著者 : 伊東潤
政治と共に世に出、政治によって抹殺された千利休。利休の編み出した「侘数寄」の精神は、美の世界を支配した。牧村兵部、瀬田掃部、古田織部、細川忠興という利休七哲に数えられる高弟たちによって語られる、利休と秀吉との相剋。弟子たちの生涯から、利休の求めた理想の茶の湯と、その死の真相に迫っていく。
【文学/日本文学小説】江戸前期に財を成した商人・七兵衛(後の河村瑞賢)は海運航路整備・治水・鉱山採掘などの幕府公共事業を手掛け、知恵と胆力で次々と難題を解決してゆく。新井白石をして「天下に並ぶものがいない富商」と唸らせた男の波瀾万丈の生涯を描く長篇時代小説。
幕末から明治へー。捕鯨集団「太地鯨組」の若き棟梁・太地覚吾を、激変する時代の荒波が襲う。外国船の乱獲による鯨の不漁、南海地震による大津波、村を救うため画策した蝦夷地での操業も頓挫する。そして、巨鯨を追うあまりに引き起こされた海難事故「大背美流れ」では、百名以上の生命が奪われる。時代に抗い、度重なる苦境に、何度も立ち向かい続けた男の物語。
死者10人を出した簡易宿泊所放火事件。警察官・寺島が入手したノートの「1970」「H・J」の意味とはー。45年の歳月を経て、2つの事件が結びつく時、過去に囚われた男たちの最後の戦いが始まる。現代史の“闇”に迫る怒濤の公安小説。
幕末京都のいちばん長い夜、池田屋騒動。福岡祐次郎、北添佶摩、宮部鼎蔵、吉田稔麿…松陰や龍馬の周囲で懸命に生き、日本を変えようとした男たちは、志半ばで散ってしまうのか。そして生き延びた明治の元勲・木戸孝允こと桂小五郎が語る真実とは。注目の歴史作家が熱く、多面的にあの夜を描ききった!
天正十年六月二日(1582年6月21日)──戦国時代でいちばん長い夜だった。すなわち本能寺の変。天下人目前の信長を、討った男と守った男。野心と業にまみれた男たちのそれぞれの生きざまとは……。歴史の流れを変えた「瞬間」に、名手7人が集結。累計19万部突破の大好評「決戦!」シリーズ第3弾! 天正十年六月二日(1582年6月21日)──戦国時代でいちばん長い夜だった。すなわち本能寺の変。天下人目前の信長を、討った男と守った男。野心と業にまみれた男たちのそれぞれの生きざまとは……。 伊東潤「覇王の血」(織田信房) 矢野隆「焔の首級」(森乱丸) 天野純希「宗室の器」(島井宗室) 宮本昌孝「水魚の心」(徳川家康) 木下昌輝「幽斎の悪采」(細川幽斎) 葉室麟「鷹、翔ける」(斎藤利三) 冲方丁「純白き鬼札」(明智光秀) 歴史の流れを変えた「瞬間」に、名手7人が集結! 累計18万部突破の大好評「決戦!」シリーズ第3弾 伊東潤「覇王の血」(織田信房) 矢野隆「焔の首級」(森乱丸) 天野純希「宗室の器」(島井宗室) 宮本昌孝「水魚の心」(徳川家康) 木下昌輝「幽斎の悪采」(細川幽斎) 葉室麟「鷹、翔ける」(斎藤利三) 冲方丁「純白き鬼札」(明智光秀)
われ、薩長の明治に恭順せずー。幕府歩兵奉行・大鳥圭介は異色の幕臣だった。全身にみなぎる反骨の気概、若き日に適塾で身に着けた合理的知性、そしてフランス式軍学の圧倒的知識。大政奉還後、右往左往する朋輩を横目に、江戸から五稜郭まで戦っていく。勝海舟や土方歳三に信頼された大鳥は、なぜ戦い続け、何を信じていたのか。武士の最後の戦を描ききる傑作長編。
その男の奏でる調べは、武士の時代への鎮魂歌かー。西郷隆盛と大久保利通の後継者と目されていた村田新八は、岩倉使節団の一員として渡欧、パリにおいて、西郷が大久保と袂を分かって下野したとの報に接する。二人を仲裁するために帰国し、故郷・鹿児島へと向かったものの、大久保の挑発に桐野利秋らが暴発。ここに、日本史上最大にして最後の内戦・西南戦争の火蓋が切って落とされた。著者渾身の長編小説。
当代きっての作家たち、ガチンコ競作シリーズ!慶長五年九月十五日、霧立ちこめる地に戦国時代の終焉を告げる運命を背負った男たちが集結した。天下分け目の大戦「関ヶ原の戦い」。徳川家康率いる「東軍」圧勝の理由、石田三成率いる「西軍」敗北の契機、そして両軍の運命を握る男。七人の作家が七人の武将の視点で描く競作長編「決戦!」シリーズ初陣。刊行当初から話題沸騰!業界初の立体的(3D)な競作長編! 当代きっての作家たち、ガチンコ競作シリーズ! 慶長五年九月十五日、霧立ちこめる地に戦国時代の終焉を告げる運命を背負った男たちが集結した。天下分け目の大戦「関ヶ原の戦い」。徳川家康率いる「東軍」圧勝の理由、石田三成率いる「西軍」敗北の契機、そして両軍の運命を握る男。七人の作家が七人の武将の視点で描く競作長編「決戦!」シリーズ初陣。 葉室麟「孤狼なり」(石田三成) 冲方丁「真紅の米」(小早川秀秋) 伊東潤「人を致して」(徳川家康) 天野純希「有楽斎の城」(織田有楽斎) 矢野隆「丸に十文字」(島津義弘) 吉川永青「笹を噛ませよ」(可児才蔵) 木下昌輝「怪僧恵瓊」(安国寺恵瓊) 刊行当初から話題沸騰! 業界初の立体的(3D)な競作長編! 「決戦!」シリーズは、映画「関ヶ原」を応援しています! 葉室麟「孤狼なり」(石田三成) 冲方丁「真紅の米」(小早川秀秋) 伊東潤「人を致して」(徳川家康) 天野純希「有楽斎の城」(織田有楽斎) 矢野隆「丸に十文字」(島津義弘) 吉川永青「笹を噛ませよ」(可児才蔵) 木下昌輝「怪僧恵瓊」(安国寺恵瓊)
時は鎌倉時代末期。足利家の家宰・高師直は、幕府より後醍醐帝追討の命を受け上洛の途に就く。しかし師直は思う。「これは主人である尊氏に天下を取らせる好機だ」。帝方に寝返った足利軍の活躍により、鎌倉幕府は崩壊。建武の新政を開始した後醍醐帝は、次第に尊氏の存在に危機感を覚え、追討せよとの命を下した。だが師直はすでにその先に野望の火を灯しており……。婆娑羅者・高師直の苛烈な一生を伊東潤が描いた南北朝ピカレスク、待望の文庫化!
応仁・文明の乱で荒廃した都。備中の荏原庄で育った伊勢新九郎は、兄を討つことを強いた守旧勢力の権力闘争を憎んだ。下向した駿河で、東国を新天地とすることに定め、茶々丸、三浦道寸ら好敵手との対決が、新九郎とその一族を押し上げていく。戦国黎明期を駆け抜けた北条早雲の新しき姿に、伊東潤が挑む!
信玄亡き後、戦国最強の武田軍を背負った勝頼。信長、秀吉ら率いる敵軍だけでなく家中にも敵を抱えた勝頼は……。かつてない臨場感と震えるほどの興奮! 熱き人間ドラマと壮絶な合戦を描ききった歴史長編!
毎年、時代小説の年間ランキングを発表してきた『この時代小説がすごい!』。時代小説読みのプロであるその選者たちが、今回短編時代小説のオールタイムベストテンを選出。日本のすべての短編時代小説から最も面白く、かつ現代の読者に読んでほしいと願うランキング第1位の「国を蹴った男」(伊東潤)をはじめ第5位までの作品を収録。時代小説を代表する名作短編が揃うアンソロジー!
明暦三年(一六五七)、材木商の河村屋七兵衛(後の瑞賢)は、徳川四代将軍家綱の後見役である保科正之から日本列島の海運航路開発を命じられた。食糧不足に悩む巨大都市・江戸に、奥羽の物産を届ける新たな物流拠点を構築するためである。さらに大坂・淀川治水工事や越後高田藩の銀山開発など、知恵と並はずれた胆力で何度も危地をくぐり抜け、七兵衛は江戸という時代を縁の下から支えるインフラ構築事業に邁進していく…。
人の運は紙一重。切所を見極め、悔いなく生きよー今川、武田、織田と強大な勢力が重石のようにのしかかる三河。部下にも呆れられる凡庸な武将家康には、越えるべき峠がいくつもあった。家康はなぜ天下人になれたのか?本能寺の衝撃の真相とは?剛腕・伊東潤が家康生涯最大の切所「伊賀越え」に挑む!
信長が安土城に安置していた「盆山」の真の役割を知る織田信雄。六十余度の戦いで不敗を誇る肥後の智将・甲斐宗運。関ヶ原合戦直前、伏見城で西軍に寡兵で臨んだ徳川の猛将・鳥居元忠。家康の懐刀として暗躍した、武人にして豪商の茶屋四郎次郎。今川、武田・上杉の圧力に智恵と胆力で対抗する北条氏康。賎ヶ岳七本槍の一人として大名となった片桐且元…。大注目の作家陣が知られざる戦国史を描く豪華アンソロジー!
東京オリンピックの開催を翌年に控え、横浜は活気に満ちていた。そんな時、横浜港で若い女性の死体が発見される。死体にはネイビーナイフの刺し傷、爪の間には金髪が残っていた。立ちはだかる米軍の壁に事件は暗礁に乗り上げたが、神奈川県警外事課の若い警察官・ソニー沢田は単身、米海軍捜査局に乗り込んだ。日系三世の米軍SP・ショーン坂口は、ソニーの熱意に応え捜査協力を決意する。やがて明らかになってくる驚愕の真実。互いの人生に共感する二人は、犯人を追い詰めることができるのか。横浜生まれ横浜育ちの作家が放つ、郷愁の社会派ミステリー。