセージなどをご紹介します。 ●第一特集 鎌倉 【対談】澤田瞳子×米澤穂信 【小説】武川佑 【寄稿】山田雄司、赤澤春彦、千街晶之、荒俣宏、東雅夫、吉田悠軌、中野晴行 ●第二特集 濱地健三郎の事件簿 【対談】有栖川有栖×山崎ハルタ 【ガイド】千街晶之 【寄稿】一穂ミチ、今村昌弘、織守きょうや、佳多山大地、マギー ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、山白朝子、恒川光太郎、澤村伊智、織守きょうや、新名智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 加門七海、東雅夫、村上健司&多田克己 ●グラビア ぺい、芳賀日出男、佐藤健寿、アニメ『ちみも』、怪食巡礼 ●怪談実話 藤木稟、田中俊行、神沼三平太 ●研究会レポート 久禮旦雄、河津創、松田祥平、井上真史 ●情報コーナー 東雅夫×円城塔、貴志祐介、澤村伊智、鵺野莉紗×荒川悠衛門、デニス(植野行雄、松下宣夫)、浅沼晋太郎×土田玲央×牛抱せん夏、中川朝子、相田一成、杉本好伸 etc……
自分の目となり耳となって遠野保の民草の動向を見極め、逐一報告せよ。盛岡藩筆頭家老の密命を受け、御譚調掛として市井の噂話を蒐集する宇夫方祥五郎。座敷童衆に花嫁衣装を着たのっぺらぼう、火を吐く怪鳥、雪女。集まる「ハナシ」は虚実曖昧で荒唐無稽なものばかり。だが、迷家に棲む男と出会い、その裏に、法で裁けぬ悪を祓う小悪党たちが暗躍していたことを知ってしまったことからー。大好評巷説百物語シリーズ!第56回吉川英治文学賞受賞作。
太古より人々の営みは呪(しゅ)とともにあった。 縄文時代の遺跡からは無数の呪具が出土し、記紀をはじめ古代の書物には呪詛が溢れ、陰陽師たちの占いは政治に絶大なる影響を及ぼした。呪術はファンタジー世界の魔法でも、科学が未発達であった過去の遺物でもない。日本人は現代でも様々な局面で神仏に祈願し、マジナイやゲン担ぎにまみれて暮らしている。人間の切なる祈りや欲望を表出するツールとして、いまも世界中で脈動しているのだ。特集では、そんな呪術の「領域」にフォーカス! 京極夏彦「了巷説百物語」ほか豪華連載も充実! ●特集 呪術入門 【インタビュー】 小松和彦 「呪術とは何か」 【寄稿】 川田牧人 「日常生活に浸透する現代呪術 -ポップでライトでカジュアルでー」 【寄稿】 三国信一 「暮らしの中の呪物」 【寄稿】 荒俣宏 「アクションとしての呪詛 -中世鎌倉の「祈祷」と観音霊場」 【対談】 加門七海×角悠介 「呪術には国民性が表れる!? ルーマニアと日本との比較」 【寄稿】 山中由里子 「呪物としての偽マンドラゴラ」 【エッセイ】 郷内心瞳、田中俊行、田辺青蛙、内藤了、はやせやすひろ、渡辺シヴヲ 「私の呪物コレクション」 【ルポ】 玉置標本+村上健司 「呪術海鮮を味わいタイ!」 【ブックガイド】 朝宮運河 「システムと情念と 呪術作品ブックガイド」 ●特別企画 【インタビュー】 神永学 「心霊探偵八雲、完結。」 ●小説 京極夏彦「了巷説百物語」、松村進吉「丹吉」、貴志祐介「こっくりさん」、有栖川有栖「濱地健三郎の事件簿」、山白朝子「精神感応小説家」 ●漫画 諸星大二郎「槐と優」、高橋葉介「魔実子さんが許さない」、押切蓮介「おののけ!くわいだん部」 ●論考/エッセイ 小松和彦「封印された神と妖怪の記憶を発掘する」、加門七海「オハラヒマジナヒ実習ノヲト」、東雅夫「文豪たちの幽と怪」、村上健司&多田克己「それいけ! 妖怪旅おやじ」 ●グラビア すり餌、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 雨宮淳司、城谷歩、寺崎美紅 ●情報コーナー 諸星大二郎×高橋葉介、花輪和一、富安陽子、天野行雄、片山さあ、宮本幸枝、玉川麻衣 etc……