著者 : 夢枕獏
ハロウィンの夜、タックとチーマはお父さんの部屋にある「秘密箱」を見つけた。中に入っていたのは一本の古い剣と白い三角形をしたとがったもの。剣をもったタックは、その剣先をうっかり机の上の水晶のどくろにぶつけてしまう。「カチン」と音がした瞬間、チーマが持っていた白いものがみどり色の炎をあげて燃えはじめる。すると外から子供の天使がやってきて、 テーブルの上にもっていた白い丸いものを置いた。そのたまごのようなものに、みるみるひびが入ってゆく。すっかり割れたその中から出てきたのは、猫のような竜。猫竜のこどもだった。見た目はかわいい猫竜は千年に一度生まれる白いドラゴンのこども。生まれた時に、バロルの持っている青い金剛石を食べさせないと、黒いドラゴンになって世界を滅ぼしてしまう。そこでタックとチーマは、青い金剛石を探しに冒険に出かけることにしたーー。
武林館トーナメントの準決勝、芥菊千代と志村礼二がぶつかり合う。心技体の限りを尽くした闘いは熾烈と凄惨を極めていく。誰もが固唾を呑みながら目撃する闘いの結末は!?そののち、鳴海は宿敵たる麻生と拳を交える。試合の最中、回想する柔道との出会い。そして、激闘の果てに待つのは、新たな使い手たちの台頭だったー。男たちの命が燃える格闘エンタテインメント第六弾!
ついに幕を開けた流派入り乱れてのトーナメント。試合の中で闘いの楽しさを知る室戸武志。中国拳法をベースにしたスタイルで挑む加倉文平。哀しい眸をした竹智完。刃物のような笑みを絶やさぬ志村礼二。全身全霊で相手に向かう芥菊千代。そして、若き闘士たちを見つめる者たちもまたそれぞれの思いを胸に抱いていた。強さの頂を目指す者たちの物語、第五弾。
フジ・プロレス所属選手の圧倒的敗北。何でもありの格闘技・バーリトゥードが男たちの心を震撼させた。己の腕を見つめ直す者、禍々しい力にひれ伏す者…。格闘界が揺れ動く中、期せずして対峙した羽柴彦六と久我重明。最強に最も近い二人が繰り広げる闘いの行方はいかに!?そして、開幕を控えた武林館主催のトーナメントに向けて、いくつもの思惑が動き出す!
最凶の男・久我重明の非情な指導の下、着々と力を増す志村礼二は、フルコンタクト空手大会に参戦。比類なき強さで勝ち進み、迎えた決勝で、鍛錬を重ねた芥菊千代と対峙する。一方、東京のプロレス道場の見学に訪れた室戸武志。選手の練習風景に圧倒されていたが、思いがけずリング上でスパーリングに臨むこととなる。さらなる強さを求め、意地がぶつかる第三弾!
孤独の中で強さを渇望する芥菊千代。組から追われる身となった竹智完。美しき獣のごとき志村礼二。愚直に武道に邁進する加倉文平。優しき巨躯の室戸武志。世界を放浪する陳家太極拳の達人・羽柴彦六が五人の若者と出会った時、運命の歯車は俄かに動き出すー。血潮たぎる迫力と息をもつかせぬテンポで繰り広げられる夢枕獏のノンストップエンタテインメント!
悩める九十九三蔵の前に姿を現わした真壁雲斎。大鳳吼と久鬼麗一のキマイラ化を抑えるべく奔走していた雲斎は、亜室健之から聞いたキマイラの歴史を九十九に語り始める。その内容は恐るべきものだった。一方、フリードリッヒ・ボック一味に拉致された織部深雪を助けるべく立ち上がった菊地良二は、戦いの末敗れ、捕らえられた船の一室でボックの仲間と思われる久鬼にそっくりな謎の少年と対峙する。キマイラの秘密に迫る19巻! 序章 一章 青龍の宴 二章 ルシフェルの座 三章 赤須子 四章 外道の王 転章 あとがき
稀代の陰陽師・晴明と心優しき笛の名手・博雅が活躍する六百万部超の人気時代小説第14弾。今回は、晴明のライバルにして、シリーズ登場人物で人気第三位でもあり、酒をこよなく愛する播磨の蘆屋道満が大活躍。彼を主人公にした三本の短編が登場。通常のシリーズとは、ちと違う平安の幽玄とあわれの世界に読者を誘います。
夢枕獏が、山本一力が、諸田玲子が……「忠臣蔵」を描く! いままで戦国時代を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は江戸は元禄、テーマは「忠臣蔵」。当代きっての名手・七人が、日本人が愛し続ける物語に挑む。義挙を前にした人々の悲哀、本懐を遂げた男たちの晴れ晴れとした思い。そして、主君を守れなかった吉良方の無念……。今までにはない、”涙”の「決戦!」シリーズの誕生。 夢枕獏が、山本一力が、諸田玲子が……「忠臣蔵」を描く! いままで戦国時代を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は江戸は元禄、テーマは「忠臣蔵」。当代きっての名手・七人が、日本人が愛し続ける物語に挑む。 義挙を前にした人々の悲哀、本懐を遂げた男たちの晴れ晴れとした思い。そして、主君を守れなかった吉良方の無念……。今までにはない、”涙”の「決戦!」シリーズの誕生。 鬼の影 葉室麟 妻の一分 朝井まかて 首無し幽霊 夢枕獏 冥土の契り 長浦京 雪の橋 梶よう子 与五郎の妻 諸田玲子 笹の雪 山本一力
久鬼玄造と九十九三蔵はキマイラ化してしまった久鬼麗一を元に戻すべく南アルプスの山で対峙する。一方、別の集団は、大鳳を手中におびきよせるべく、織部深雪を狙っていた……。驚天動地の18巻!
美貌の戦士、龍王院弘。俊敏だが卑屈な少年時代に流浪の格闘家・宇名月典善に見出された。銃弾とすら対決する典善を師と仰ぎ、修羅道を歩み始める弘。出会って約1年が過ぎたころ、腕試しに来留間三郎が道場主を務める玄武館に連れて行かれる。来留間の背後には典善の因縁の相手、当麻真玄流の馬垣勘十郎の姿があった。典善と馬垣。弘と来留間。それぞれの闘いが始まるー。大作「キマイラ」が生んだアナザーストーリー!
世の中には、わざわざ飢えた魔の顎へ首を突っ込みたがるような輩がいるのでございますよ。我が殿アーモンさまもそのおひとりでしてな。虎が人喰いをしたと聴けば、ふらりとそこへお出かけになったり。今回は人語を解する狼の話に興味をもたれ、シヴァ神が舞い降りるというムリカンダ山へ出掛けたのでございます。そこは月の種族が棲む地だと人は怯えているのですが……。九十九乱蔵の原型キャラ、アーモンの活躍を描く、古代インド怪異譚!
弁才天はいつから琵琶を持つようになったのか? 神々の逢瀬に歯噛みする猿、秋に桜を咲かせる木、蝶に変わる財物ーー京の不思議がつぎつぎに晴明と博雅をおとなう大人気シリーズ。
安倍晴明と源博雅のコンビが平安の闇を祓い続けて夢枕作品は百を越えた。映画、歌舞伎、ドラマ、音楽、漫画と越境を繰り返し「陰陽師もの」という一大ジャンルを築く元となった小説・陰陽師シリーズの磁力の源と謎に、インタビュー、対談、座談会、エッセイ、登場人物紹介、全話解説等あらゆる角度から迫ったファン必携の一冊。
牡丹こと天草四郎にさらわれた舞を救うため、大剣を背負った大男・万源九郎は飛騨へ向かっていた。時を同じくして、天空より、三種の神器=オリハルコンを求めて異星のものたちが現れ、各地で人の身体を乗っ取り始めていた。やがて宮本武蔵、佐々木小次郎、柳生十兵衛ら剣豪や、真田忍群と伊賀の土蜘蛛衆までもが天の命運をめぐる凄絶な争いに巻き込まれてゆく。はたして源九郎は、女と地球を守り抜くことができるのか!?
「キマイラ」をめぐる数奇な過去を語り終えた玄造は、キマイラ化した麗一が出没するという南アルプスの山中へと向かう。そこでは異能の格闘家・龍王院弘も、再起を図って獣の道を歩んでいるのだった……。
山が、そいつに声をかけるんだよ、長谷。順番が来たことを教えてくれるんだ。-お前の番だよ。こっちへおいで、と。(表題作「呼ぶ山」より)山を愛し、自らも数々の山に登ってきた著者の作品群より、山の臨場感と霊気に満ちた7作品を厳選。『神々の山嶺』のスピンオフである表題作を併録した。山で起こる幻想的な話、奇妙な話、恐ろしい話…人々を魅了してやまない、山の美しくも妖しい側面を切り取った著者初の山岳小説集。