著者 : 千野隆司
家族の絆は正義に通ずーー。 角次郎と息子・善太郎が政商の脅威に立ち向かう、人気シリーズ最新作! 武蔵岡部藩御用達の米問屋和泉屋の主と、勘当されたその息子の刺殺死体が発見された。 状況から、互いに刺し合ったということで幕引きとなったが、米問屋大黒屋の主・角次郎は、大目付・中川より事件の吟味を命じられる。 裏には、岡部藩の年貢を狙う政商・千種屋の目論見があるらしい。 その後も続く和泉屋の“不幸”を、力を合わせて撥ねのけようとする角次郎と息子の武士・善太郎。 だが、刺客は大黒屋にも迫っていたーー。
凶作のため高岡藩の米収穫高も例年の七割しかなく、藩財政がさらに困窮することが予想された。年貢を増やしてこの危機を乗り切ろうと図る江戸家老に反対した正紀は、正式に井上家に婿入りし、世継ぎとなったにもかかわらず、自ら新たな財源を探しに奔走する。ところが、そんな正紀の行動を面白く思わぬ者もいたー。好評シリーズ第二弾!
一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになる、ぎりぎり一万石の大名、下総高岡藩井上家に婿入りすることになった竹腰正紀はまだ十七歳の若者だ。正紀は、高岡藩江戸上屋敷を訪れたおり、堤普請を嘆願する百姓と出会い、二千本の杭を調達する約束を結んでしまう。まだ婿入り前にもかかわらず、高岡藩のために奔走する日々が始まった!待望の新シリーズついに開幕!
父は商人、息子は武士。 家族が力を合わせて闇を暴く、人気シリーズ新章突入! 武士として兄の仇討ちを果たし、婿入り先の米屋・大黒屋に戻った角次郎に、大目付の中川から呼び出しがあった。 曰く、古河藩重臣の知行地で、重税に抗議した村名主が不審死。 その息子が、事件の吟味に対する不満を直訴してきたため、商人として事を荒立てず訴えの真偽を探ってほしい、と言う。 旗本・五月女家の主となった息子の善太郎を連れ、件の知行地へ向かった角次郎。 待ち受けていたのは、腕利きの刺客と、思わぬ陰謀だったーー!
仇討ちの父子を道場に居候させた豊之助だったが、どうやらその仇とは、江戸を騒がす火付け盗賊団の頭らしい。父子に知れぬよう裏を取る、豊之助と北山は、ある屋台店の存在を突きとめ、そこから盗賊団の行方に迫っていった。一方、中西道場からは、豊之助を本部道場に戻そうという声が聞こえてきたー。好評シリーズ第六弾!
旗本の小出家で、上役の悪辣な妨害にも負けず職務と武芸に励む川端藤吉。真っ直ぐなその姿に当主の信頼も厚く、頭角を現していく。ある日、新御番衆の旗本、香坂平内から婿入りの誘いが掛かる。香坂家は将軍御目見の地位にあり、藤吉には更なる出世となるのだが、平内の娘の楓は、重い病で明日をもしれぬ命だったー。悲通のシリーズ第四弾。
崩落した永代橋の架け直しが幕府費用で行われることになった。総工費三万五千両を超す大事業だが、勘定奉行の大久保が工事で私腹を肥やそうとしている疑いがあることを角次郎らはつかむ。不正を暴くことができるか?
材木問屋の奉公人が刺殺され、凶器の脇差が腹に刺さったまま残されていた。与力の北山は豊之助の助力を得て探索を始めたのだったが、脇差の持ち主は中西道場の弟弟子だった!弟弟子の無実を祈りつつ探索を続けた豊之助だったが、はたして真相はいかに!?好評シリーズ第四弾!
長谷川平蔵が立案実施した人足寄場は、罪を犯した者たちに職業訓練を施し社会に復帰させる画期的な施設だった。伯父の平蔵を慕う阿比留平之助は、定掛与力としてその人足寄場に勤めることになる。その頃、鬼洗いの鉦七の押し込み強盗が起こり、逃走用の船の船頭に雇われて事情も分からぬままに捕まった、癸助の妹トミの周辺でも不可解な出来事が起こりはじめるー。わずかな手掛かりをたよりに、鉦七一味を追いかけていく平蔵と平之助。平之助の成長と活躍を描く、書き下ろし長編シリーズの第一作!
旗本家次男の角次郎は縁あって米屋の大黒屋に入り婿した。ある日、実家の五月女家を継いでいた兄が不審死を遂げる。御家存続と兄の死の謎解明のため、角次郎は実家に戻って家を継ぎ、武士となるが……。
大身旗本への奉公替えで更なる出世を果たした川端藤吉。俸禄も上がり、前途洋々かと思われた。しかし奉公先である小出家では、百姓上がりの藤吉の事を良く思わない者ばかり。世話をする事になった馬への嫌がらせを受け、それが原因で若殿に怪我をさせてしまう。突として窮地に立たされる藤吉に、一筋の光明は差すのか?堅忍不抜のシリーズ第三弾。
幾人もの侍に追われていたところを豊之助が救った常太郎と名のる若侍は、いかにもいわくありげな様子。素性も事情もいっさい語らず、帰る家もないという。豊之助は常太郎を来栖道場に居候させてやることにしたのだが、これがとんでもない騒動へ巻き込まれるきっかけとなった…。好評シリーズ第三弾!
旗本家次男の角次郎は縁あって米屋の大黒屋に入り婿した。ある日、本所深川一帯で大火事が起こり、大黒屋の店舗も焼失してしまう。大黒屋復活のため角次郎は動き出すが……。妻と心を重ね米屋を繁盛させていく物語。
百姓から憧れの武士へと出世した藤吉に、中小姓として俸禄と姓が与えられた。ある日、奉公先である永穂家の家宝が盗まれる。探索を命じられた藤吉は、上役の辻村覚助から意地の悪い妨害を受け、唯一の手掛かりを失う。また追い討ちを掛ける様に嫌味な上役が新たに現れ、藤吉は窮地に立たされる事に。出世の道に暗雲垂れ込める、逆境の第二弾。
若旦那修業が始まって半年が経ち、金貸しの仕事にも慣れてきた新五郎。そこへ、意外な客が訪れた。依田半之助はつましくも安定した暮らし向きのはずだったが、なにやら差し迫った気配。立て続けに借りた五両の金は、果たしてどこに消えたのかー(「桶の金魚」より)。ほか、全三話を収録。「店の繁昌は、客の繁昌と共にある」。そんな亡き兄の言葉を胸に奮闘する主人公を通して、市井の哀歓を濃やかに描く。シリーズ感動の完結。
旗本家次男の角次郎は縁あって米屋の大黒屋に入り婿した。米の値段が下がる中、仕入れた米を売るために、角次郎は新米を江戸に運ぶ速さを競う新米番船に参加する。妻と心を重ね家族一丸で米屋を繁盛させていく物語。
本所来栖道場の師範代・豊之助は懸命にオンボロ道場の立て直しをはかるが、弟子は遅々として集まらない。ところがある日、十数名もの新弟子志願者が訪れた。どうやら、闇討ちに遭ったところを豊之助が救った越中屋の指図らしい。喜ぶ豊之助だったが、この一件、思わぬ事件へと繋がっていく…。好評シリーズ第二弾!
北町奉行・永田備前守正直の三男である豊之助は婿入りの話を断わり、剣客として生きる決心をした。師の中西忠兵衛の命に従い、本所の町道場の師範代となるが、当の師範は借金をつくってすでに夜逃げ!もはや後には引けない。豊之助は懸命にオンボロ道場の立て直しをはかるのだったが…。待望の新シリーズ第一弾!
上州の水呑百姓の家に生まれた藤吉は、下男奉公先で米作りや馬の世話、雑用など何でもこなす毎日を送っていた。そんな彼には、いつか農民の身分から脱し、侍になるという大それた夢があった。生まれ持った運と知恵を味方に、藤吉は立派な武士へと出世できるのか!?身分の壁にぶつかりながらも、孤軍奮闘する若者の成長を描いた、痛快時代小説。