著者 : 京極夏彦
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のヒットで注目を集める「鎌倉」は、古代から平安期まで続いた中央集権の国家体制が、地方軍事政権へ置き換わる中で生み落とされた運命の都ーー。武士(御家人)を中心としたその社会では、合戦、暗殺、粛清で、多くの血が流れ、様々な悲劇が起こりました。一方で歴史の裏側では、陰陽師や新仏教の宗教家たちが活躍しています。また、明治以降は保養地として名だたる文豪たちに愛されました。六百年を超える年月を経て、怪異と幻想の壮大な集積場となった「鎌倉」を焙り出します。 第二特集は有栖川有栖氏の人気シリーズ「濱地健三郎の事件簿」。本シリーズの大ファンという山崎ハルタ氏と有栖川氏の対談や著名人による熱烈メッセージなどをご紹介します。 ●第一特集 鎌倉 【対談】澤田瞳子×米澤穂信 【小説】武川佑 【寄稿】山田雄司、赤澤春彦、千街晶之、荒俣宏、東雅夫、吉田悠軌、中野晴行 ●第二特集 濱地健三郎の事件簿 【対談】有栖川有栖×山崎ハルタ 【ガイド】千街晶之 【寄稿】一穂ミチ、今村昌弘、織守きょうや、佳多山大地、マギー ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、山白朝子、恒川光太郎、澤村伊智、織守きょうや、新名智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 加門七海、東雅夫、村上健司&多田克己 ●グラビア ぺい、芳賀日出男、佐藤健寿、アニメ『ちみも』、怪食巡礼 ●怪談実話 藤木稟、田中俊行、神沼三平太 ●研究会レポート 久禮旦雄、河津創、松田祥平、井上真史 ●情報コーナー 東雅夫×円城塔、貴志祐介、澤村伊智、鵺野莉紗×荒川悠衛門、デニス(植野行雄、松下宣夫)、浅沼晋太郎×土田玲央×牛抱せん夏、中川朝子、相田一成、杉本好伸 etc……
天才少年・悪魔くんが悪魔の力を借りて、人類が平和に暮らせる理想郷「千年王国」を築き上げようと活躍する、水木しげる氏の傑作漫画「悪魔くん」。 第一特集では貸本版(松下一郎)、マガジン版(山田真吾)、ボンボン版(埋れ木真吾)--といった漫画作品を中心に紹介&考察。 世界規模で混迷するいまこそ救世主「悪魔くん」を、我は求め訴えたり! 第二特集は、シリーズ第三集『営繕かるかや怪異譚 その参』の刊行を記念し、小野不由美氏の「営繕かるかや怪異譚」を特集。 コミカライズを手掛ける加藤和恵氏と小野氏の対談、シリーズの装画を描く漆原友紀氏へのインタビューなど盛りだくさん。 情報コーナーでは、相葉雅紀さんと中田秀夫監督の対談や稲川淳二さんへのインタビューなど、注目記事満載です。 ●特集一 悪魔くんを求め訴えたり 水木しげる生誕100年 【インタビュー】 京極夏彦 「悪魔くん」の系譜 【対談】 久坂部羊×佐野史郎 正義を疑い、本質を見抜いた名台詞の数々 【寄稿】 呉智英 水木しげるの千年王国思想 【インタビュー】 鏡リュウジ 「悪魔くん」の魔術と水木先生 【寄稿】 朝松健 懐かしの『世紀末大戦』 【寄稿】 イトウユウ 「悪魔くん」から「エヴァ」へ 【寄稿】 廣田龍平 『悪魔くん』に登場する使徒たちの元ネタを探ってみる 【インタビュー】 佐藤順一 令和版・新アニメ『悪魔くん』 ●特集二 営繕かるかや怪異譚 【ガイド】 朝宮運河 「営繕かるかや怪異譚」シリーズ解題 【インタビュー&絵解き】 漆原友紀 装画に込めた思いとは 【対談】 小野不由美×加藤和恵 小説から漫画へ、広がりゆく「営繕かるかや怪異譚」 ●小説 京極夏彦、小野不由美、澤村伊智、内藤了、和嶋慎治(人間椅子)、恒川光太郎 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 小松和彦、加門七海、東 雅夫、村上健司&多田克己、研究会レポート ●グラビア 志樂新版画製作所、芳賀日出男、佐藤健寿、水木しげるの妖怪百鬼夜行展、怪食巡礼 ●怪談実話 中野純、田中康弘、佐藤健寿 ●情報コーナー 相葉雅紀×中田秀夫、岩井志麻子×新名智、小池真理子、近藤史恵、恒川光太郎、稲川淳二、と金、白石晃士、三上丈晴、中野純、池田ちひろ、北葛飾狸狐、山吹静吽 etc……
自分の目となり耳となって遠野保の民草の動向を見極め、逐一報告せよ。盛岡藩筆頭家老の密命を受け、御譚調掛として市井の噂話を蒐集する宇夫方祥五郎。座敷童衆に花嫁衣装を着たのっぺらぼう、火を吐く怪鳥、雪女。集まる「ハナシ」は虚実曖昧で荒唐無稽なものばかり。だが、迷家に棲む男と出会い、その裏に、法で裁けぬ悪を祓う小悪党たちが暗躍していたことを知ってしまったことからー。大好評巷説百物語シリーズ!第56回吉川英治文学賞受賞作。
太古より人々の営みは呪(しゅ)とともにあった。 縄文時代の遺跡からは無数の呪具が出土し、記紀をはじめ古代の書物には呪詛が溢れ、陰陽師たちの占いは政治に絶大なる影響を及ぼした。呪術はファンタジー世界の魔法でも、科学が未発達であった過去の遺物でもない。日本人は現代でも様々な局面で神仏に祈願し、マジナイやゲン担ぎにまみれて暮らしている。人間の切なる祈りや欲望を表出するツールとして、いまも世界中で脈動しているのだ。特集では、そんな呪術の「領域」にフォーカス! 京極夏彦「了巷説百物語」ほか豪華連載も充実! ●特集 呪術入門 【インタビュー】 小松和彦 「呪術とは何か」 【寄稿】 川田牧人 「日常生活に浸透する現代呪術 -ポップでライトでカジュアルでー」 【寄稿】 三国信一 「暮らしの中の呪物」 【寄稿】 荒俣宏 「アクションとしての呪詛 -中世鎌倉の「祈祷」と観音霊場」 【対談】 加門七海×角悠介 「呪術には国民性が表れる!? ルーマニアと日本との比較」 【寄稿】 山中由里子 「呪物としての偽マンドラゴラ」 【エッセイ】 郷内心瞳、田中俊行、田辺青蛙、内藤了、はやせやすひろ、渡辺シヴヲ 「私の呪物コレクション」 【ルポ】 玉置標本+村上健司 「呪術海鮮を味わいタイ!」 【ブックガイド】 朝宮運河 「システムと情念と 呪術作品ブックガイド」 ●特別企画 【インタビュー】 神永学 「心霊探偵八雲、完結。」 ●小説 京極夏彦「了巷説百物語」、松村進吉「丹吉」、貴志祐介「こっくりさん」、有栖川有栖「濱地健三郎の事件簿」、山白朝子「精神感応小説家」 ●漫画 諸星大二郎「槐と優」、高橋葉介「魔実子さんが許さない」、押切蓮介「おののけ!くわいだん部」 ●論考/エッセイ 小松和彦「封印された神と妖怪の記憶を発掘する」、加門七海「オハラヒマジナヒ実習ノヲト」、東雅夫「文豪たちの幽と怪」、村上健司&多田克己「それいけ! 妖怪旅おやじ」 ●グラビア すり餌、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 雨宮淳司、城谷歩、寺崎美紅 ●情報コーナー 諸星大二郎×高橋葉介、花輪和一、富安陽子、天野行雄、片山さあ、宮本幸枝、玉川麻衣 etc……
「怪と幽」9号では「家」を特集! 「ステイホーム」が呼びかけられ、家で過ごす時間が増えました。本来なら心休まる場所である「家」でナニかが起きたら……憩いの場は一転して、恐怖の牢獄へと変貌することでしょう。 近年、松原タニシ『事故物件怪談 怖い間取り』や雨穴『変な家』がベストセラーとなり、小説では小野不由美による連作「営繕かるかや怪異譚」、澤村伊智『ししりばの家』、アンソロジー『家が呼ぶ 物件ホラー傑作選』……といった濃厚な家系(いえけい)作品が注目を集めています。 化け物屋敷から事故物件までーー引き籠りがちないまこそ、我が家の“怪と幽”を堪能しよう! ●特集 あやしい家 【対談】辻村深月×大島てる 場所の魔力、家族という呪縛 【対談】澤村伊智×松原タニシ 事故物件への複雑な思い 【創作】雨穴 不安な家 【寄稿】荒俣宏 こわい家を建てた人々 【寄稿】一柳廣孝 いつの世も家の怪異は恐ろしい 【寄稿】加門七海 日本家屋の呪術 【レポート】川奈まり子 怪談作家の成仏不動産ルポ “成仏”が事故物件の未来を救う!? 【寄稿】吉田悠軌 幽霊屋敷か事故物件か 【寄稿】東雅夫 文豪たちの怪しき我が家 【ブックガイド】朝宮運河 それでも家は呼ぶーー〈家系〉ホラーブックガイド ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、近藤史恵、恒川光太郎、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 小松和彦、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己 ●グラビア 泉朝樹、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 村田らむ、鳴崎朝寝、岡利昌 ●情報コーナー 押切蓮介×泉朝樹、波津彬子×山内麻衣子、宇佐美まこと、伊藤龍平、氷厘亭氷泉、岩国物の怪地図研究会、中野晴行、藤川Q、谷原菜摘子 etc……
唯一無二のホラー漫画家・楳図かずおを特集! 「恐怖漫画」の第一人者として他の追随を許さない漫画家・楳図かずおは、一九五五年に貸本漫画家としてデビューする。 六一年に短篇「口が耳までさける時」を発表して以降、次々にホラー漫画を世に送り出し、読者の背筋を凍りつかせた。 ストイックに恐怖を追求する作風は、漫画にとどまらずジャンルを超えた表現者に多大な影響を与えている。 九五年に完結した『14歳』以降、漫画執筆を休止しているものの、色あせない楳図作品は新たな読者を惹きつけ続けているのだ。 そしてこの度、初期名作を一気に味わえるホラーシリーズ「こわい本」が角川ホラー文庫から刊行開始された。 唯一無二の恐怖世界を御堪能あれ! 強力な連載陣もお見逃しなく! ●特集 楳図かずおホラーワールド 【インタビュー】激白! 楳図かずおインタビュー「楳図式ホラーの流儀」 【漫画】復刻! 「のろいの面」楳図かずお 【告知】注目! 「こわい本」刊行開始! 【寄稿】耽溺! 楳図ファンが選ぶ戦慄の一作 伊藤潤二、大槻ケンヂ、小野不由美、片岡愛之助、児嶋都、近藤ようこ、高橋葉介、ピエール瀧、ヒグチユウコ、諸星大二郎 【コラム】仰天! 楳図かずおの軌跡 【コラム】熱唱! UMEZZレコードガイド 【コラム】堪能! UMEZZ映像作品ガイド 【エッセイ】熱愛! 綾辻行人「今さら「ラブレター」なんて……」 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、山白朝子、澤村伊智、近藤史恵 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ/インタビュー 京極夏彦、荒俣宏、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己、鈴木優作 ●グラビア げみ、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 岩井志麻子、牛抱せん夏、しのはら史絵 ●お化け友の会ひろば ナカニシア由ミ、伊藤慎吾、河野隼也、岩名謙太、Apsu Shusei etc……
盛岡藩筆頭家老にして遠野南部家当主の密命を受けた宇夫方祥五郎は、巷に流れる噂話を調べていた。郷が活気づく一方で、市場に流れる銭が不足し困窮する藩の財政に、祥五郎は言い知れぬ不安を感じる。ある日、世事に通じる乙蔵から奇異な話を聞かされた。菓子司山田屋から出て行った座敷童衆、夕暮れ時に現れる目鼻のない花嫁姿の女、そして他所から流れて迷家に棲みついた仲蔵という男。祥五郎のもとに舞い込む街談巷説、その真偽はー。
民話ーー昔話、伝説、世間話といった語り伝えられる物語は、いまも私たちの暮らしの中に息づいている。 明治から昭和にかけて、柳田國男をはじめとする民俗学者たちによって聴き集められた「話」は、一九七〇年代に興った民話ブームで大きな広がりを見せた。 全国の民衆から採集された「話」は、当時の記憶を残す一級資料として、その地に生活する人々の営みを真空保存している。 誰もが知る昔話「桃太郎」にも、様々なヴァージョンの類話が各地域に存在しており、そこには確実に語り手の体温が遺されている。 そして、ネット社会の現代でも「話」は、つねに変化を遂げながら脈を打ち、産声をあげ続けているのだ。 お化け好きをとりこにし続ける、愛おしき化け物のふるさと・民話の魅力を再発見しよう! 強力な連載陣もお見逃しなく! シリーズ最終編「了巷説百物語」が、ついに始動!! ●特集 LOVE 民話 【対談】京極夏彦×黒史郎 【寄稿】飯倉義之、伊藤慎吾、徳田和夫、花部英雄、廣田龍平、間宮史子 【インタビュー】板倉俊之(インパルス) 【再録】ざんねんな民話の世界 ●小説 京極夏彦、有栖川有栖、山白朝子、恒川光太郎、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介、波津彬子 ●インタビュー/エッセイ 小松和彦、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己、荒俣宏 ●グラビア 嘉村ギミ、芳賀日出男、佐藤健寿、新作能「アマビエ」、怪食巡礼 ●怪談実話 我妻俊樹、中山市朗、春南灯 ●お化け友の会ひろば 大倉流小鼓方・上田敦史、志村真幸、弘前乃怪、北陸怪談研究会、妖怪朗読家ゆうか、化け通『モンスターハンターライズ』 etc……
江戸期に活躍した初代林家正蔵が祖とされる怪談噺。そして今年、没後120年となる三遊亭圓朝による『怪談牡丹灯籠』『真景累ヶ淵』『怪談乳房榎』といった名作は、いまなお演じ継がれていると同時に、怪談文芸の傑作でもある。講談や浪曲でも怪談や幽霊/化け物を題材とする演目は大衆の心をつかみ続け、現代の創作にも深い影響を与え続けている。伝統的な怪談噺から妖怪たちが登場する滑稽噺までーー昨今にわかに注目が集まる落語・講談・浪曲といった語りの伝統芸の魅力を、「怪と幽」的な側面からフォーカスする! 京極夏彦「遠巷説百物語」がついに最終話! そのほか強力な連載陣もお見逃しなく!! ●特集 落語・講談・浪曲 伝統話芸のすゝめ 【対談】柳家喬太郎×北村薫 【インタビュー】神田松鯉 【対談】柳亭小痴楽×平山夢明 【対談】玉川奈々福×東雅夫 【インタビュー】蜃気楼龍玉 【インタビュー】柳家権之助&柳家小太郎 【寄稿】杉江松恋 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、近藤史恵、山白朝子、恒川光太郎、真藤順丈、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ/インタビュー 荒俣宏、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己 ●グラビア シラノ、芳賀日出男、佐藤健寿、荒俣宏の妖怪伏魔殿2020、怪食巡礼 ●怪談実話 黒木あるじ、東亮太、深津さくら ●お化け友の会ひろば 鈴木光司×安曇潤平、お化けゲーム最新情報、「小松和彦退任記念講演会」レポート、新潟妖怪研究所、妖怪美術館、「ひどい民話を語る会」レポート etc……
妖怪や怪談を愛する偉大なる先達らが拓いた地平には、いまや幅広い分野から猛者が合流しつつあります。そこに新鋭やベテラン、学会や在野などといった垣根は関係ありません。第一特集では研究書からアンソロジーまでーー近年に刊行された群雄割拠の注目本と執筆者を御紹介します。新時代を開拓する探究者たちの活躍に刮目を! 第二特集では、今年六月に角川文庫版の刊行がスタートした小野不由美によるホラー&ミステリ「ゴーストハント」シリーズの魅力をお届けします。 ●特集1 次代の探究者たち 【インタビュー】朝里樹 【対談】東雅夫×朝宮運河、一柳廣孝×木場貴俊 【寄稿】飯倉義之、伊藤慎吾、井上真史、今井秀和、大道晴香、木下昌美、駒ヶ嶺朋子、佐野誠子、畑中章宏、廣田龍平 【ブックガイド】式水下流 ●特集2 小野不由美「ゴーストハント」入門 「ゴーストハント」全作紹介 二〇二〇年版 キャラクター人気ランキング 【寄稿】辻村深月、いなだ詩穂 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、近藤史恵、山白朝子、恒川光太郎、真藤順丈 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介、波津彬子 ●論考/エッセイ 荒俣宏、小松和彦、東雅夫、加門七海、多田克己&村上健司 ●グラビア 鈴木次郎、芳賀日出男、佐藤健寿、アマビエスイーツ、怪食巡礼 ●怪談実話 松原タニシ、郷内心瞳、杉背よい ●お化け友の会ひろば 浅沼晋太郎、松原タニシ、高橋葉介、逢香、大蛇堂 etc……
昭和29年3月に起きた連続通り魔「昭和の辻斬り事件」。「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は事件を通じて女学生・呉美由紀と知り合い、その年、続々発生する怪事件に関わることになる。「鬼の因縁で斬り殺される」「河童の仕業で連続水死」「高尾山中で天狗攫いが」。怪奇が、事件の真相を呼び起こす「稀譚小説」。
「怪と幽」4号では、時代を超えて読み継がれる名作から一部の世代に多大な影響を与えた奇書までーー子どもたち、そしてかつて子どもだったすべての人々に贈るこわ〜い本を特集。子どもたちが初めて出会う「おばけ」を作り上げた、せなけいこ氏のおばけ哲学から、今年で30周年を迎える「学校の怪談」シリーズの常光徹氏へインタビュー、初めて絵本を手掛けた佐野史郎氏と有栖川有栖氏の対談、総勢18名の作家らが選んだ「私のトラウマ本」など、盛りだくさんでお送りします。特別企画として、国際日本文化研究センターの所長を退任された小松和彦氏へのロングインタビューを掲載。強力連載陣も健在です! ●特集 こわ〜い本 ぼくらはお化けと育った 【グラビア】「せなけいこ流おばけの作り方」 【インタビュー】常光徹 「『学校の怪談』と子どもたちの三十年を振り返る」 【対談】佐野史郎×有栖川有栖 「子どもたちに恐怖を」 【アンケート】「私のトラウマ本」 押切蓮介、乙一、加門七海、貴志祐介、小松和彦、近藤史恵、佐藤健寿、真藤順丈、高橋葉介、多田克己、恒川光太郎、東雅夫、平山夢明、松村進吉、宮部みゆき、村上健司、夢枕獏、綿矢りさ 【寄稿】黒坂真由子 「せなけいこのおばけ哲学」 【レポート】「令和の子供たちに訊く! こわ〜い本」 【寄稿】黒史郎 「少年少女雑誌はオカルト記事の宝庫」 【競作】澤村伊智 「赤い学生服の女子」 、芦沢央 「冬に真実は伝えない」 ●特別企画 国際日本文化センター所長御退任記念ロングインタビュー 小松和彦の軌跡 ●小説 京極夏彦/小野不由美/近藤史恵/山白朝子/恒川光太郎/真藤順丈 ●漫画 諸星大二郎/高橋葉介/押切蓮介/波津彬子 ●論考・エッセイ 荒俣宏/東雅夫/加門七海/多田克己、村上健司 ●グラビア 七原しえ/芳賀日出男/佐藤健寿/怪食巡礼 ●怪談実話 朱雀門出/丸山ゴンザレス/田辺青蛙 ●お化け友の会ひろば インタビュー 荒俣宏「妖怪伏魔殿」 インタビュー 南條竹則『ゴーストリィ・フォークロア』 インタビュー 清野とおる『東京怪奇酒』 寄稿 三輪チサ「枚方怪談サークル」 寄稿 方南町お化け屋敷「オバケン」 寄稿 香川雅信「 驚異と怪異 -モンスターたちは告げるー」 寄稿 東洋大学「妖怪 meets SPORTS」 レポート ドラえもん50周年展「ゾ〜ッとするこわい話」 etc
72歳の益子徳一は定年退職後、公団アパートで一人暮らし。 誰かに優しく「オジいサン」と呼かけられたことを思い出したり大した用もないのに訪ねてくる田中電気の二代目と言い合いしたり、調子に乗って変な料理を作ったりーー。 一日一日をきちんと大事に、そしてあるがままに生きる徳一は、何気ない日常の中で、ささやかだけれど大切なことに気づいてゆく。 ほっこり笑えてちょっぴり胸が温まる、連作短編集。 <解説・宮部みゆき> ◆一番好きな京極作品の声、多数! 「偏屈がチャーミングに転じて、徳一さんの一分一秒から目が離せない」 ーー30代女性・校閲者 「買い物や料理、ごみの分別など身近な困難を乗り越えてゆく姿に感動を覚えました」 ーー40台男性・会社員
「怪と幽」第3号は、妖怪ブームに沸く台湾を特集。 ●特集 妖怪天国 台湾 【インタビュー】何敬堯「台湾の妖怪と、妖怪ムーブメント」 【紀行】村上健司「旅行のついでに立ち寄りたい 台湾の妖怪伝説地」 【インタビュー】瀟湘神、NL、小波「臺北地方異聞工作室とは?」 【怪談実話】瀟湘神「山の中に潜む恐怖 現代台湾魔神仔実話」 【寄稿】伊藤龍平「台湾と日本の「妖怪」、くらべてみれば…… 概念の伝播、付与されるアイデンティティ」 【寄稿】林巧「アジアのなかの台湾のお化け」 【復刻】日影丈吉「騒ぐ屍体」 【寄稿】東雅夫「華麗島に魅せられた文豪たち」 【インタビュー】曲辰「台湾における妖怪/怪談文芸事情」 【紀行】「日本と台湾の妖怪文化を繋ぐ 溪頭松林町妖怪村レポート」 【エッセイ】池澤春菜、伊藤潤二、椎名誠、東山彰良「妖しき華麗島」 ●小説 京極夏彦、有栖川有栖、近藤史恵、乙一、松村進吉 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 荒俣宏、小松和彦、東雅夫、多田克己&村上健司、加門七海(新連載) ●グラビア しきみ、芳賀日出男、佐藤健寿、台湾妖怪紳士録、国際日本文化研究センター新所蔵画図、怪食巡礼 ●怪談実話 三輪チサ、吉田悠軌、小田イ輔 ●お化け友の会ひろば インタビュー 安達寛高 映画『シライサン』 インタビュー ホセ・サナルディ『南米妖怪図鑑』 対談 諸星大二郎×佐藤健寿『世界伝奇行』 寄稿 本城達也『昭和・平成オカルト研究読本』 レポート 宮本幸枝「不思議な宿」 etc……
明治三十年代、女学生・塔子は、気鬱を晴らそうと人気のない道を歩きながら考えを巡らせていた。道中、松岡と田山と名乗る二人の男と出会う。彼らは、ある幻の書店を探しているという。古今東西の凡百書物が揃い、迷える人々が探し求める本を引き合わせる“書楼弔堂"--。一人の女学生と詩人の松岡國男(柳田國男)を中心に、田山花袋、添田唖蝉坊、福来友吉、平塚らいてう等の実在する多くの著名人が交わり、激動の明治時代を生きる人々の姿、文化模様を浮かび上がらせる。待望のシリーズ第二弾。 【著者略歴】 京極 夏彦(キョウゴク ナツヒコ) 1963年北海道小樽市生まれ。94年『姑獲鳥の夏』で小説家デビュー。 96年『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞(長編部門)、97年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞受賞。 2003年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で第130回直木賞受賞、11年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞受賞。16年遠野文化賞受賞。
特集 ムーと怪と幽 【インタビュー】片岡愛之助 【鼎談】並木伸一郎×佐藤健寿×三上丈晴 【対談】黒史郎×吉田悠軌 【寄稿】稲生平太郎、大道晴香、朝里樹 【紀行】玉置標本 【ブックガイド】朝宮運河 特別企画「ふしぎな元号 めでたい改元」 【寄稿】久禮旦雄 連載 【小説】京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、恒川光太郎、近藤史恵、乙一、澤村伊智 【漫画】諸星大二郎、高橋葉介、波津彬子、押切蓮介 【論考・エッセイ】荒俣宏、小松和彦、東雅夫、多田克己、村上健司 【グラビア】ホームラン・拳、芳賀日出男、佐藤健寿、UFO写真傑作選、怪食巡礼 【怪談実話】丸山政也、高田公太、神 薫 【研究会レポート】国際日本文化研究センター、東アジア恠異学会、怪異怪談研究会、異類の会、怪談文芸研究会 【インタビュー&寄稿】スケラッコ、高橋直子、角銅博之、木下昌美、山中由里子、藤川洋一 ほか
昭和二十九年八月、是枝美智栄は高尾山中で消息を絶った。約二箇月後、群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服をまとっていた。この謎に旧弊な家に苦しめられてきた天津敏子の悲恋が重なり合い──。『稀譚月報』記者・中禅寺敦子が、篠村美弥子、呉美由紀とともに女性たちの失踪と死の連鎖に挑む。天狗、自らの傲慢を省みぬ者よ。憤怒と哀切が交錯するミステリ。
「そうですね。その河童がーー誰かと云うことです」 「河童が誰かって、中禅寺さんあんた」 小山田は顔を顰めた。 昭和29年、夏。 複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。 3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。 第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るがーー。 山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。 百鬼夜行シリーズ待望の長編!
妖怪マガジン「怪」と怪談専門誌「幽」が劇的に合体し、ここに新雑誌「怪と幽」が誕生する。 待望の新連載「遠巷説百物語」をはじめ、豪華執筆陣による強力連載が目白押し! いざ、お化け好きの新天地へ! 特集1 妖怪と、怪談と 対談 京極夏彦×東雅夫 インタビュー 荒俣宏 小説競作 榎田ユウリ、朱野帰子、内藤了、宇佐美まこと 特集2 巷説百物語Reboot!! 「巷説百物語」シリーズ全作品紹介&キャラクター相関図 【小説】京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、恒川光太郎、近藤史恵、澤村伊智 【漫画】諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 【論考・エッセイ】荒俣宏、小松和彦、東雅夫、多田克己、村上健司 【グラビア】Izumi、芳賀日出男、佐藤健寿、佐藤詩織(欅坂46) 【怪談実話】安曇潤平、川奈まり子、小原猛 【研究会レポート】国際日本文化研究センター、東アジア恠異学会、怪異怪談研究会、異類の会、怪談文芸研究会 【インタビュー&寄稿】松原タニシ、小山聡子、黒史郎、荻野慎諧 ほか 京極夏彦「遠巷説百物語」がスタート。人気イラストレータIzumiによる妖怪イラストや、欅坂46の佐藤詩織も登場!