著者 : 夢枕獏
フジ・プロレス所属選手の圧倒的敗北。何でもありの格闘技・バーリトゥードが男たちの心を震撼させた。己の腕を見つめ直す者、禍々しい力にひれ伏す者…。格闘界が揺れ動く中、期せずして対峙した羽柴彦六と久我重明。最強に最も近い二人が繰り広げる闘いの行方はいかに!?そして、開幕を控えた武林館主催のトーナメントに向けて、いくつもの思惑が動き出す!
最凶の男・久我重明の非情な指導の下、着々と力を増す志村礼二は、フルコンタクト空手大会に参戦。比類なき強さで勝ち進み、迎えた決勝で、鍛錬を重ねた芥菊千代と対峙する。一方、東京のプロレス道場の見学に訪れた室戸武志。選手の練習風景に圧倒されていたが、思いがけずリング上でスパーリングに臨むこととなる。さらなる強さを求め、意地がぶつかる第三弾!
孤独の中で強さを渇望する芥菊千代。組から追われる身となった竹智完。美しき獣のごとき志村礼二。愚直に武道に邁進する加倉文平。優しき巨躯の室戸武志。世界を放浪する陳家太極拳の達人・羽柴彦六が五人の若者と出会った時、運命の歯車は俄かに動き出すー。血潮たぎる迫力と息をもつかせぬテンポで繰り広げられる夢枕獏のノンストップエンタテインメント!
悩める九十九三蔵の前に姿を現わした真壁雲斎。大鳳吼と久鬼麗一のキマイラ化を抑えるべく奔走していた雲斎は、亜室健之から聞いたキマイラの歴史を九十九に語り始める。その内容は驚くべきものだった。一方、フリードリッヒ・ボック一味に拉致された織部深雪を助けるべく立ち上がった菊地良二は、戦いの末敗れ、捕らえられた建物の一室でボックの仲間と思われる久鬼にそっくりな謎の少年と対峙する。キマイラの秘密に迫る19巻!
稀代の陰陽師・晴明と心優しき笛の名手・博雅が活躍する六百万部超の人気時代小説第14弾。今回は、晴明のライバルにして、シリーズ登場人物で人気第三位でもあり、酒をこよなく愛する播磨の蘆屋道満が大活躍。彼を主人公にした三本の短編が登場。通常のシリーズとは、ちと違う平安の幽玄とあわれの世界に読者を誘います。
元禄十五年十二月十四日(一七〇三年一月三十日)。粉雪舞う夜更け、四十七人の浪人が、一人の老人の首を落とし、勝鬨を上げた。死を賭して立てる、武士の一分ー。三百有余年、日本人が愛し続けた物語。決死の義挙に涙せよ。「決戦!」が新たな忠臣蔵に挑む!
ついにキマイラ化した久鬼麗一。玄造と九十九は血肉を求めて飛翔してきた麗一と南アルプス山麓で対峙する。それを見守る宇名月典善、菊地良二ー。敗戦を経て以前より凄みを増した龍王院弘の姿もそこにはあった。一方、大鳳を手中におびきよせようと暗躍するフリードリッヒ・ボック。その企みを阻止しようと立ち上がったのは、あの男だった!?そして、悩める九十九の前に姿を現わしたのは…。風雲急を告げる18巻!
美貌の戦士、龍王院弘。俊敏だが卑屈な少年時代に流浪の格闘家・宇名月典善に見出された。銃弾とすら対決する典善を師と仰ぎ、修羅道を歩み始める弘。出会って約1年が過ぎたころ、腕試しに来留間三郎が道場主を務める玄武館に連れて行かれる。来留間の背後には典善の因縁の相手、当麻真玄流の馬垣勘十郎の姿があった。典善と馬垣。弘と来留間。それぞれの闘いが始まるー。大作「キマイラ」が生んだアナザーストーリー!
弁才天はいつから琵琶を持つようになったのか? 神々の逢瀬に歯噛みする猿、秋に桜を咲かせる木、蝶に変わる財物ーー京の不思議がつぎつぎに晴明と博雅をおとなう大人気シリーズ。
安倍晴明と源博雅のコンビが平安の闇を祓い続けて夢枕作品は百を越えた。映画、歌舞伎、ドラマ、音楽、漫画と越境を繰り返し「陰陽師もの」という一大ジャンルを築く元となった小説・陰陽師シリーズの磁力の源と謎に、インタビュー、対談、座談会、エッセイ、登場人物紹介、全話解説等あらゆる角度から迫ったファン必携の一冊。
牡丹こと天草四郎にさらわれた舞を救うため、大剣を背負った大男・万源九郎は飛騨へ向かっていた。時を同じくして、天空より、三種の神器=オリハルコンを求めて異星のものたちが現れ、各地で人の身体を乗っ取り始めていた。やがて宮本武蔵、佐々木小次郎、柳生十兵衛ら剣豪や、真田忍群と伊賀の土蜘蛛衆までもが天の命運をめぐる凄絶な争いに巻き込まれてゆく。はたして源九郎は、女と地球を守り抜くことができるのか!?
久鬼玄造のキマイラへの執念。それは、かつて中国西域で、キマイラによって運命を狂わされた男たちからひきついだものだった。長い独白を終え、玄造は九十九に、キマイラ化を抑えるソーマの隠し場所を教えるように迫る。だが行方不明になっていた麗一が南アルプスの山中にいることが判明し、一同は山へと向かう。しかし、そこにいたのは身も心も完全にキマイラと化した麗一だった。著者畢生の青春大河小説、怒涛の新展開!
山が、そいつに声をかけるんだよ、長谷。順番が来たことを教えてくれるんだ。-お前の番だよ。こっちへおいで、と。(表題作「呼ぶ山」より)山を愛し、自らも数々の山に登ってきた著者の作品群より、山の臨場感と霊気に満ちた7作品を厳選。『神々の山嶺』のスピンオフである表題作を併録した。山で起こる幻想的な話、奇妙な話、恐ろしい話…人々を魅了してやまない、山の美しくも妖しい側面を切り取った著者初の山岳小説集。
時は、未だ関ヶ原の爪痕残る徳川の治世。身の丈およそ2メートル、岩を削りとったような剛健な肉体に異形の大剣を背負い、よろずうけおい人として旅をする男がいた。その名は万源九郎。金緑色の強烈な光が天空を疾り抜けた晩、源九郎は山中で赤い簪を拾う。だがその簪の持ち主である娘・舞を捜す忍びたちに命をつけ狙われることになり!?剣戟に忍術妖術入り乱れ、歴史を揺るがす壮大な物語が幕を開ける。唯一無二の時代伝奇小説。
異形の大剣を背にした大男・万源九郎は、豊臣秀頼の血を引く舞と、彼女を守る真田の忍び・申と共に江戸へ向かうことに。だがその道中では、妖異な術を操り、舞の命を絶たんとする伊賀者が次々と源九郎たちに襲いかかる。一方、最強の兵法者・宮本武蔵、蘇った佐々木小次郎、三種の神器を捜す益田四郎時貞もそれぞれの思惑を胸に江戸を目指していた。やがて彼らの前に異形のものが姿を現わし…!?圧倒的スケールで贈る時代剣劇。
馬垣勘九郎が敦煌で遭遇し、切り落とした化け物の腕。それが九十九たちの目の前にある「キマイラの腕」だというー。久鬼玄造の屋敷で披露されたあまりにも奥の深い話に、吐月や菊地は圧倒される。一方その頃、宇名月典善は、庭に侵入した黒ずくめの男と交戦を始めていた。侵入者の正体、そしてその狙いとは!?新たな謎を解く鍵は、能海寛の『西域日記』に記されていた…。悠々たる物語は、さらなる深化を遂げる!